はじめに:Oliveが提唱する「人の状態データ」とは
Olive株式会社は、生体反応を起点に人の感情、覚醒、集中、ストレスといった「状態」を非接触で可視化するHuman State Platform「LaCause(ラクーズ)」の新しい活用設計を公開しました。
この設計では、小売店やECサイトが、単に「何が売れたか」「何が見られたか」といった結果データだけでなく、お客様が商品を選ぶ瞬間の「心の状態」を理解し、より良い体験を提供することを目指します。

なぜ今、「人の状態」が重要なのか
これまでの小売業界では、商品の売上データ(POSデータ)や来店者数、アンケート結果、ECサイトでのクリック数や購入履歴など、「結果」となるデータをもとに分析が行われてきました。
しかし、実際にお客様が商品を購入する行動は、「迷っている」「興味がある」「集中している」「疲れている」「ストレスを感じている」といった、その瞬間の「心の状態」に大きく左右されます。これまでは、このような「人の状態」を正確に知ることは難しいとされてきました。
LaCauseは、このような「人の状態」を生体反応から非接触でデータとして取得できるようにすることで、小売店やECサイトの設計そのものを、お客様の「状態」に合わせて作り変える可能性を秘めています。
「人の状態データ基盤」LaCauseの仕組み
Oliveが開発した「人の状態データ基盤」は、生体反応をリアルタイムでデータ化し、お客様の体験やサービス、お店側の意思決定を最適化するための社会インフラとして機能します。
LaCauseは、単に「笑顔」や「怒り」といった表情を分析するツールではありません。カメラなどの映像情報から心拍の変動や体の動き、皮膚の変化といった生体反応を推定し、AIが解析することで、次のような「状態」を数値で提供します。
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覚醒度(どれくらい意識がはっきりしているか)
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集中・注意状態(どれくらい集中しているか)
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ストレス・安定状態(ストレスを感じているか、落ち着いているか)
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感情状態(複数のカテゴリで感情を分析)
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状態の移り変わりや回復傾向
これにより、「どの場所で」「誰が」「いつ」「どのような心の状態に変化したか」を、継続的なデータとして把握できるようになります。
小売市場での具体的な活用例
LaCauseを活用することで、小売業界では以下のような新しい設計が可能になります。

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スーパーマーケット
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棚の配置をより効果的にする
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イベントの効果をデータで検証する
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お客様の反応をデータとして取得できる売り場へ変える
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モール/百貨店
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お客様の心地よさを高める施策を設計する
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空間の体験価値を評価する
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テナント(入居店舗)向けに感情データを提供し、活用を促す
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店舗DX/コンビニ/無人店舗
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お客様の反応データをもとに店舗を設計する
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マーケティング(宣伝活動)をより高度にする
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データ販売による新しい収益源を作る
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EC・OMO連携における進化
これまでのECサイトでは、クリック数やサイト滞在時間、スクロール量、購入履歴など、「お客様が何をしたか」という行動ログを中心に分析が行われてきました。しかし、これらのデータだけでは、「なぜその行動に至ったのか」までは分かりませんでした。
LaCauseは、生体反応から得られる「人の状態データ」を活用することで、次のようなことが可能になります。
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商品を見ている時の興味、迷い、没頭している状態
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商品を比較している時の注意の変化
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コンテンツを見た時の感情の変化
これにより、ウェブサイトのデザインや使いやすさ(UI/UX設計)をより高度にしたり、お客様におすすめする商品(レコメンド)の精度を高めたり、オンラインでの体験全体を最適化できるようになります。ECサイトは、単なる行動分析から「状態ベースの設計」へと進化します。
「結果」から「設計」へ:何が変わるのか
これまでは「売れたか」「見られたか」といった「結果」が重視されていました。
しかしLaCauseの導入後は、「なぜお客様に選ばれたのか」という、購買行動の裏側にある「人の状態」を可視化できるようになります。これにより、小売店やECサイトは、単に結果を改善するだけでなく、お客様の体験を根本からデザインし、最適化することが可能になります。
LaCauseが実現する社会インフラ
「LaCause」はすでに、様々な分野で実際に導入され、活用が進められています。
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商業施設・小売店舗: 来店客の興味、迷い、没頭、快適度を可視化し、売り場設計やお客様の動線、演出の改善に活用されています。
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観光・MaaS・エンターテインメント施設: 体験前後の感情、覚醒、回復状態の変化を計測し、体験価値の設計や演出評価に活用されています。
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オフィス・研修・会議空間: 集中度、疲労、活性度を可視化し、空間設計や研修効果測定、組織改善に活用されています。
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教育分野: 学習中の注意、理解状態を推定し、教材設計や指導改善の基礎データとして活用されています。
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ヘルスケア・ウェルビーイング領域: 覚醒、ストレス、回復傾向を可視化し、生活環境やサービス評価に活用されています。
LaCauseは、一時的な感情分析ではなく、人の状態変化を継続的に追跡できる設計を採用しています。これにより、何かを行う「前」と「中」と「後」で状態がどう変化したかを分析し、コンテンツの効果や空間体験、施策がお客様に与えた「影響」を可視化できます。
また、お客様のグループごとの比較や、商品ごとの反応、空間の評価など、様々な傾向を分析することも可能です。これまでの「お客様に聞く」という主観的なアンケート調査から、「行動中の無意識なデータを観測する」という新しいアプローチへと変わっていくでしょう。
今後の展望
Oliveは、「人の状態データ」を社会全体で使えるインフラとして扱う未来を目指しています。今後、小売やECだけでなく、健康経営、教育、観光、都市・インフラといった様々な市場で、活用事例を広げ、海外展開やパートナー企業との連携を進めていくとのことです。
Olive株式会社について
Olive株式会社は、表情解析ではなく、生体反応を起点に人の感情、覚醒、集中、ストレスなどの「状態」を非接触で可視化するHuman State Platform「LaCause(ラクーズ)」を提供する企業です。

