ラクスルのデータサイエンティストが生成AIのコンペティションで優勝!その驚きの技術とは?

生成AI(Generative AI)

ラクスル株式会社のデータサイエンティストである石川ナディーム氏が、データ分析の腕を競う「atmaCup 第21回大会」で優勝を飾りました。この大会は、特に「生成AI」と呼ばれる、文章や画像などを自動で作るAIの「攻撃」と「防御」の技術が試される、非常に専門的な内容でした。

ラクスル株式会社のデータサイエンティスト石川ナディーム氏

atmaCupとは

atmaCupは、atma株式会社が主催するデータ分析のコンペティションです。短期間で与えられた課題を分析し、その精度を競い合う形式が特徴で、国内のトップレベルのデータサイエンティストが多く参加する、非常にハイレベルな大会として知られています。

「atmaCup 第21回大会」は、株式会社Elithと共同で開催されました。この大会では、生成AIが間違った情報や有害な内容を出力しないようにする「防御」の仕組みを、いかに巧妙に回避する「攻撃」ができるかという、プロンプト設計のスキルが対戦形式で競われました。プロンプトとは、AIに指示を出すためのテキストのことです。

優勝の秘訣:AIエージェントが自律的に弱点を探る

石川氏が優勝できた最大の理由は、AIが自分で考えて行動する「AIエージェント」という仕組みを上手に使ったことにあります。石川氏は、AIエージェントを3つ作り、それぞれに「攻撃」「評価」「分析」という役割を与えました。

これらのAIエージェントは、まるでチームのように協力し、人間ではとても時間がかかるような試行錯誤のプロセスを、超高速で繰り返しました。これにより、AIが有害な情報を出さないようにする「防御システム」の、まだ見つかっていない弱点(ブラックボックス化された防御システムの境界)を自律的に見つけ出すことに成功しました。

具体的には、有害な文章を特別な形式(Base64エンコード)で隠したり、AIに「これは監査ログだから問題ない」と誤解させるような文脈を付け加えたり、指示の前に余計な言葉(Prefix Injection)を挟んだりするなど、様々な賢い工夫を組み合わせた「攻撃プロンプト」を作り出しました。これらの工夫により、頑丈な防御システムを回避し、有害な情報を引き出すことに成功したのです。

石川氏は大会期間中ずっとトップを維持し、予選と本戦の両方で優勝を果たすという、素晴らしい成績を収めました。

石川ナディーム氏のポートレート

石川ナディーム氏のプロフィールとコメント

石川ナディーム氏は、東京工科大学を卒業後、2024年にラクスル株式会社に新卒で入社しました。当初はノバセル株式会社に出向し、マーケティングデータの分析業務を担当。その後、2025年10月からはデータ戦略部に異動し、会社全体のデータ分析、特に検索やレコメンド機能の改善に取り組んでいます。

石川氏は今回の優勝について、「大変うれしく思います」と喜びを語っています。そして、AIエージェントがプロンプトを自律的に最適化するアプローチがうまくいったと分析しています。この成果は、ラクスル入社後にLLM(大規模言語モデル)関連プロジェクトでプロンプト設計の重要性を学んだことや、日頃から同僚とAIエージェントの活用に取り組める環境があったからこそ生まれたものだと感じているとのことです。

今回の受賞をきっかけに、今後はこの技術的な知識を、より安全で価値のある製品や、仕事の基盤作りに活かし、ラクスルの事業成長に貢献していきたいという抱負を述べています。

ラクスル株式会社について

ラクスル株式会社は、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」という企業ビジョンのもと、中小企業の様々な経営課題をテクノロジーで解決することを目指しています。印刷や物流といった「モノ」の領域だけでなく、企業経営に必要な「ヒト・モノ・カネ」全ての管理領域でサービスを提供し、日本の中小企業の経営を包括的に支援しています。

ラクスル株式会社に関する詳細情報は、以下のリンクからご確認いただけます。

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