DGDVがロボット向け汎用AI基盤モデル「Skild AI」に出資、ロボット産業の未来を拓く

AI

DG Daiwa Ventures(DGDV)は、統合型ロボティクス基盤モデル「Skild Brain」を開発するSkild AI, Inc.へ出資したことを発表しました。

今回のシリーズCラウンドには、NVIDIA、Jeff Bezos、SoftBank Groupといった著名な企業や投資家が参加しています。また、既存の投資家であるCoatue、Sequoia Capital、Felicis、Lightspeed Venture Partnersも追加出資を行い、戦略投資家としてLG、Samsung、Schneider Electric、Salesforce Venturesなども出資に参加しています。DGDVもこのラウンドで追加出資を実施しました。

One Brain, Any Robot

ロボットの「共通の脳」を目指すSkild AI

Skild AIは、米国カーネギーメロン大学から生まれたスタートアップ企業です。彼らが開発している「Skild Brain」は、特定のロボットの形にとらわれず、どんなロボットにも使える汎用的なAIの基盤モデルです。

この技術の目指すところは、人型ロボット、四足歩行ロボット、車輪型ロボット、ロボットアームなど、さまざまな形のロボットに「共通のOS(基本ソフト)や脳」を搭載することです。

これまでのロボットは、あらかじめ決められたルールに従って動くことが多かったのですが、Skild Brainは大量のデータを学習し、さらに実際の環境に素早く適応する高度な技術(Sim-to-Real)を使うことで、まだ経験したことのない作業や、故障した時にも自分で考えて対応できるような、まるでロボットの「地頭」のような性能を高めることを実現しました。

広がる活用と「データ・フライホイール」

Skild AIの技術は、すでに物流、製造、建設、インフラ整備、データセンターといった多様な現場で使われ始めています。現場に導入されたロボットから集まるデータが、Skild Brainをさらに賢く育て、その性能が向上することで、さらに多くの場所で導入が進むという「データ・フライホイール」(良い循環)が回り始めています。

NVIDIAが投資家として参加していることや、大手メーカーとの連携が進んでいることから、Skild AIの汎用基盤モデルは、ロボット分野で標準的な技術になる有力な候補と見られています。世界的に優れたハードウェアやロボット産業を持つ日本にとっても、Skild AIの技術は非常に相性が良く、DGDVが日本を拠点とするグローバル投資家として関わる意義は大きいと考えられます。

Skild AIのロボットが、見たことのない障害物を自分で考えて避けたり、滑りやすい床や段差でも人間のようにバランスを取ったりする様子は、以下の動画で確認できます。

また、足が破損しても、その変化をリアルタイムに察知し、すぐに動き方を調整して適応する様子も公開されています。

DGDV主催ウェビナー開催のお知らせ

DGDVは、2026年2月24日(火)正午に、「Physical AIの“GPTモーメント”と産業の転換点」と題したウェビナーを開催します。今回のSkild AIへの投資を担当したDGDVのマネージングディレクター渡辺大和氏が登壇し、投資家の視点から解説を行います。

ロボット産業は今、これまでのハードウェア中心の競争から、汎用的な「脳」(ロボティクスOS)を中心とした競争へと大きく変化する時期を迎えています。多様なロボットの普及、深刻化する人手不足、そしてAIの基盤モデルの進化や仮想データの蓄積が重なり、ロボットの分野でも、生成AIの「GPT-3」登場に匹敵するような大きな転換点(GPTモーメント)が訪れつつあります。

このウェビナーでは、Skild AIが開発する汎用的なロボティクスOSによる最新のアプローチについて詳しく説明されます。このOSは、特定の用途だけでなく、製造現場、物流、倉庫、インフラ保全など、さまざまな環境や作業に横断的に適応できるのが特徴です。

単なるロボット制御技術の紹介にとどまらず、なぜ今、ロボットとAIの関係が「プロダクト」ではなく「OSレイヤー」で再定義されようとしているのか、Skild AIの誕生にはどのような技術的な変化があったのか、そしてその変化が既存の製造業や物流業、インフラ企業の競争力にどう影響するのか、NVIDIAや世界の投資家が参加する背景にある産業構造の変化シナリオなど、深い洞察が提供される予定です。

ロボットの研究、新規事業開発、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)、経営企画、DX(デジタルトランスフォーメーション)、レジリエンス(回復力)に携わる日本国内の担当者にとって、日本の企業の強みを次の10年の産業OSとどう結びつけるかを考える良い機会となるでしょう。

参加を希望する方は、以下のLumaイベントページより事前登録が必要です。

Skild AIについて

Skild AIは、物理世界で働く汎用人工知能(Physical AI)の構築を目指す、米国カリフォルニア州を拠点とするAIスタートアップです。カーネギーメロン大学の元教授らが設立し、ロボット工学とAIの最先端研究を基盤に、ロボットの形や作業に依存しない「共通の脳」となる基盤モデル「Skild Brain」を開発しています。Skild AIは、デジタル空間で起きたAI革命を物理世界にも広げ、建設、物流、製造、警備といった現場の人手不足を解消する、拡張性の高いロボット知能のプラットフォームを構築することで、産業構造そのものの変革に挑戦しています。

DGDVについて

DGDVは2016年の設立以来、国内外のスタートアップ企業に投資し、成長を支援してきた東京を拠点とするベンチャーキャピタルです。日本に本社を置きながら、共同投資やイベント共催などを通じて、北米をはじめとする世界のトップ投資家と深く連携しています。DGDVはこれまで、AI、セキュリティなどの基本的なソフトウェア分野だけでなく、ディープテック(先端技術)、クライメートテック(気候変動対策技術)、ロボティクス、コンテンツなど幅広い分野に積極的に投資してきました。DGDVの使命は、日本とグローバル間のさまざまなギャップを埋め、世界でイノベーションに挑戦するスタートアップ企業への投資を通じて、スタートアップエコシステム全体を変革していくことです。

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