Grafana Labsは、システムの状態を「見える化」する「オープン・オブザーバビリティ・クラウド」を提供する企業です。2025年度(1月31日終了)において、同社はビジネスの拡大、製品の革新、そして市場での評価において目覚ましい一年を過ごしたことを発表しました。特に、AIを活用した複雑なシステム全体で、様々な情報を意味のある行動に変える支援を数多くの企業に提供しています。

持続的な事業成長と市場での評価
Grafana Labsは、2026年を迎えるにあたり、事業のあらゆる面で成長を加速させました。
顕著なビジネス成長
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年間経常収益(ARR): Grafana Cloudの継続的な拡大と、大規模なソフトウェア企業での採用増加により、4億ドルを突破しました。詳細はこちらで確認できます。
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顧客数の増加: 世界中の7,000以上の組織に導入されており、これにはFortune 50企業の70%が含まれます。
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グローバル展開: 100名以上の従業員を増員し、日本法人を設立したことで、現地市場での成長を加速させています。日本法人の設立に関する詳細はこちら。
業界からの高い評価
Grafana Labsは、以下のような権威ある評価機関から高い評価を受けています。
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2025年 Gartner® Magic Quadrant™のオブザーバビリティ・プラットフォーム部門で「リーダー」の1社に位置付けられ、「ビジョンの完全性」で最も高い評価を獲得しました。詳細についてはこちら。
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Forbes Cloud 100で13位にランクインし、5年連続で選出されています。詳細はこちらForbes Cloud 100。
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GigaOm Cloud Performance Testing Radar Reportでリーダーに選出されました。詳細はこちらGigaOm Cloud Performance Testing Radar Report。
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2025 DevOps Dozen Awardsでは、Grafana Cloudが「Best Observability Solution」を受賞しました。詳細はこちら2025 DevOps Dozen Awards。
これらの評価は、ソフトウェアシステムがAIの進化によってより複雑になり、ビジネスにとって不可欠になる中で、オープンソースやオープンスタンダードに基づく「オープン・オブザーバビリティ」が重要性を増していることを示しています。
次世代AI企業の原動力に
AI技術を基盤とする企業がインフラの限界に挑戦する中で、システムの状態を常に把握できる「オブザーバビリティ」は非常に重要です。Grafana Labsは、AIの未来を築く企業にとって重要なインフラとしての役割を強化してきました。
Anthropic、Lovable、OutSystemsなどのAI分野のリーディングカンパニーが、複雑で変化の速いシステム運用にGrafana Cloudを活用しています。これらの企業はGrafanaを使って、以下のようなことを実現しています。
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AIワークロードの監視:メトリクス(性能指標)、ログ(記録)、トレース(処理経路)、プロファイル(動作解析)といった様々なデータから、AIの動作状況を把握します。
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分散システムのデバッグ:モデルの推論(AIが判断を下す過程)、データ処理の流れ、ユーザー体験が絡み合う複雑なシステムの問題を見つけ出し、解決します。
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テレメトリコストの制御:データ量が予測不能に増える中でも、システムの状態をしっかり見ながら、データを収集・分析するコストを管理します。
Grafana Labsは、AIの開発者がシステムを信頼でき、効率的で、理解しやすい状態に保つための支援をしています。
製品イノベーション:オープン・オブザーバビリティ・クラウドの進化
2025年、Grafana Labsは、すべてのチームがオブザーバビリティをもっと簡単に、もっと行動に繋げられるようにするための、革新的な製品を多数提供しました。
AIを活用した実用的な機能
この一年の大きな成果の一つは、「Grafana Assistant」が数千ものGrafana Cloudユーザーに採用されたことです。Grafana Assistantは、Grafana Cloudの機能に直接組み込まれたAIアシスタントで、ユーザーの作業を効率化します。
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メトリクス、ログ、トレース、プロファイル、インフラの状況に関する質問に答えます。
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ダッシュボード(システムの状況を表示する画面)、クエリ(データを検索する命令)、説明などをゼロから作ることなく生成します。
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初めて利用する人でもオブザーバビリティを使いやすくし、経験豊富なエンジニアの作業も加速させます。
また、マルチステップのインシデント調査を自動で行うAIエージェント「Assistant Investigations」も導入されました。これは現在、一般公開前のプレビュー版として提供されており、複数の専門AIエージェントが連携して、メトリクス、ログ、トレース、プロファイルを同時に分析し、問題の原因を探り、対策を提案します。
クラウドサービスの経済性を再考
クラウドやAIの利用が増えるにつれて、システムから集まるデータ(テレメトリ)の量が増え、コスト管理が重要な課題となっています。Grafana Labsは、2025年に「Adaptive Telemetry suite」を完成させました。これにより、システムの状態を見失うことなく、テレメトリの量とコストを賢く管理できるようになりました。
さらに、企業や規制の厳しい業界向けに、より柔軟な導入を可能にするプラットフォームの強化も行っています。
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Grafana Bring Your Own Cloud (BYOC): 顧客自身のAWSやGCPアカウント内で、フルマネージドのGrafana Cloud環境を動かせます。日本でもAWS東京リージョンで利用可能です。詳細はこちらGrafana Bring Your Own Cloud (BYOC)
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Grafana Federal Cloud: 米国政府機関や請負業者向けに、厳しいセキュリティ基準(FedRAMP HighおよびDoD IL5)に準拠したクラウドサービスを提供します。詳細はこちらGrafana Federal Cloud
複雑さをシンプルに
現場のチームが、集まった情報から素早く行動に移せるよう、Grafana Labsは、導入後すぐに使えるオブザーバビリティ体験に力を入れています。
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「Grafana Cloud Knowledge Graph」をリリースし、サービス、インフラ、データ間の関係を自動でつなぎ合わせることで、システム全体の状況を把握できるようにしました。
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「Instrumentation Hub」や「Database Observability」といった新しい「すぐに使えるソリューション」を導入し、オブザーバビリティの知識レベルに関わらず、どのチームでも素早く成果を出せるようにしています。
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Kubernetes Monitoring、Synthetic Monitoring、Cloud Provider Observability、Fleet Managementといった既存の監視機能もさらに強化されました。
これらの機能により、チームは複雑なシステムをより早く理解し、効果的に協力し、問題が顧客に影響を与える前に解決できるようになります。
オープン戦略:オープンソース、オープンスタンダード、オープンエコシステム
Grafana Labsは、異なるシステム間での連携(相互運用性)、大規模な運用(スケール)、そしてユーザーが自由に選択できることを重視する「オープン」な戦略を続けています。
オープンソースへの貢献
Grafana Labsは、オープンソースの製品群全体で重要なリリースを行い、進化を続けています。
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「Grafana 12」のリリースでは、ダッシュボード、データの探索、拡張性が大きく改善され、複雑なシステムを理解するための中心的なツールとしてのGrafanaの役割がさらに強固になりました。
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大規模なメトリクス(性能指標)の処理に特化した「Mimir 3.0」は、性能、拡張性、運用効率が大幅に向上しました。
オープンスタンダードの推進
Grafana Labsは、特定のベンダーに縛られることなく、データを自由に移動できる「オープンスタンダード」への取り組みを深めています。
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OpenTelemetryの共同創設者であるTed Young氏がGrafana Labsに加わりました。詳細はこちらTed Young氏の参画。
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Grafana Labsは、OpenTelemetryとPrometheusの両方で、企業としてトップクラスの貢献を続けています。
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eBPFベースの自動データ収集プロジェクトである「Beyla」をOpenTelemetryコミュニティに寄贈しました。これにより、アプリケーションに最小限の負担でデータを収集する(計装する)ことが容易になります。詳細はこちらBeyla寄贈
広がるオープンエコシステム
Grafanaのオープンエコシステムは、様々なツール、ベンダー、プロトコルからのデータを統合する「包括的な」考え方に基づいています。
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160以上のデータソースプラグインを提供しており、既存のツールを置き換えることなく、多様なデータを取り込むことができます。プラグインのリストはこちらデータソースプラグイン。
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この一年で、Drone、Vercel、Netlifyなどのプラットフォームや、Zendeskのようなビジネスシステムを含む15の新しいデータソースプラグインが追加されました。これにより、システム性能をビジネスの成果に直接結びつけることが可能になります。
これらの革新は、「オープンに開発し、実際の運用上の問題を解決し、チームが監視するだけでなく、行動できるように支援する」というGrafana Labsの基本的な考え方を表しています。
Grafana Labsの詳細については、公式サイトをご覧いただくか、LinkedInおよびX (旧Twitter)で最新情報をフォローしてください。

