デジタル時代において、私たちが日常的に目にする写真や動画は、コミュニケーションだけでなく、何かを証明するための大切な証拠としても使われます。しかし、最近ではAIの技術が進み、本物そっくりの偽物(フェイク)が簡単に作れるようになり、何が本当で何が偽物なのか見分けるのが難しくなっています。
VeritasChain株式会社は、この「デジタル証拠の信頼性の危機」に立ち向かうため、暗号学的な技術で証拠を安全に記録するアプリ「VeraSnap」を開発しました。そしてこの度、Android版とiPad版の提供が始まり、より多くの人が利用できるようになりました。

VeraSnapとは?「本物」を証明する新しいカタチ
従来のスマートフォンで撮影された写真や動画は、撮影日時がデバイス任せで、後から簡単に変えられてしまうという弱点がありました。VeraSnapは、この問題に根本的な解決策を提供します。
「いつ」「どこで」「誰が」「どのデバイスで」撮影したのかを、外部の信頼できるタイムスタンプサービスと、顔認証や指紋認証といった生体認証を組み合わせることで、暗号学的に証明できる証拠を作成します。これにより、デジタルデータの信頼性が格段に向上します。

選挙とフェイクニュース問題への取り組み
近年、選挙の際にAIが悪用され、偽の動画や画像がSNSで拡散される問題が深刻化しています。これまでの対策は「偽物を見抜く」というものでしたが、AIの進化が速すぎて、人間が見分けるのは限界に近づいています。
VeraSnapは、考え方を逆転させ、「本物であることを暗号学的に証明する」という新しいアプローチでこの問題に挑みます。これにより、偽の情報が広がることを未然に防ぎ、民主主義を守るための重要なツールとなることが期待されます。

Android版・iPad版の主な特徴
Android版の技術的な工夫
Android版VeraSnapは、iOS版と同じように使えるだけでなく、Androidならではのセキュリティ機能を最大限に活用しています。
- ハードウェアセキュリティ: スマートフォンに搭載されている特別なセキュリティ機能を使って、撮影した証拠が偽造できないように守ります。
- クロスプラットフォーム検証: Androidで撮った証拠をiPhoneやiPadで確認でき、その逆も可能です。どの端末で撮っても、同じように「本物」であることを確認できます。
- 多様なセンサー対応: Androidスマートフォンのさまざまなセンサー(動き、傾き、気圧など)のデータを記録し、証拠の一部として保存します。これにより、画面を撮影した(スクリーン撮影)ものかどうかも見破れる場合があります。

iPad版の使いやすさ
iPad版VeraSnapは、大きな画面と複数のアプリを同時に使えるiPadの特性を活かしたデザインになっています。証拠の一覧を見ながら、同時に詳しい情報も確認できるため、作業がスムーズに進みます。
LiDARセンサーを搭載したiPad Proでは、撮影対象が画面に表示されたコンテンツかどうかを自動で判別する機能も利用できます。

誰でも簡単に使える操作性と安心のプライバシー
VeraSnapは、複雑な暗号技術を意識させない、直感的な操作性を実現しています。まるで普通のカメラアプリのように使えるのに、たった200ミリ秒で法的証拠レベルの写真を撮影できます。
また、インターネットがつながらない場所(圏外や地下など)でも、オフラインで証拠を記録できる「完全オフライン対応」も特徴です。通信が回復すると自動で外部のタイムスタンプを取得し、証拠の信頼性を確保します。

プライバシーにも配慮し、位置情報は必要に応じてハッシュ化して保存するオプションがあります。また、生体認証データはスマートフォンの中でだけ処理され、外部のサーバーには送られません。
技術の裏付け:Content Provenance Protocol (CPP) v1.5
VeraSnapは、VeritasChain株式会社が開発し、国際的なインターネット標準化団体に提案している「Content Provenance Protocol(コンテンツ来歴プロトコル)」の最新バージョンv1.5に完全に準拠しています。このプロトコルは、デジタルメディアの出所情報を記録・検証するためのオープンなルールです。
主な技術的な特徴は以下の通りです。
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外部タイムスタンプ(RFC 3161): 撮影時刻は、国際的に認められたタイムスタンプ機関によって証明されるため、デバイスの時計を改ざんしても、タイムスタンプの偽造は不可能です。
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Merkleツリーとコンプリートネス・インバリアント: 連続して撮影された証拠が、暗号技術でつながった鎖のように記録されます。もし途中の証拠が削除された場合でも、数学的にそれを検出できるため、「都合の悪い証拠を隠す」ことを防ぎます。この技術については学術論文も公開されています。
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生体認証バインディング: 撮影時に顔認証や指紋認証を求めることで、「人間がデバイスを操作して撮影した」ことを証明できます。これにより、自動撮影や遠隔操作との区別が可能になります。
未来の展望:コンテンツ来歴認証SNS「C2PA VeritasSocial」の開発
VeritasChain株式会社は、VeraSnapで培った技術を応用し、コンテンツの出所が証明できる次世代のSNSプラットフォーム「C2PA VeritasSocial」の開発も進めています。これは、ディープフェイクやAIが作ったコンテンツが増える中で、SNSの信頼性を高めることを目指しています。2026年第4四半期に提供開始を予定しています。

C2PA VeritasSocialは、国際標準規格C2PAと独自のCPPを組み合わせることで、投稿された画像や動画、音声の出所、編集履歴、AIの関与度を簡単に確認できるようになります。これにより、コンテンツの「本物らしさ」を保証し、信頼できる情報共有の場を提供することを目指しています。
対応言語と関連リンク
VeraSnapは、日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、アラビア語の10言語に対応しており、世界175カ国で利用できます。

関連リンク
VeraSnapは、デジタル社会における情報の信頼性を守り、フェイクニュース問題に対抗するための強力な味方となるでしょう。

