
東京大学発のAIスタートアップである燈(あかり)株式会社は、2026年1月28日に三菱電機株式会社を引受先とする第三者割当増資により、50億円の資金調達を実施したことを発表しました。この増資に先立つ企業評価額は1,000億円を超え、産業現場での高い実装力と技術力が評価された形です。
2021年の創業以来、建設、製造、物流といった日本の基幹産業のデジタル変革(DX)を支援し、黒字経営を続けてきた燈にとって、今回の資金調達は初めての大型となります。今後は三菱電機との事業連携を通じて、産業の垣根を越えた「次世代産業OS」の開発を加速させ、日本の産業基盤の刷新と、グローバル市場での競争力強化を目指します。
資金調達の背景と目的
燈は「日本を照らす燈となる」という使命を掲げ、2021年2月に設立された東京大学発のAIスタートアップです。最先端のテクノロジーを使い、建設、製造、物流、卸売・小売業界など、幅広い産業分野で企業の競争力を高め、日本の産業全体を新しくすることに取り組んでいます。
現在のAIの大きな流れは、物理的な世界でAIが実際に動く「Embodied AI(エンボディードAI)」へと移りつつあります。燈はこの最前線に位置しており、多くのロボットエンジニアが日々、実際の機械を使って検証を行うなど、デジタル空間だけでなく、現実世界でのAI実装を強く推進しています。
今回、資金の引受先となった三菱電機は、工場などで使われる自動化システム(FAシステム)や社会システムなど、幅広い事業と世界的なネットワークを持っています。特に、製造現場における大量の「実際のデータ」と、機械を制御するための「専門的な知識(ドメイン知識)」を保有していることが強みです。
一方、燈は最先端のAIアルゴリズムを開発する力と、それを素早く実際の形にする実装力に優れています。ソフトウェアの力で、ハードウェアの価値を最大限に引き出すことができます。今回の資金調達をきっかけに、両社の連携をさらに深めます。
三菱電機の「現場を動かす力(物理的な設備や資産)」と、燈の「知能化する力(AI技術)」を組み合わせることで、無人化・自動化された未来の工場の「頭脳」となるシステム「次世代産業OS」の開発を進めていきます。これにより、生産性の向上や熟練技術の伝承といった、日本の産業が直面する課題に対し、AIが自律的に現場を最適化する新しい社会インフラを提供し、グローバル市場での競争優位性を確立することを目指します。
資金の使い道
調達した50億円は、主に以下の分野に投資される予定です。
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M&Aの推進:既存事業との相乗効果が期待できる技術を持つ企業や、特定の分野に特化した企業の買収や資本提携を進めます。
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研究開発の加速:「Embodied AI」や「次世代産業OS」の開発に必要なエンジニアの体制を強化します。
引受先および燈株式会社 代表者コメント
三菱電機株式会社 執行役社長 漆間 啓 氏
「日本の産業DXを最先端AI技術で推進する燈様と、戦略的パートナーシップを構築できることを大変光栄に存じます。三菱電機が目指す『デジタルによるイノベーティブカンパニーへの変革』の実現において、燈様が持つ高度なAI技術と課題を解決するスピード感は必要不可欠な要素であります。燈様の革新的なAIアルゴリズム開発力・実装力と、当社が保有する広範な現場知見を融合し、社会課題の解決に繋がる新たなソリューションを提供してまいります。燈様という志を同じくするパートナーと共に、日本の産業界に新たな活力を吹き込み、持続可能な未来を切り拓いていく決意です。」
燈株式会社 代表取締役社長 兼 CEO 野呂 侑希
「燈は創業以来、現場の課題に寄り添いながら黒字経営を維持し、事業利益の再投資によって成長を続けてまいりました。そのような中、三菱電機の漆間社長と対話を重ねる中で、日本の産業界を背負って立つ強い覚悟と、両社が組むことで描ける未来の構想に深く共感いたしました。三菱電機が持つ圧倒的な現場データと、我々のAIアルゴリズム開発力・実装力を掛け合わせ、両社一丸となって世界に類を見ない産業OSを構築してまいります。」
燈株式会社について
燈株式会社は、「日本を照らす燈となる」を使命に掲げ、AIをはじめとした最先端テクノロジーで社会課題を解決する、東京大学発のAIスタートアップです。建設業、製造業、物流業、小売業など、日本の基幹産業における生産性向上や「匠の技」と呼ばれる技術力の継承といった課題の解決へ向けて、独自のAI技術を駆使したソリューションを提供しています。
会社概要
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会社名:燈株式会社(Akari Inc.)
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所在地:東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ21階
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代表者:代表取締役社長 兼 CEO 野呂侑希
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設立:2021年2月
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ホームページ:https://akariinc.co.jp/

