イーアイアイ、生成AI搭載の「飲料容器AIリサイクルロボット」第一号機を納入決定
AIロボティクス・スタートアップの株式会社イーアイアイは、最新の生成AI技術「VLM(視覚言語モデル)」を搭載した「生成AI活用型 飲料容器高度リサイクルロボット」の第一号機を、ウム・ヴェルト株式会社の加須第3リサイクルセンターに納入することを決定しました。このロボットは、株式会社エコマックスが販売代理店となり、イーアイアイが技術開発と全体的な対応を担います。
この取り組みは、東京都と公益財団法人東京都環境公社が実施する「資源循環・廃棄物処理のDX推進事業補助金」にも採択されています。

リサイクル現場の課題をAIで解決
現在の廃棄物リサイクル現場では、人手不足が深刻化しており、さらにラベル付きのペットボトルや様々な種類のビン・缶など、複雑な素材の容器を正確に選別することが求められています。これまでの技術では難しかったこれらの課題を、イーアイアイは生成AIをロボットに組み込むことで解決を目指します。熟練の作業員に近い判断をロボットが自動で行うことで、従業員の安定した雇用を助け、リサイクルできる量を増やすことを目指しています。
ロボットの3つの大きな特徴
このリサイクルロボットには、3つの画期的な特徴があります。
1. 生成AI(VLM)による高い認識精度
「VLM(Vision-Language Model:視覚言語モデル)」とは、画像とテキスト(文字)を同時に理解し、人間のように「これはラベル付きのペットボトルだ」といった文脈を読み取って判別するAI技術です。この技術により、従来のAIが苦手としていた、汚れが多い環境にある「ラベル付きPETボトル」や「スプレー缶」なども、95〜99%という非常に高い精度で正確に識別できます。また、ビンの色(茶色、無色、混ざったもの)の選別も高い精度で実現します。
2. 複雑な多品種の同時選別に対応
ペットボトル、缶(飲料用、スプレー用)、ビンの3種類が混ざって流れてくるラインでも、このロボット1台で高度な仕分けが可能です。これにより、ロボットが担当できる作業の範囲が広がり、現場の従業員はより専門的な他の業務に配置転換できるようになります。

3. 将来的な「フィジカルAI(VLA)」への拡張性
現在研究開発が進められている「VLA(Vision-Language Action:視覚言語行動モデル)」という技術の実装も視野に入れた設計が採用されています。VLAは、視覚情報とロボットの具体的な「行動」をより密接に連携させる技術です。これにより、将来的には、物体の状態に合わせて「最適な掴み方」を判断したり、ペットボトルの中身を取り除いたり、ラベルを剥がしたりといった、さらに高度な自動化が期待されます。
導入企業からのコメント
ウム・ヴェルト株式会社の生産部部長 坂爪 紀雄氏は、「生成AIの活用で汎用性が高く、今後、複合用途での活用も積極的に進めたい」とコメントしています。また、株式会社エコマックスの営業部マネージャー 伊藤 圭介氏は、「廃棄物処理の現場でAIロボットが戦力として活躍する時代の幕開けとしたい」と期待を寄せています。
期待される効果と今後のスケジュール
第一号機が導入されるウム・ヴェルト 加須第3リサイクルセンターでは、まずガラスビンの色選別から導入し、将来的には他の用途へのAIロボットの拡張も考えています。これにより、以下のような効果が期待されます。
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管理雇用の安定化と配置転換: ロボットが繰り返し行う作業を担当することで、従業員はより専門的な管理業務や、これまで回収が難しかったガラスくずなどの選別作業に配置転換できるようになります。これにより、リサイクル全体の量を増やすことを目指します。
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将来に向けたDX基盤の構築: 最先端の生成AIロボットを現場に導入することで、将来的な自動化や省人化(少ない人数で作業を進めること)に向けたノウハウが蓄積されていきます。
今後の予定
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2026年内: ウム・ヴェルト 加須第3リサイクルセンターにロボットを設置し、試運転を開始します。
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2026年度内: ロボットの本格的な稼働と引き渡しが完了する予定です。
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順次: 今後は、全国のリサイクル施設への受注拡大を目指していくとのことです。
関連情報
本事業のAIリサイクルロボットは、東京都大学提案制度(代表者:早稲田大学大学院環境・エネルギー研究科 小野田 弘士教授)の研究成果に基づいて開発されました。また、自治体分野でのロボット活用に向けて、環境研究総合推進費補助金(次世代事業)にも取り組んでいます。
イーアイアイのAIリサイクルロボットに関する最新情報は、以下のリンクから確認できます。
株式会社イーアイアイについて
株式会社イーアイアイは、2018年に設立された研究開発型のスタートアップ企業です。AIやIoT(モノのインターネット)、ロボティクス、ビッグデータといった最先端の技術を活用し、環境やエネルギー分野における現場の具体的な課題を解決するシステムソリューションの企画、設計、開発に取り組むディープテック企業です。
- イーアイアイのホームページ: https://eii-net.co.jp

