岡山大学が新データ解析手法「SGCRNA」を開発、病気の原因解明や創薬に新たな光
国立大学法人岡山大学は、遺伝子などたくさんの情報の中から「一緒になって働くグループ(モジュール)」を見つけ出す、新しいデータ解析手法「SGCRNA」を開発しました。この新しい方法は、これまでの解析方法が抱えていた課題を解決し、病気の原因を突き止めたり、新しい薬を開発したりする精度を大きく向上させると期待されています。

SGCRNAとは?見えなかったデータのつながりを見つける技術
これまで、遺伝子などのデータがどのように連携しているかを分析する「共発現ネットワーク解析」では、「WGCNA」という手法が約20年間にわたり広く使われてきました。しかし、このWGCNAには、理論的な問題や、もっと効率よく正確に分析できる余地があるという課題が指摘されていました。
そこで岡山大学の研究チームは、これまでの解析のやり方を見直し、より細かく、そして結果が理解しやすい「グループ」をデータの中から見つけ出すことができるSGCRNAを開発しました。
SGCRNAは、データ同士の表面的なつながり(相関)だけではなく、その奥に隠れた、これまで見過ごされてきた重要なつながりやグループを明らかにすることができます。この研究成果は、バイオインフォマティクス分野の国際的な学術誌『Briefings in Bioinformatics』に掲載され、その価値が認められました。
論文情報
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論文名:SGCRNA: spectral clustering-guided co-expression network analysis without scale-free constraints for multi-omic data
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掲載誌:Briefings in Bioinformatics
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著者:Tatsunori Osone, Tomoka Takao, Shigeo Otake, Takeshi Takarada
病気の原因解明や創薬への期待
WGCNAは、これまでも薬の標的となる遺伝子を探すなど、医療分野で活用されてきました。SGCRNAによって、従来の解析では見つけられなかった重要な遺伝子や遺伝子のグループの働きが明らかになれば、病気の原因をより深く理解し、一人ひとりに合わせた「精密医療」の基盤となる解析の精度を高めることにつながります。

今後は、このSGCRNAをより大量のデータにも使えるようにするための高速化や、実験による結果の確認、そして実際に新しい薬の標的や病気の目印(バイオマーカー)を探す研究への応用が進められる予定です。
岡山大学の取り組み
岡山大学は、文部科学省の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択されており、地域と地球の未来を共に創り、世界の革新に貢献する研究大学を目指しています。また、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」も支援しており、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。

SGCRNAの開発は、このような岡山大学の研究力と、社会貢献への強い意志を示すものと言えるでしょう。今後のさらなる研究の進展に注目が集まります。
関連リンク
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詳しい研究内容について:https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r7/press20260219-7.pdf
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岡山大学 学術研究院 医歯薬学域(医学系) 組織機能修復学分野:http://regsci.mdps.okayama-u.ac.jp/
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岡山大学医学部医学科:https://oumed.okayama-u.ac.jp/med/
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岡山大学大学院医歯薬学総合研究科:https://www.mdps.okayama-u.ac.jp/
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岡山大学病院 新医療研究開発センター:http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/
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岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
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岡山大学地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS):https://j-peaks.orsd.okayama-u.ac.jp/

