AMATAMA、Qualcomm AIプログラムで次世代ヒューマノイドの概念実証に成功

開発・プログラミング

AMATAMAがQualcommのイノベーションプログラムに選抜

AMATAMA株式会社は、Qualcomm Technologiesが主催する「Qualcomm AI Program for Innovators (QAIPI) 2025 – APAC」に、アジア太平洋地域のスタートアップ15社のうちの1社として選ばれました。このプログラムを通じて、AMATAMAは次世代ヒューマノイド・プラットフォーム「nHOS™」の開発を進め、実際に動くロボットでのデモンストレーションを目標に取り組んできました。

Qualcomm AI Program for Innovators - APACの集合写真

約6ヶ月間の開発期間を経て、2025年12月5日に韓国ソウルで開催されたデモデイでは、Qualcommの最新エッジAIハードウェア「Qualcomm Dragonwing™ AI 100 Ultra」に実装されたnHOS™の一連の動作が成功しました。この取り組みは、Qualcommの技術チームによるサポートやメンタリングに加え、NECソリューションイノベータ株式会社、株式会社LaboRobo、Tsubame Lab株式会社との協力体制によって実現しました。

Qualcomm AI Program for Innovators - APACのプレゼンテーション風景

次世代ヒューマノイド・プラットフォーム「nHOS™」のデモンストレーションに成功

今回のデモンストレーションでは、nHOS™が持つプラットフォームとしての機能を実際に動く形で示すため、さまざまな技術を組み合わせて動作させることが目指されました。

Qualcomm AI Innovatorsイベントでの技術展示

nHOS™の核となる機能として、NECソリューションイノベータが提供する「Ambient Intelligence技術(AmI技術)」が組み込まれています。このAmI技術は、ロボットが人の行動や状況から気持ちを察し(「空気を読む」「共感する」)、次に何が必要かを先読みして提案する能力を与えるものです。この「共感ドリブン・アルゴリズム」によって得られた判断結果を受けて、ロボットの動きに必要なプログラムのコードを自動で生成する「LabCraft™」が、LaboRoboとTsubame Labの協力のもと、QualcommのエッジAIに実装されました。

デモンストレーターのロボットアームが商品を操作する様子

デモンストレーションでは、Qualcomm Dragonwing™ AI 100 UltraにnHOS™の機能が実装され、ロボットアームが実際に動きました。このシステムは、通常のロボット基盤モデル(VLA: Visual Language Action)とは異なり、具体的な指示がなくてもAmI技術が相手の状況を推測し、ロボット自身が動作の目標を決めます。その目標を受けて、nHOS™はVLAなどの最適な動作アルゴリズムやプログラムを自律的に選び、実行します。今回のデモでは、特にLabCraft™が中心となってロボット制御コードを生成し、動作させました。

Qualcomm Dragonwing™ AIを利用した共感駆動型ロボットソリューションの概要図

ヒューマノイドロボット市場の大きな可能性

現在、世界ではヒューマノイドロボットの開発競争が激しくなっています。これらのロボットは、2028年頃から倉庫や工場での軽い荷物の運搬、警備といった人間の簡単な作業を置き換える形で普及していくと予想されています。

市場規模については、2030年には約5兆4千6百億円、2035年には約24兆円に達すると予測されています。さらに、将来的には人類が活動できない深海や宇宙といった領域にまで活用が広がり、全世界のGDP総額に匹敵するほどの市場になる可能性も示唆されており、今後の大きな拡大が期待されています。

労働市場から未開地域開発へと市場が拡大する予測図

AMATAMAは、現在開発されているヒューマノイドロボットを「第1世代」と位置づけています。そして、2028年頃には、より人間に近い汎用性、器用さ、エネルギー効率を持つ「次世代ヒューマノイド」の需要が高まると見越しており、それに合わせた事業を進めています。

AMATAMAが目指す「nHOS™」とは

AMATAMAは、第1世代ヒューマノイドが近いうちに普及すると予測する一方で、2028年頃には、さらに優れた機能を持つ次世代ヒューマノイドが求められると考えています。ヒューマノイドロボットは、特定のサービスを学習したAIプログラム「エージェント」が、ロボットの体となるハードウェアに組み込まれて利用されることになります。

そのため、エージェントをさまざまなハードウェアに簡単に組み込める仕組みが非常に重要です。しかし、現状の第1世代ヒューマノイドは、各社が独自の設計をしているため、すべてのロボットを一つの共通の仕組みで動かすのが難しい状況です。

AMATAMAは、この課題を解決するため、次世代ヒューマノイドの時代を見据えています。生物の仕組みを模倣する「生体模倣技術」を取り入れ、より優れた身体機能をパッケージ化し、統一された設計思想に基づく「ハードウェア・デザイン・ガイドライン」を策定し、製造業者に提供することで、次世代ヒューマノイドの開発を容易にすることを目指しています。これにより、エージェントを開発する企業も、単一のプラットフォーム「nHOS™」を通じて、サービスを簡単に提供できるようになるための研究開発と事業開発を進めています。

ヒューマノイドプラットフォーム「nHOS™ AMATAMA」のシステム概念図

協力企業について

AMATAMAのnHOS™開発には、以下の企業が協力しています。

協力企業のロゴ

NECソリューションイノベータ株式会社のAmI技術
NECソリューションイノベータが提供するAmI技術は、人の行動や状況から意図を理解し、支援が必要な場面を先回りして察知し、積極的に提案することを可能にする技術です。これにより、ロボットに「空気を読む」や「共感する」能力が与えられます。この技術は、社会を支える仕事の現場から日常生活まで、幅広いシーンで人に寄り添い、支援できる存在となることを目指しています。また、ヒューマノイドが人や社会から信頼され、共生できる存在となるために、この技術は安全に配慮した「共感ドリブン・アルゴリズム」として重要な役割を担います。

株式会社LaboRoboのLabCraft™
LaboRoboが開発し、Tsubame LabによってエッジAI向けに最適化されたLabCraft™は、自然な言葉の入力から、AIを使ってロボットを動かすためのプログラムコード(Blockly)をその場で生成し、リアルタイムでロボットを動作させるアルゴリズムです。今回のQAIPIでは、このLabCraft™をQualcommのエッジAIソリューションであるQualcomm Dragonwing™ AI 100 Ultraに実装し、エッジAI上でBlocklyを生成する試みが行われました。いくつかの課題はあったものの、解決策のヒントも得られ、デモンストレーションは概ね成功しました。今後は、どんな環境の変化にも対応できる制御コードをエッジAIで作り続けられるよう、開発が続けられます。

AMATAMA株式会社について

AMATAMAは、2023年1月に名古屋市で創業したディープテックのスタートアップ企業です。世界から非人道的な労働をなくし、人類が次の段階に進むことを目的としています。

AMATAMAのロゴ

現在、主に北米と中国で「第1世代ヒューマノイド」と呼ばれる技術の開発競争が激化しています。AMATAMAは、2028年頃に必要とされる、どんな場所でも自由に活動できる「次世代ヒューマノイド」に特化しており、専門サービスを提供するAIプログラム「エージェント」と、ロボットの体となるハードウェアをつなぐプラットフォームサービス「nHOS™」の構築に力を入れています。技術分野としては、生体模倣技術を基盤に、「コンピューティング」「身体制御理論」「シミュレーション・モデル」の3つの分野に焦点を当てて取り組んでいます。

  • 本社所在地:愛知県名古屋市昭和区鶴舞1丁目2番32号 STATION Ai

  • URL:https://www.amatama.co/

タイトルとURLをコピーしました