千葉工業大学とDOUが「バイブコーディング」でAI人材育成を加速、Microsoftの戦略的AIエージェントを国内大学初導入

教育・学習

株式会社DOUと千葉工業大学は、開講中の講座「web3/AI概論」において、Microsoftが開発する戦略思考型AIシステム「Amplifier」を国内大学で初めて教育カリキュラムに導入することを発表しました。

この講座は第4期目を迎え、AIが自律的にタスクを実行する「AIエージェント」との協働をテーマに掲げ、学生と社会人が混合チームで社会課題解決に取り組む次世代人材の育成を目指します。本講座の科目責任者は、千葉工業大学の学長である伊藤穰一氏が務めています。2025年度には、AIと対話しながらソフトウェアを開発する手法「バイブコーディング」によってプロダクト開発経験者を約2.6倍に増加させた実績があり、この成果を基盤にさらなる進化を図ります。

千葉工業大学 × DOU AI エージェント で世界をハック せよ。

「AIエージェント」が本格実装される時代へ

2026年はAIエージェントが本格的に社会に実装される年になると言われています。ChatGPTやClaudeのような生成AIが普及した今、次の段階として、AIが自律的にタスクを遂行し、複雑な問題解決を支援する「AIエージェント」の活用が本格化しています。AIエージェントの普及は、クリエイティブな活動、仕事のあり方、そして教育のあり方まで、社会の根幹を変える可能性を秘めていると見られています。

このような時代の変化に対応するため、4年間の実績を持つ「web3/AI概論」講座は新たなフェーズへと進化します。受講生は、AIエージェントの仕組みを深く理解し、将来的には自分専用のAIエージェントを開発することも視野に入れながら、全13回の講義に取り組みます。

「web3/AI概論」第4期で学べる3つのこと

第4期では、特に以下の3つの要素に注力して学習を進めます。

特徴 内容
国内の大学初となる Microsoft「Amplifier」を国内大学で初導入
実績あるバイブコーディングを、AIエージェントでさらなる次元へ AIエージェントとの協働で、企画・分析・検証を加速
学生×社会人 混合チーム 社会課題に着目し、創造的なソリューションを生み出す
web3で学習体験を拡張 web3技術を活用したコミュニティ形成とゲーミフィケーション

「バイブコーディング(Vibe Coding)」とは、専門的な記述をAIに任せ、人間が「本質的な問い」に集中する開発手法です。千葉工業大学では2025年度にこれを導入し、初心者がわずか3ヶ月でプロダクトを完成させる教育モデルを確立しました。2026年度は、ここにAIエージェントが加わることで、企画・分析・検証の各プロセスが自律的に加速され、人間はより高度な「創造的意思決定」に専念できるようになります。

第4期(2026年度)の新たな挑戦:AIエージェント教育の本格始動

第4期となる2026年度の最大の特徴は、「AIエージェント」を講座の中心テーマに初めて据えた点です。生成AIが「質問に答える」存在であるのに対し、AIエージェントは「自律的にタスクを遂行する」存在です。情報収集、分析、企画立案、コード生成、検証といった一連のプロセスを、人間と協力しながら進めることが可能です。

本講座では、AIエージェントを単なるツールとしてではなく、企画・設計・分析の各段階における「協働するパートナー」として位置づけ、共に思考し、創造する開発スタイルを身につけることを目指します。

第4期で導入する技術・ツール

  • Microsoft「Amplifier」:Microsoftが開発中の実験的メタ認知AI開発システムで、知識生成や並列探索を支援します。本講座では、このAmplifierを国内の大学として初めて教育カリキュラムに導入し、受講生がAIエージェントの仕組みを理解し、自ら設計・活用できるスキルを習得します。

  • バイブコーディングツール群:対話型でプロトタイプを高速に生成・改善できる「バイブコーディング」の実践を通じて、AIエージェントと共にプロセスを進める開発スタイルを身につけます。Claude Code、Cursor、Replit、v0など、最新のツールを活用し、アイデアを素早く形にする技術を習得します。

  • 生成AIツール:Claude、ChatGPT、Geminiなどの生成AIを組み合わせ、企画から検証までを効率的に推進します。生成AIとAIエージェントを適切に使い分けるスキルを養います。

実証された教育効果:2025年度の成果が示す「加速」への礎

本講座が2026年度にAIエージェント教育へと進化する背景には、2025年度に導入した「バイブコーディング」による顕著な成果があります。

1. 「未経験者」を「継続的な開発者」に変えた実績

バイブコーディングの導入により、開講時に17.6%だったプロダクト作成経験者は、わずか3ヶ月で45.6%へと約2.6倍に急増しました。「言葉がそのまま形になる」体験が技術の壁を取り払い、未経験者の6割以上を「作り手」へと変貌させました。

また、継続的に複数回プロダクトを作成した受講生は3倍以上(5.9%から18.4%)に増加しており、バイブコーディングが日常的な「開発習慣」を形成したことが示唆されています。

経験レベル 開講時 終了時 変化
開発経験者(チーム・継続)合計 24名 62名 2.6倍に急増
└ 継続的な開発習慣(レベル4) 8名 25名 3.1倍に急増
└ チーム開発の経験(レベル3) 16名 37名 2.31倍
└ 個人での開発経験(レベル2) 27名 35名 1.3倍
プロダクト作成未経験 85名 39名 54%減少

2. 技術的・社会的スキルの飛躍的向上

バイブコーディングの導入は、従来のプログラミング教育が抱えていた「技術習得の壁」をAIエージェントとの対話によって取り払い、受講生を「学ぶ側」から「作る側」へと一気に加速させました。

調査では、技術力への自信が46.3%(2.09から3.06)、Web3/AIへの理解が44.5%(2.43から3.51)向上しており、受講生の大半が自律的に技術を操れる中級者レベルへと成長したことが示されています。

3. 圧倒的なアウトプット量と社会実装

バイブコーディングによって思考のスピードを落とさずに実装できるようになった結果、2025年度の1講座だけで75種類ものプロダクトが誕生しました。このアウトプット量は、実社会での成果に直結しています。

  • 資金調達の実現:本講座で開発したサービスで実際に資金を調達する受講生を輩出。

  • ハッカソンでの活躍:東京都主催のハッカソンでファイナリストに選出。

  • 実運用の開始:学内向けアプリケーションをローンチし、実際に利用される事例も誕生。

バイブコーディングは「技術の習得」にかかる時間を「価値の創造」へと転換させ、初心者がわずか数ヶ月で社会を変える一歩を踏み出せる、新しい教育モデルを確立しました。2026年度は、この創造力をAIエージェントという新たな要素でさらに加速させ、より複雑で大規模な社会課題の解決に挑みます。

学習方法の特徴:反転授業とプロジェクトベース学習

本講座は、従来の一方向的な講義形式ではなく、「反転授業」と「プロジェクトベース学習(PBL)」を組み合わせた先進的な教育手法を採用しています。

  • 反転授業(Flipped Classroom)
    基礎となる講義内容はUdacityやASU(アリゾナ州立大学)の教材を活用し、自宅で事前学習を行います。授業時間は、インタビュー結果の共有、アイデア検討、プロトタイプ改善、プレゼンテーションなど、実践的なアウトプットを中心に進めます。これにより、限られた対面時間を最大限に活用し、深い学びを実現します。

  • チーム活動を前提としたプロジェクトベース学習
    受講生は、社会人と在学生が混在するチームを組み、実際の社会課題に向き合います。課題の発見から分析、設計、開発、検証までを協働して進め、最終的には発表可能な水準のプロトタイプを完成させます。多様な背景を持つメンバーとの協働は、実社会で求められるチームワークスキルの獲得にもつながります。

  • web3技術を活用したゲーミフィケーション
    ブロックチェーン、NFT、スマートコントラクトなどのweb3技術を活用したコミュニティ活動とゲーミフィケーションを導入しています。受講生は先端技術の活用シーンを体験しながら学習を進めることができ、技術への理解を単なる知識ではなく「体験」として深めることができます。

伊藤穰一氏のポートレート

科目責任者 伊藤穰一氏からのメッセージ

AIエージェントの台頭により、開発の本質は「コードを書くこと」から「何を創るかを設計し、AIを操ること」へと大きく変化しています。本講座では、AIを単なる道具ではなく共創相手として活用し、圧倒的な速度でアイデアを具現化する「新人類」のようなエンジニアを育成します。重要なのは、既存の答えを出す力ではなく、自らの価値観に基づき「問い」を立てる力です。変革を楽しみ、世界をハックする志を持つ学生の挑戦を期待しています。

カリキュラム概要(全13回)

本講座は、「理解」→「実践」→「発表」の3フェーズで構成されています。

フェーズ 内容
前半 【基礎理解】AIエージェント時代の開発プロセス
中盤 【実践開発】ユースケース分析とイテレーション
後半 【発表準備】仕上げと最終プレゼンテーション

講座概要

項目 内容
講座名 総合科学特論「web3/AI概論」
科目責任者 伊藤穰一
講師 西村奈々、下瀬浩一、石部達也、品田美帆、他
開講時期 2026年4月16日〜7月16日(全13回)
曜日・時間 毎週木曜日 15時〜17時(2時間)
形式 オンライン(反転授業形式)※一部対面セッションあり
単位 取得可能(2単位)
定員 300名
主な学習内容 AIエージェント活用、バイブコーディング、プロジェクト開発、web3技術
使用ツール Amplifier、Cursor、Replit、v0、Discord、GitHub 等

受講対象

AIやweb3に興味のある千葉工業大学の学部生・大学院生、他大学の学生、および以下の出願資格に該当する社会人。

出願資格

令和8年3月31日までに18歳に達する者で、次のいずれかに該当する者。

  1. 高等学校(中等教育学校を含む)を卒業した者または令和8年3月卒業見込みの者。
  2. 本学において、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められた者。

必要な環境

  • 各種ツール(discord、metamask、manaba、google drive、ChatGPT、webexなど)にアクセスできること。

  • PC・Macなどをお持ちの方(iPadやタブレットのみの方は不可)

受講申込みの流れ

「web3/AI概論」の受講には、千葉工業大学公式サイトからの申込みが必要です。まずID登録を行い、その後講座への出願に進みます。

STEP 期間 内容
01 1月30日 募集開始 募集要項を確認
02 1月30日〜3月25日 ID登録(出願予約) https://conveni.is.it-chiba.ac.jp/cert/i/i_registration.html ※ID登録の時点では料金は発生しません。 ※「お名前」「ご所属」「電話番号」を入力の後、「所管部署」は必ずプルダウンで「教務」を選択してください。 ※登録期日は3月25日23時59分までとなります。 ※ID登録が完了しましたら、手続き完了メールを送信いたします。こちらの完了メールが届かない場合は迷惑メールフォルダもご確認ください。 ※ID登録の完了後は、3月26日以降にご案内する出願手続きまでお待ちください。
03 3月26日 以降 メールにて出願手続きの詳細をご案内します
04 3月25日〜4月3日 出願情報を送付
05 4月3日〜4月14日 選考・選考結果発表ご送付
06 4月6日〜4月14日 受講手続き
07 4月16日 授業開始

背景:なぜ今「AIエージェント教育」なのか

デジタル化の急速な進展に伴い、AIエージェントや生成AIをはじめとした新しい技術が日々生まれています。企業や行政機関における課題発見から価値検証、開発、運用に至るプロセスは、今まさに根本から変化しつつあります。

このような社会的変化の中で求められるのは、主体的に課題を見つけ出し、AIエージェントを含む多様なテクノロジーを適切に選択・活用しながら、実践的に課題解決へと導くことのできる人材です。

本講座は、2021年度の開講以来、時代の変化に合わせてカリキュラムを進化させてきました。web3技術から始まり、生成AI、バイブコーディングを取り入れ、そして2026年度はAIエージェントへ。4年間の実績とノウハウを活かしながら、常に最先端の技術教育を提供し続けています。

「web3/AI概論」4年間の歩み

千葉工業大学では2021年度より、次世代のインターネット技術を学ぶ講座を開講し、時代の変化に合わせてカリキュラムを進化させながら、3年間で累計800名以上の受講生を輩出しています。

  • 第1期・第2期(2021〜2023年度):web3概論として開講し、web3技術の基礎知識と開発手法を学びました。

  • 第3期(2025年度):講座名を「web3/AI概論」に改称し、生成AI・バイブコーディングを本格導入。「作ることで学ぶ」プロジェクト実践型授業へと進化し、社会人・在学生が混在するチームで社会課題に取り組む形式を確立しました。この年、75種類のプロダクトが誕生しています。

  • 第4期(2026年度):AIエージェント技術の急速な発展を受け、講座の中核テーマとして「AIエージェント」を初めて据えます。これまでに培ったプロジェクトベース学習のノウハウを活かしながら、AIエージェントを協働パートナーとして使いこなす人材の育成に取り組みます。

DOUロゴ

株式会社DOUについて

株式会社DOUは、「育成機関と協働し、多様な変革者を輩出する」をミッションに掲げ、最先端のテクノロジーを活用しながら、デジタル証明書を基点とした事業を複数展開しています。キャリアパスポートを活用した人材開発及び採用支援事業では、千葉工業大学をはじめとした大学や企業と連携し、学生にとっての新たなキャリア形成の機会を創出しています。

公式サイト:https://dou.id

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