VeritasChain株式会社は、AI MQL合同会社との技術提携により、スマートフォンやタブレットで法的に有効な証拠を作成できるアプリ「VeraSnap」のAndroid版とiPad版の提供を開始しました。
このリリースにより、VeraSnapはiOS(iPhone/iPad)とAndroidの両方で利用できるようになり、世界175カ国のユーザーが利用可能です。さらに、主要な10言語に対応しており、世界中でデジタル証拠の信頼性を高めるためのツールとして期待されています。

デジタル時代の「偽物」問題とVeraSnapの役割
現代では、スマートフォンで撮影された写真や動画が、裁判や紛争解決の証拠として使われることが増えています。しかし、これらのデータは簡単に改ざんできてしまうという大きな問題がありました。特にAI(人工知能)を使った画像生成技術の進化により、まるで本物のようなフェイク画像や動画が作られ、デジタル証拠の信頼性が揺らいでいます。
2026年2月に行われた衆議院議員総選挙では、生成AIを悪用した偽情報がSNS上で大量に拡散され、民主主義の根幹を脅かす事態となりました。従来の「偽物を見抜く」ファクトチェックだけでは、偽情報の拡散スピードに追いつくことが難しくなっています。

VeraSnapは、この問題に対して「本物であることを暗号学的に証明する」という新しいアプローチで挑みます。国際的な基準に沿った外部のタイムスタンプサービスと、Face IDや指紋認証などの生体認証を組み合わせることで、「いつ」「どこで」「誰が」「どのデバイスで」撮影したかを、後から改ざんできない形で証明できる証拠を作成します。

VeraSnapの主な機能と技術
幅広いデバイスと多言語に対応
VeraSnapは、iPhoneやiPadだけでなく、Androidスマートフォンやタブレットでも利用できるようになりました。さらに、英語、日本語、中国語、韓国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、アラビア語の10言語に対応し、世界中の多くの人が利用できる設計となっています。

Android版の技術的なこだわり
Android版VeraSnapは、Androidのセキュリティ機能を最大限に活用しています。例えば、撮影の際に使われる「署名鍵」という大事なデータは、デバイスから取り出せないように保護されており、偽造は非常に難しいとされています。また、iOS版とAndroid版の間で、作成された証拠が正しく検証できる「相互検証」も実現しています。Android端末に搭載されている様々なセンサー(加速度計、ジャイロスコープなど)のデータも撮影時に記録され、証拠の信頼性をさらに高めます。

iPad版の使いやすさ
iPad版VeraSnapは、iPadの大きな画面と複数のアプリを同時に使う機能(マルチタスク)を活かした専用の画面デザインを採用しています。証拠の一覧を見ながら、その詳細を大きな画面で確認できるため、効率的に作業を進められます。LiDARセンサーを搭載したiPad Proでは、撮影対象が画面に表示されたコンテンツかどうかを自動で判別する機能も利用できます。

直感的な操作と信頼性の保証
VeraSnapは、複雑な暗号技術を意識することなく、通常のカメラアプリのように簡単に使えます。撮影された証拠の信頼性は「Bronze」「Silver」「Gold」という3つのレベルで表示され、専門知識がなくても一目でその品質を判断できます。
インターネットがなくても使える「完全オフライン対応」
VeraSnapは、インターネットにつながっていない場所でも証拠を作成できます。地下の建設現場や災害現場など、電波が届かない状況でも、撮影された写真や動画の順番が改ざんされていないことを暗号学的に証明します。インターネットに接続されると、自動的に外部のタイムスタンプサービスで認証され、後から独立して検証できる仕組みになっています。

デジタルコンテンツの出所を証明する「CPP」に準拠
VeraSnapは、VeritasChainが開発した「Content Provenance Protocol(CPP)v1.5」という、デジタルメディアの出所情報を記録・検証するためのオープンな技術基準に完全に準拠しています。この技術には、以下のような特徴があります。
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外部タイムスタンプ: 撮影された時間が、信頼できる第三者機関によって証明されます。そのため、デバイスの時計を改ざんしても、タイムスタンプを偽造することはできません。
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Merkleツリーとコンプリートネス・インバリアント: 連続して撮影された証拠は、暗号技術でつながれており、途中の証拠が削除された場合にそれを数学的に検出できます。これにより、「都合の悪い証拠を隠す」ことを防ぎます。
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生体認証バインディング: 撮影時にFace IDや指紋認証を求めることで、「人間がデバイスを操作して撮影した」ことを証明できます。
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プライバシー・バイ・デザイン: 位置情報は、必要に応じてハッシュ化された形で保存されるなど、個人のプライバシーに配慮した設計になっています。
VeraSnapの詳細情報やアプリは以下のリンクから確認できます。
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VeraSnapウェブサイト: https://veritaschain.org
将来の展望:信頼できるSNS「C2PA VeritasSocial」
VeritasChainは、VeraSnapで培った技術を活かし、コンテンツの出所を認証する新しいSNSプラットフォーム「C2PA VeritasSocial」の開発も進めています。これは2026年第4四半期に提供開始が予定されています。
ディープフェイクなどのAI生成コンテンツが増える中で、SNS上の情報が信頼できるかどうかは大きな課題です。C2PA VeritasSocialは、すべての投稿にコンテンツの出所や編集履歴、AIが関わっている度合いなどを自動で記録し、ワンタップで検証できるようにすることを目指しています。

この取り組みは、コンテンツの「本物らしさ」を証明する技術をソーシャルメディアに広げることで、デジタル社会全体の信頼性を高めるインフラを築くことを目指しています。VeraSnapは、デジタル時代の「偽物」問題と戦い、信頼できる情報流通の実現に貢献する重要なツールとなるでしょう。

