ビーマー社、自動運転車のデータ課題を解決!「ML-Safe」でデータ削減と高精度検知を両立

機械学習・深層学習

ビーマー社、自動運転車のデータ課題を解決!「ML-Safe」でデータ削減と高精度検知を両立

はじめに:ビーマー社の発表概要

ジャパン・トゥエンティワン株式会社は、ビーマー社が自動運転車(AV)向けの映像データ圧縮技術「ML-Safe」の最新ベンチマーク結果を発表したことをお知らせしました。

この技術は、データ量を20〜50%減らしながら、AIによる物体検出や位置推定、信頼度の高さを維持できることが確認されました。これは、コンテンツの内容に合わせてデータ量を調整する「CABR(Content-Adaptive Bitrate)」という技術を使うことで実現されています。

ML-Safeな動画最適化 技術概要

自動運転車のデータ問題とは?

自動運転車の開発では、たくさんのカメラから得られる映像データが、1社あたり数十〜数百ペタバイトという膨大な量で日々たまり続けています。このデータは、保存場所(ストレージ)、通信(ネットワーク)、処理能力(計算資源)に大きな負担をかけています。

一般的なデータ圧縮方法では、データが無駄に大きすぎたり、逆に圧縮しすぎてAIの精度が落ちたりすることがありました。このため、

  • データの管理(スケール)

  • AIに必要な情報を保つこと(忠実度)

  • 将来のAIモデルの進化に対応できる再利用性(将来互換性)

といった課題が深刻化していました。

ビーマー社の解決策「ML-Safe」とCABR技術

ビーマー社の「CABR」技術は、映像のフレーム(1コマ1コマ)の内容を分析し、AIが重要とする特徴(例えば、道路標識や歩行者など)を保護しながら、動的にデータの配分を変えます。これにより、AIの精度を保ちつつ、データ量を減らすことが可能になります。

驚きのベンチマーク結果

今回の検証では、NVIDIAが公開している自動運転AIデータセットを使い、最先端の物体検出AIモデル「RF‑DETR」で評価が行われました。

主な結果は以下の通りです。

  • ファイルサイズ削減: 元のデータから20〜50%の削減に成功しました。

  • 検出の正確さ(mAP): AIが物体をどれだけ正確に検出できたかを示す「mAP(平均適合率)」は0.96という高い数値を示しました。これは、元の映像と最適化後の映像で、AIの検出結果がほとんど変わらないことを意味します。

  • 位置推定の正確さ: 物体の位置を示すバウンディングボックス(物体を囲む四角い枠)の差は非常に小さく、画素レベルで見てもほとんど違いがありませんでした。

  • 信頼度の一貫性: AIが「これは〇〇だ」と判断する際の「信頼度スコア」も、元のデータと高い相関(似た傾向)を示しました。特に信頼度が高い部分では、ほとんど差がありませんでした。

  • 総合的な評価: 約20万件の物体検出において、「mIoU(平均Intersection Over Union)」は約0.97、「mAP」は0.96を達成し、元の映像と最適化後の映像の間に、AIの認識結果でほとんど違いがないことが確認されました。

IoU分布ヒストグラム
すべてのクラスにおけるIoU(Intersection Over Union)値の分布を示すヒストグラム。平均値は0.973と非常に高く、ほとんどのIoU値が1.0に近い値に集中しており、高精度な結果を示しています。外れ値は1.6%と少ないです。

信頼度スコア相関ヒートマップ
Source Confidence ScoreとEncoded Confidence Scoreの相関密度ヒートマップ。完璧な相関を示す対角線に沿ってデータが集中しており、色で示される検出数とGTペアの分布が視覚化されています。

実際の開発現場への影響

この技術は、自動運転車の開発において、以下のような実用的なメリットをもたらします。

  • コストの最適化: データの保存、転送、AI学習にかかる費用を直接的に削減できます。

  • 開発のスピードアップ: データ移動やAI学習のサイクルが短くなり、開発効率が向上します。

  • リスクの低減: シーンの複雑さや物体の重要度に応じてデータを動的に調整するため、AIの認識に必要な情報をしっかりと保持できます。

  • 将来への対応力: 安定した方法でデータを最適化するため、将来AIモデルが進化しても、そのデータが引き続き使える基盤を築けます。

今後の展開と相談窓口

ビーマー社は、自動運転車やADAS(先進運転支援システム)の開発におけるデータ最適化のプロセスを、検証から実際の運用まで段階的に導入できるテンプレートとして提供しています。

CABRの仕組みや、AIの精度を保つ方法、既存のシステムへの組み込み方、そして実際の運用方法などについて、ビーマー社のエンジニアと直接話し合う機会が設けられています。面談の予約は、以下のオンラインフォームから受け付けています。

ジャパン・トゥエンティワン株式会社は、ビーマー社の革新的な技術が日本の企業で安心して利用できるよう、引き続きサポートしていくとのことです。

ビーマー社(Beamr Imaging, LTD.)について

イスラエルのヘルツェリアに本社を置くナスダック上場企業で、コンテンツアダプティブビデオソリューションの分野で世界的に知られています。「テクノロジー&エンジニアリング・エミー賞2021」や「Seagate Lyve Innovator of the Year 2021」を受賞しており、53件の特許を持つ同社の技術は、映像の見た目の品質を保ちながら、データ量を最大50%削減できます。

ジャパン・トゥエンティワン株式会社について

1992年9月に創業し、「世界中のイノベーション商材を通して社会課題を解決する」という理念のもと、イスラエルを中心に世界の最先端ハイテク企業と提携し、日本市場での技術や製品のビジネス開発・販売を行っています。自動車の後付け衝突防止補助システム「モービルアイ」や、衛星画像データを活用した水道インフラ管理の「アステラ製品」などを取り扱っています。「モビリティ事業」「スマートインフラ事業」「EC・ソフトウェア事業」「ヘルスケア事業」の4つの事業を展開しています。

タイトルとURLをコピーしました