建設業の若手育成を生成AIで支援!「新人即戦力化AI」デモ版が登場

AIツール・サービス紹介

日本AI施工管理合同会社は、建設業で働く若手施工管理技士の育成と定着をサポートする、世界初の教育型メンタリングプラットフォーム「新人即戦力化AI」のデモ版を公開しました。このAIツールは、新人が現場で直面するさまざまな困難を解決し、即戦力としての成長を助けることを目的としています。

建設業界が抱える深刻な人材問題

建設業界では、若手の人材がなかなか定着しないという大きな課題があります。厚生労働省の調査によると、建設業で高校を卒業した新人のうち、3年以内に辞めてしまう人の割合は43.2%にも上ります。大学を卒業した人でも30.7%が離職しており、特に1年目で辞めてしまうケースが多く見られます。

作業員がタブレットを持って点検している様子

さらに、建設業では新しい人が入ってくる数よりも辞めていく人の数の方が多く、人手不足が深刻化しています。現在、建設業で働く人の約37%が55歳以上であるのに対し、29歳以下は約12%しかいません。このままでは、2030年には約90万人もの人材が不足すると予測されています。

1人の離職が大きな損失に

若手社員が1人辞めてしまうと、企業にとっては非常に大きな損失となります。ある調査によると、施工管理者1人の離職にかかる費用は、新しい人を中途採用する場合で約1,113万円、新人育成の場合で約1,967万円にもなります。

AI経営ダッシュボードのデモ画面

この損失は、採用にかかる費用だけでなく、新人を教育する期間のコスト、人手不足による工事の遅れ、品質の低下、安全上のリスク増加など、目には見えにくいコストが積み重なって発生します。結果として、残った社員の残業が増え、それがさらなる離職につながるという悪循環が生まれているのです。

経営層と若手の認識の違い

若手が辞めてしまう理由について、会社の経営層と若手社員の間には大きな認識の違いがあります。経営層は「仕事が肉体的にきつい」「職業意識が低い」といった理由を上位に挙げるのに対し、若手社員が実際に挙げるのは「雇用が不安定」「遠方の現場が多い」といった理由です。

職場問題に関するデータインサイト

この認識の違いが、若手の離職を止めることができない原因の一つとなっています。若手は将来への不安から、合理的な判断として離職を選んでいるのかもしれません。

「新人即戦力化AI」とは

「新人即戦力化AI」は、このような建設業界の課題を解決するために開発された、施工管理の新人教育に特化したAIツールです。

新人が現場で直面する課題を「知識の壁」「関係性の壁」「業務量の壁」の3つに分け、それぞれの課題に対応する合計11の機能を搭載しています。これにより、新人が「今、この瞬間に知りたいこと」をすぐに解決できる環境を提供します。

AIチャット画面と機能一覧

知識の壁を乗り越える機能

  • 用語チャット: 「墨出しやっといて」など、現場で使われる専門用語の意味をAIが3秒で教えてくれます。新人のレベルに合わせて、簡単な説明から現場での使い方まで3段階で回答します。

  • やることナビ: 初めての現場で「何から始めればいいかわからない」という新人のために、その日のタスクを時間帯別にリストアップしてくれます。

  • 写真ガイド: 工事写真の撮り方で迷ったときに、撮影対象や角度、黒板に書く内容などを具体的に教えてくれます。

人間関係の壁を壊す機能

  • 聞き方テンプレ: 先輩に質問したいけれど「何をどう聞けばいいかわからない」ときに、場面に合った質問の仕方やタイミングを提案してくれます。

Webフォーム形式の聞き方テンプレート

  • 職人関係ガイド: 職人さんとの接し方に困ったときに、対応例やベテラン職人さんの考え方を解説し、新人が一人で悩まないようにサポートします。

  • 週次ふりかえりAI: 1週間の自分の頑張りを振り返り、「できたこと」や「来週の課題」をAIが可視化することで、小さな成長を実感できます。

業務量の壁を解消する機能

  • 日報自動生成: 箇条書きで5項目を入力するだけで、上司に見せられる品質の日報を30秒で作成できます。

  • KYシート作成AI: 作業内容を選ぶだけで、危険予知活動に必要なKYシート(危険予知活動表)を自動で作成してくれます。

KYシート作成のためのウェブ入力画面

  • 安全書類AI: 書類の種類と項目を入力すると、安全書類をゼネコンの書式に合わせて自動で整えてくれます。

  • 電話メールテンプレ: 施主や元請けからの急な連絡に戸惑ったときに、すぐに使える応対の台本を出力してくれます。

  • マナーチェッカー: 初めての現場に行く際に「何を持っていけばいいかわからない」といった疑問に対し、持ち物リストや挨拶の順序、NG行動などを教えてくれます。

世界初の教育型メンタリングプラットフォーム

日本AI施工管理合同会社は、このサービスを開発する前に、世界中で80社以上の競合製品を調査しました。その結果、「施工管理」「新人教育」「AI」「多言語対応」の4つの条件をすべて満たすプロダクトは、「新人即戦力化AI」が世界で唯一であることが確認されました。

地球儀と世界地図の抽象的なデザイン

既存の施工管理ツールは業務効率化を目的としていますが、「新人即戦力化AI」は作業の自動化だけでなく、現場監督の「育成」に特化している点が大きな特徴です。

建設現場とデジタルツインの融合イメージ

外国人施工管理者もサポート

建設業で働く外国人労働者は年々増えており、2025年10月末には20万人を超えると予測されています。「新人即戦力化AI」は、日本語だけでなく、ベトナム語、インドネシア語、そして「やさしいにほんご」の4言語に対応しています。

2人の作業員が作業台に集中している様子

これにより、外国人施工管理者も母国語で専門知識を学び、スムーズに業務に取り組めるようになります。これは、2027年4月から始まる新しい「育成就労」制度にも対応するものです。

新人即戦力化AIの多言語対応UI

独自の研究に基づいた高品質なAI

このサービスの最大の強みは、一般的なAIチャットボットとは異なり、新人施工管理者の心理や行動、実際の現場状況を深く研究したデータに基づいて設計されている点です。合計6本の独自リサーチレポートを統合し、その知見をAIの応答に全面的に活かしています。

複数のディスプレイにデータ分析が表示されている様子

これにより、一般的なAIでは難しい「施工管理の現場を知っているAI」が実現され、質の高いサポートを提供します。

技術仕様とメンタルヘルスへの配慮

「新人即戦力化AI」は、スマートフォンやタブレット、PCで利用できるWebアプリケーションとして提供されます。生成AIによる自然言語処理を採用し、安定した稼働を実現しています。

建設管理の新人向けAI支援ツール

また、建設業は自殺率が高い業種の一つであることから、新人のメンタルヘルスにも配慮しています。ストレスの兆候や離職のサインをAIが検知した場合、セルフケアの方法や専門相談窓口への案内を提示する3段階の危機対応プロトコルが実装されています。

法的コンプライアンスと今後の展開

このサービスは、建設業法や労働安全衛生法などの法令に沿って設計されており、主任技術者や監理技術者の業務を支援するツールとして位置づけられています。

作業着姿の若い男性が笑顔でOKサインをしている

料金体系とターゲット顧客

「新人即戦力化AI」は、永久ライセンスと初期セットアップで75万円(税別)の「買い切りモデル」として提供されます。主なターゲットは、従業員20〜50名規模の中小施工管理会社です。1人の離職による損失が800〜1,000万円に達することを考えると、この導入コストは非常に効果的な投資と言えるでしょう。

今後の展開

2026年3月からはPoC(概念実証)企業の募集を開始し、4月の新入社員入社時期に合わせてPoCを実施します。その後、2026年下半期には30社の導入を目指し、本格的な展開を進めていく予定です。2027年にはSaaSプランの提供や、建設キャリアアップシステム(CCUS)との連携も検討されています。

屋外で打ち合わせをする男性二人

代表メッセージ

日本AI施工管理合同会社の河東 里奈代表は、「建設業界で長く続いてきた『背中を見て覚えろ』という文化は、現場に余裕がなくなった今、もう機能していません。この構造的な問題をテクノロジーの力で解決したい」と語っています。

「新人即戦力化AI」は、先輩の代わりになるAIではなく、新人が現場で不安を感じたときに「とりあえずAIに聞いてみよう」と思える「つなぎ」の役割を果たすことで、一人で悩みを抱え込まない環境を目指します。日本の社会インフラを支える建設業の未来を担う若い人材が、安心して成長できる環境を作ることが、このサービスの使命です。

会社概要

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