
コグニティ株式会社は、2026年2月8日投票日の衆院選に向けて、各党の街頭演説を分析しました。この分析は、一般的な生成AIとは異なる「知識表現AI」という技術を使い、演説の内容だけでなく、その「伝え方」を数値で評価するものです。目的は、投票予測をそのまま信じるのではなく、演説の特徴を根拠に、投票予測がどれくらい当てはまるかを“点検(精査)”することにあります。
AIによる演説分析のポイント
ポイント1:投票予測が高い演説に共通する「勝ちパターン」
選挙ドットコムがJX通信社と共同で実施した投票予測を参考に、投票予測が高い演説に共通する特徴を調べたところ、以下の3つの要素が特に影響力が強いことが分かりました。
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主なトピックの割合を増やす(=論点の数が多い)
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繰り返し説明の割合を減らす
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問いかけへの自問自答(回答)の長さを増やす
つまり、勝ちやすい演説とは「話のポイントがはっきりしていて、同じ話を何度も繰り返さず、聞いている人の反応を引き出すように工夫されている」と言い換えられます。
ポイント2:論点の数だけでなく“並び方”にも違い
投票予測が高い党の演説は、一つの演説に含まれる論点の数が多い傾向にありました。一方、投票予測が低い党は、論点を絞り込み、同じ説明を深く繰り返す傾向が見られました。
また、主要な論点を情報量の多い順に並べて比較すると、高い予測の党は「主張の核」や「意味づけ」が明確な話題が上位に並ぶのに対し、低い予測の党は「投票行動の呼びかけ」や「同じ内容の繰り返し」が多くなる傾向が読み取れます。

ポイント3:話し方のスピードにも違い
話す量やスピード、文の長さといった「語りの輪郭」を比較すると、全体的に「ゆっくりめ」の速度で話す傾向が見られました。特に、投票予測が高い党は平均よりもゆったりと話していることが示唆されています。具体的には、高投票予測側の党は254.2語/分で、平均は271.2語/分でした。

さらに、問いかけに対する回答(自問自答)の長さは、選挙前の議席数が多い党ほど「長い自答」をする傾向が見られました。しかし、自問自答の「数」で見ると逆転し、議席数が多い党ほど問いかけ自体が少ない傾向も確認されています。

ポイント4:演説特徴から逆算した「再ランキング」と「チームみらい」
上記の「勝ちパターン」を使って、各党の演説がどれくらいそのパターンを持っているかを0〜100点でスコア化し、演説の特徴から考えた「再ランキング」を算出しました。
- 自由民主党(100点)
- チームみらい(75点)
- 中道改革連合(70点)
- 国民民主党(58点)
- 日本共産党(53点)
- れいわ新選組(35点)
- 日本維新の会(35点)
- 日本保守党(18点)
- 参政党(5点)
- 社会民主党(0点)
この再ランキングで注目すべきは、「チームみらい」が事前想定よりも高いスコアを出した点です。これは、「短くシンプル」な演説特性(勝ちパターン)で評価した場合に、特に良いパフォーマンスを示したことを意味します。

2026年衆院選・政論解体新書 特集ページ公開
コグニティは、この分析結果を踏まえ、有権者向けに各党のマニフェスト動画や政見放送、街頭演説の論点・特徴をまとめた特集ページ「2026年衆院選・政論解体新書」を公開しています。詳しい分析レポートは以下のページで確認できます。
分析の対象と技術
今回の分析では、2026年衆院選に向けた10党の街頭演説、合計419分を対象としました。YouTubeに付属する文字起こし機能を利用しているため、その際の誤変換が分析に影響している可能性もあります。
コグニティの「CogStructure」という技術は、ChatGPTのような文章を「作る」生成AIとは異なり、発話や文章を比較できる「モノサシ」に落とし込むことを得意とする「知識表現AI」です。この技術を使って、演説の話題の構造や情報量などを数値化し、各党の特徴を客観的に比較しています。
トライアルサービス「Baseline Review」
コグニティは、会話や文章といった定性的なデータを、独自の技術で「改善に役立つ指標」や「行動につながるヒント」に変える分析サービスを提供しています。
現在、短期間で現状の課題と改善の方向性を把握できるトライアルサービス「Baseline Review(お試し)」を5万円(税別)で提供しています。商談や会議の録画・音声・書類などを2本提出することで、分析結果とフィードバックを受けられます。

申込ページはこちらです。

