手術認識支援AI「EUREKA α」が進化!医師の判断をサポートする新機能で医療現場がさらに安全に

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手術認識支援AI「EUREKA α」が新機能を追加し、適応範囲を拡大

アナウト株式会社が開発した、外科手術をサポートするAIシステム「EUREKA」の一つである「EUREKA α(ユーリカアルファ)」が、機能追加と適応拡大に関する薬事承認を2026年1月28日付で取得しました。これにより、EUREKA αは「第2世代」として、さらに多くの手術現場で医師の皆さんをサポートできるようになります。

EUREKA αは、手術中にリアルタイムで体の構造物(臓器や組織など)の位置や範囲を推定し、強調表示することで、医師の皆さんが手術中にどこをどのように見れば良いかを視覚的に支援するプログラムです。これまでは、体の中の「疎性結合組織」という部分を強調表示することで、手術中の解剖構造の理解を助けてきました。

今回の「EUREKA α(第2世代)」では、これまでの機能に加えて、以下の新しい機能が追加されました。

  • 膵臓の強調表示(胃領域)

  • 神経の強調表示(大腸領域)

  • 疎性結合組織の強調表示(婦人科領域への適応拡大)

また、ロボット支援手術で使われる「da Vinci Xiサージカルシステム」の「Tilepro」という機能にも対応しました。これにより、お腹に小さな穴を開けて行う腹腔鏡手術だけでなく、ロボットを使った手術でも、AIが表示する情報が手術の映像に自然に統合され、医師の皆さんが情報を確認しやすくなり、手術の判断効率が向上します。

胃がん手術における膵臓と大腸がん手術における神経の強調表示

「見るだけ」から「判断を支える」AIへ

これまでのEUREKA αは、疎性結合組織を強調表示することで、手術中の解剖構造を「可視化」し、医師が体の構造を理解するのを助けてきました。しかし、今回の第2世代では、温存すべき重要な臓器である神経や膵臓の認識も支援できるようになり、ただ「見えるようにする」だけでなく、手術中の「判断の質を高める」ためのAIへと大きく進化しました。

膵臓の強調表示について

膵臓は、消化酵素やホルモンを分泌する私たちの体にとって非常に大切な臓器です。お腹の上の方の複雑な場所にあり、その周りには血管や神経がたくさん通っています。特に胃がんの手術では、意図せず膵臓を引っ張ったり圧迫したりするリスクがあり、これが「術後膵炎」や「膵液瘻」といった重い合併症につながることがあります。これらの合併症は、患者さんの回復や入院期間に大きな影響を与えます。手術中に膵臓がどこにあるのか、どのくらいの範囲なのかを正確に把握することは、膵臓を傷つけずに安全な手術を行う上でとても重要な手がかりとなります。

神経の強調表示について

神経は、体の動きや感覚、自律神経の働きを担うデリケートな組織です。大腸がん、特に直腸の手術では、骨盤の中を通る下腹神経や骨盤内臓神経などが重要になりますが、これらは見つけにくく、手術中に傷つけてしまうリスクがあります。神経を損傷すると、術後に排尿がしにくくなったり、性機能に影響が出たりするなど、患者さんの生活の質(QOL)に大きく関わります。そのため、腫瘍を完全に取るだけでなく、神経を温存することも直腸手術では非常に大切な要素とされています。手術中に主要な神経の通り道や、網の目のように広がる神経の範囲を適切に把握することは、がんを治すことと機能を温存することの両方を実現するための重要な目印となります。

婦人科手術における疎性結合組織の適応拡大

疎性結合組織は、臓器と臓器の間に存在する繊維質の構造です。婦人科手術では、子宮の周りに、膀胱や直腸、尿管、血管などの大切な構造物の間に存在します。特に膀胱との境目では、疎性結合組織からなる「剥離層」を正しく見分けて手術を行うことが、膀胱を傷つけたり、出血を避けたりするために重要です。疎性結合組織を意識した手術は、膀胱や尿管のような温存すべき臓器に配慮した婦人科手術を支える大切な要素の一つであり、今後さらに医療現場での理解と活用が進むことが期待されています。

アナウト株式会社は、「人体の海を進む、外科医療の変革者」を目標に掲げ、これからも医療現場の課題を解決するため、体の構造に関する深い知識と人工知能などの技術を組み合わせ、医師と患者さんの安全を支える技術を生み出すことに取り組んでいくとのことです。

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