【内閣総理大臣賞受賞】声を失った人に「話す喜び」を届けるマウスピース型人工喉頭「Voice Retriever」

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声を失った人に「話す喜び」を!画期的な人工喉頭が内閣総理大臣賞を受賞

声を失ってしまった方が、その日のうちにまた話せるようになる──そんな夢のような技術が、この度、内閣総理大臣賞という大変名誉ある賞を受賞しました。

東京科学大学から生まれたベンチャー企業、株式会社東京医歯学総合研究所が中心となり開発されたマウスピース型人工喉頭「Voice Retriever(ボイス・レトリーバー)」プロジェクトが、「第8回日本オープンイノベーション大賞」において、最も優れた取り組みに贈られる内閣総理大臣賞を受賞したのです。

声を失う「孤独」と向き合う

日本では毎年、約4,000人もの方々が、病気や事故などで突然「声」を失っています。喉頭がんの手術やALS(筋萎縮性側索硬化症)などの病気、人工呼吸器の使用などが原因です。これまでの代用発声方法では、習得までに長い訓練が必要だったり、声の質に課題があったりと、話すことが難しくなることで、多くの方が精神的にもつらい思いをされていました。

世界初!装着初日から話せるマウスピース型人工喉頭「Voice Retriever」

「Voice Retriever」は、そんな声の悩みに応えるために開発されました。この製品の最大の特徴は、口の中のわずかな動きを音に変える、世界で初めてのマウスピース型人工喉頭であることです。

マウスピース型人工喉頭の模型

Voice Retrieverのすごいところ

  • すぐに使える:複雑な練習はほとんどいりません。口や舌が少しでも動けば、マウスピースを装着したその日から会話ができます。

  • 誰でも使える:首から下が動かせない方でも使うことができ、ノイズの少ないクリアな声を出せます。

  • 確かな実績:2025年4月に発売されてから、すでに200名以上の方がこの製品で「自分の声」を取り戻しています。

みんなの力を合わせた「オープンイノベーション」の成功

この「Voice Retriever」の開発は、一つの企業だけでなく、様々な分野の専門家が協力し合った「オープンイノベーション」の素晴らしい例として高く評価されました。

内閣総理大臣賞の表彰状を持つ山田社長と小野田大臣

東京科学大学の特許技術を基盤に、スタートアップ企業が事業化を進め、大手電機メーカーが回路設計を、電線メーカーがケーブルを、医療機器メーカーがスピーカーを開発。さらに、全国の歯科クリニックや歯科技工所が製作を担当するなど、多くの企業や医療機関が連携することで、製品開発が迅速に進められました。現場の歯科医師が中心となって事業計画を立て、患者さんに直接届ける仕組みを作ったことも、成功の大きな要因です。

未来への展望:AIで「声」はもっと豊かに

「Voice Retriever」は、2025年の大阪・関西万博での展示を経て、さらに進化を続けていきます。

  • 2027年:医療機器として正式な認可(薬事申請)を目指します。

  • 2028年:海外での展開を始め、世界中の500万人もの発声に困難を抱える方々へ「話す喜び」を届けることを目指しています。

  • 技術の進化:将来的には、AI(人工知能)の力を借りて、「より自然な声」に変換したり、歌えるようにしたり、多言語に変換するソフトウェアの開発も計画されています。

プロジェクトを率いる株式会社東京医歯学総合研究所の山田大志代表取締役は、「この賞は私一人では決して成し遂げられなかった」とコメントし、多くの協力者への感謝を述べました。これからも、臨床現場のニーズに応えながら、社内外の様々な専門家と協力し、イノベーションの架け橋となることを目指していくとのことです。

プロジェクト参画メンバー

  • 株式会社東京医歯学総合研究所

  • 東京科学大学 摂食嚥下リハビリテーション学分野

  • 三洲電線株式会社 医療機器開発プロジェクト

  • 富士システムズ株式会社 営業第二部 一課

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