オーエムネットワークがChatGPTからGoogle GeminiへAI移行!「二重契約」解消とコスト75%削減の秘訣

生成AI(Generative AI)

オーエムネットワーク株式会社は、2026年2月1日より、社内で使う公式の生成AIツールをOpenAI社のChatGPTからGoogle社のGeminiへと全面的に切り替えました。

この移行は、Google Workspaceを利用する企業にとって、AIツールの活用方法を考える上で非常に参考になる事例です。なぜ同社はChatGPTを選び、そしてなぜGeminiへと切り替えることになったのでしょうか。その背景から、実際に直面した課題、そしてどのように乗り越えたのかを詳しく見ていきましょう。

ChatGPTからGeminiへAI移行のリアル

ChatGPTからGeminiへ、AIツールの選択が変わった背景

オーエムネットワークでは、2024年頃から一部の社員がChatGPTを業務に取り入れ始めました。そして2025年7月には、生成AIの活用をさらに進めるため、「Re:Work.AI」というプロジェクトを立ち上げ、ChatGPTを全社で使う公式ツールとして正式に導入しました。文書作成、情報収集、アイデア出しなど、さまざまな業務でChatGPTが活躍しました。

しかし、同社が普段使っているグループウェアはGoogle Workspaceでした。Gmail、Googleドライブ、Googleドキュメント、スプレッドシートなど、日々の業務のほとんどがGoogleのサービスの上で動いています。当然、Googleが提供する生成AIである「Gemini」も検討されましたが、当時のGeminiは、回答の正確さや日本語の自然さ、機能の豊富さの点でChatGPTに及ばず、業務で使うにはまだ難しいと判断されました。

転機が訪れたのは、2025年11月に新しいGemini 3が発表された時です。この新しいGeminiは、考える力(推論能力)が格段に向上し、日本語の対応も大きく改善され、文字だけでなく画像や音声なども扱える(マルチモーダル処理)ようになりました。これにより、ChatGPTと比べても遜色ないレベルに達したのです。

同社は2025年11月から約3ヶ月間、社内でGeminiの検証を行いました。その結果、一般的な業務で使う分にはChatGPTとほぼ同じことができるという結論に至りました。そして、ChatGPTの年間契約が切れる2026年1月末に合わせて、全社的にGeminiへの移行を完了させました。

「二重契約」の解消がもたらした大きなメリット

Google Workspaceを使いながら、別にChatGPTを契約するという「二重契約」は、多くの企業で当たり前のように行われているかもしれません。しかし、契約先が2つ、請求の管理が2つ、アカウントの管理が2つと、管理部門にとっては手間がかかるものでした。Geminiへの移行によって、この「二重契約」が解消されました。

Google WorkspaceとAIツールの比較

これにより、契約や支払い、アカウント管理がGoogle Workspace一つにまとまり、管理部門の負担が大きく減りました。社員にとっても、普段使い慣れているGoogleの画面の中で、そのまま生成AIを使えるようになったのは大きなメリットです。さらに、生成AIにかかるコストも、これまでの約75%削減できたとのことです。

生成AIツール費用の変化

今回の移行にあたり、Google Workspaceのプランを「Business Starter」から「Business Standard」にアップグレードしています。Gemini 3には、複雑な質問に対してAIが段階的に考えて答えを出す「思考モード」がありますが、Business Starterプランではこの機能の利用に制限があり、業務で求める質の高い答えを安定して得るのが難しかったためです。Business Standardへのアップグレードにより、この制限が緩和され、より実用的な回答品質が確保できるようになりました。

移行で直面した課題と乗り越え方

スムーズに見える移行の裏側には、いくつかの実際の課題がありました。ツールの切り替えは、単に技術的な作業だけでなく、日々の業務の流れや社員の働き方にも影響を与えます。特に、以前のツールに慣れていた社員ほど変化への不安は大きく、導入を進める側も試行錯誤を重ねました。同社が直面した壁と、その乗り越え方を紹介します。

Geminiを使った作業風景

従業員の抵抗

ChatGPTを導入当初から積極的に使いこなしていた社員ほど、Geminiへの移行に抵抗を感じる傾向がありました。プロンプト(AIへの指示)の書き方や、AIの出力の癖など、すべてがChatGPTに合わせて最適化されていた中でツールを切り替えることは、心理的なハードルが高くて当然です。同社は、移行の目的とメリットを丁寧に説明するとともに、全社の方針として明確に打ち出すことで対応しました。経営層や管理層が「なぜ変えるのか」を明確にし、迷いのない姿勢を示すことが重要だと実感したとのことです。

会話履歴の引き継ぎ

ChatGPTに蓄積された会話履歴や知識をGeminiに引き継ぐことも課題の一つでした。同社が採用したのは、ChatGPTに過去の会話内容を要約させ、その要約をGeminiに貼り付けるという、とてもシンプルな方法です。完璧な方法とは言えませんが、実際の業務では十分に機能しました。完璧な方法を待つよりも、まずは動くことを優先した判断と言えるでしょう。

機能の違いとカスタムAIの移管

ChatGPTとGeminiでは、細かい機能に違いがある部分も存在します。同社は3ヶ月間の検証期間中にこうした違いを洗い出し、代わりに使える方法を探したり、新しい運用ルールを決めたりしました。この検証期間が、ここで大いに役立ちました。

また、ChatGPTのカスタムAI機能「GPTs」で作成していたツールを、Geminiの「Gem」へと移す作業も行われました。例えば、日常的に使われていた「メール文章添削GPTs」や「議事録作成GPTs」は、Gemでも同じような機能を再現できています。この移管作業は、社内のAIチームが中心となって行い、機能の調査から手順の作成、各部署への使い方説明までを一貫して担当しました。移管後に大きな問題は発生しておらず、カスタムAIのほとんどはGemでも再現できることが確認されました。

Google Workspaceユーザーへ、そしてこれからの展望

「Google Workspaceを使っているのに、なぜ別の生成AIツールを契約しているのですか?」

2025年当時であれば、その答えは「Geminiでは業務に使えなかったから」と明確でした。しかし、Gemini 3がリリースされた今、その前提は崩れています。Google Workspaceを利用している企業であれば、プランをアップグレードするだけでGeminiを全社に導入できます。追加の契約手続きも、アカウント管理も不要です。すでに持っているものを、ただ有効活用するだけです。

もちろん、業務の内容や求める性能によって最適なツールは異なります。オーエムネットワークでも、技術的な検証や特定の用途ではChatGPTをはじめとする他の生成AIツールを引き続き活用できる柔軟な体制を維持しています。特定のツールにこだわりすぎず、常に最適な選択をし続ける姿勢が重要だとしています。

今後は、Google Workspaceとの連携をさらに深め、グループウェアやメッセージツールにおけるAIによる自動化やデータ分析を進めていく予定です。さらに、社内の知識を集約し、活用する仕組み(ナレッジベース)の構築にも着手し、会社全体の生産性向上を目指していくとのことです。

3ヶ月間の検証を通じて、一般的な業務で使う分にはGeminiで十分に機能すると実感したそうです。同じような状況の企業にとって、この記事が少しでも参考になれば幸いです。


オーエムネットワーク株式会社について

会社名:オーエムネットワーク株式会社
所在地:新潟県新潟市中央区
代表取締役:山岸真也
事業内容:業務システム開発、シフト管理システム「R-Shift」
提供Web:

CMN Outsourcing & Management Network

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