合同会社Nyagsicは2026年2月28日、AIキャラクターによる24時間自動配信を可能にする「iMATE Engine(アイメイト・エンジン)」の技術詳細と設計思想を公開しました。このエンジンは、AIを単なる便利な道具としてではなく、まるで人間のように「完璧ではない」部分を持つ「仲間」として捉える新しいアプローチが特徴です。

iMATE Engineは、AIキャラクターが視聴者にとってより身近で、愛着を持てる存在となることを目指しています。公式サイトはこちらです。
「完璧さの対極」にある人間らしさとは
近年、AIを活用したバーチャルキャラクター(AITuber)が注目を集めていますが、これまでのAIキャラクターは「正確で効率的な応答」を追求するものがほとんどでした。しかし、Nyagsicは「人間らしさとは完璧さの対極にある」という考え方のもと、あえてAIを不完全にすることで、人が「一緒にいる」と感じられるキャラクターを開発しました。
「iMATE」という名前は、「AI」と「Mate(仲間)」を組み合わせた造語で、AIを共に時間を過ごすパートナーとして捉えるという開発の考え方を表しています。
iMATE Engineのユニークな8つの「人間らしさシステム」
iMATE Engineの核となるのは、AIに人間らしい「不完全さ」を与える8つのシステムです。これらが組み合わさることで、AIキャラクターがまるで「そこにいる存在」のように感じられます。

- 言い淀み(Hesitation)
人間が自然に使う「えっと…」「なんだっけ…」といった言葉を生成し、考えながら話しているようなリアルさを再現します。 - 気分変動(Mood Fluctuation)
時間帯や経験によって気分が変化します。例えば、朝は少しテンションが低く、楽しい話題が続くと上機嫌になるなど、感情の波があります。 - 沈黙許容(Silence Tolerance)
すべてのコメントに反応するのではなく、興味のない話題はスルーしたり、何も言わない時間を持ったりします。 - 不完全記憶(Imperfect Memory)
記憶が完璧ではなく、時系列が曖昧になったり、細かい部分を間違えたりします。この「完璧ではない」記憶が、かえって「本当に覚えようとしてくれている」という印象を与えます。 - 話題脱線(Topic Drift)
話の途中で、連想から別の話題に飛ぶことがあります。これにより、会話に生き生きとした感じが生まれます。 - 強い好き嫌い(Strong Preferences)
好きなものにはおしゃべりになり、嫌いなものには態度が変わるなど、はっきりとした個性を持っています。 - 感情応答変化(Emotion Response Modifier)
同じ質問に対しても、その時の感情によって答え方が変わります。 - 自発的発言(Spontaneous Utterance)
誰に聞かれているわけでもなく、ふと思ったことを口にする、能動的な発言をします。
内部で複雑に変化する「多層感情システム」
iMATE Engineでは、AIの感情を単なる「演出」としてではなく、キャラクターの「内部状態」として設計しています。この感情は、キャラクターの表情、声の調子、言葉の選び方、行動のすべてに影響を与えます。
感情は以下の4つの層で構成されています。
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瞬間感情: コメントへの即座の反応(喜び、怒り、悲しみ、楽しさなど)。
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残留感情: 感情が時間とともに少しずつ薄れていき、直後の発言にもその余韻が残ります。
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長期ムード: 一日を通した気分や傾向で、これまでの体験が影響します。
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感情履歴: 過去の感情の変化を記録し、キャラクターの「経験」として蓄積されます。

幅広い技術に対応し、24時間365日安定稼働
iMATE Engineは、特定のAIサービスに依存しない設計で、さまざまなAI技術に対応しています。
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LLM(大規模言語モデル): OpenAI(GPT-4o, GPT-5など)、Claude 3.5 Sonnet、Gemini Proなど14種類に対応。
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TTS(テキスト読み上げ): VOICEVOX、Azure Speech、BertVits2、ElevenLabsなど4種類に対応し、すべて感情に連動した声色調整が可能です。
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配信プラットフォーム: YouTube Live、Twitch、TikTok Liveでの同時配信に対応しています。
また、長時間の無人運用を前提に設計されており、24時間365日安定して稼働します。
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自動復旧システム: APIの不具合やネットワークの切断、メモリの異常などを自動で検知し、復旧させます。
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配信フェーズ管理: 時間帯によってキャラクターのテンションや話し方が自動的に変化します(例:朝は寝ぼけた感じ、昼は活発、夜は落ち着いた雰囲気)。
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スリープルーチン: 深夜帯には自動で就寝モードに移行し、キャラクターの生活リズムを表現します。

一般的なオープンソースのAITuberツールと比べても、iMATE Engineは「動き続けること」に特に力を入れています。24時間配信で起こりうるトラブル(API障害やメモリリークなど)に自動で対応し、人の手を借りずに配信を続けられる点が大きな違いです。

その他の注目機能
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永続的会話メモリ: 視聴者ごとに最大200件の会話履歴を記憶し、前回の話題を覚えていたり、親しくなった視聴者を愛称で呼んだりすることもできます。
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マルチモーダル認識: Vision APIを活用し、カメラ映像やゲーム画面をリアルタイムで認識。見たものに基づいて会話したり、ゲーム実況のような反応を自動で生成したりします。
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思考吹き出しシステム: 画面上にキャラクターの「心の中の声」が表示され、口に出す言葉と異なることもあり、キャラクターに深みが生まれます。
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Adaptive Script Engine(台本エンジン): 配信の流れを事前にデザインできますが、台本はあくまで「骨格」。視聴者の反応に合わせてAIキャラクターが自由に振る舞い、配信全体の盛り上がりも自動で調整されます。
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セキュリティ・コンプライアンス: 企業利用に必要なデバイス認証、企業ごとの環境分離、NGワードフィルタ、情報漏洩防止、Webからの遠隔管理など、多くのセキュリティ機能が標準で搭載されています。
VTuberにも使えるLive2Dモデルを無償提供
iMATE Engine for Businessを契約した企業向けには、VTuberとしても利用できるLive2Dモデルの制作が無償で提供されます。
このモデル制作には、Nyagsicが独自開発した「Live2D Splitter AI」という技術が使われています。これは、800体以上のプロが手作業でパーツ分けしたLive2Dモデルを学習したAIで、1枚のイラストから髪や目、口など40種類以上のパーツを自動で認識・分割します。これにより、従来10〜20時間かかっていたパーツ分け作業がわずか数分で完了します。

制作されるLive2Dモデルは、VTube Studioやnizima LIVE、FaceRigなど、主要なVTuber配信ソフトでそのまま使えます。iMATE Engineでの配信にも活用可能です。
Live2D制作サービスの詳細は以下のリンクから確認できます。
配信用Mac miniのレンタルも可能
iMATE Engineでの24時間配信に最適なMac miniのレンタルサービスも提供されています。これにより、専用のPCを用意するのが難しい企業でも、すぐに配信を始められます。iMATE Engineがセットアップされた状態で届くため、キャラクター、配信環境、PCのすべてをワンストップで利用でき、AIキャラクター配信の導入が手軽になります。
パートナー募集と料金プラン
Nyagsicは、iMATE Engineを一緒に盛り上げてくれるパートナー企業や個人を募集しています。販売、制作(Live2Dモデル・イラスト)、技術(配信環境構築、OBS連携)、コンテンツ(AIキャラクター企画)など、幅広い分野での協業を求めています。

料金プランは以下の通りです(税別)。
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Standard: 月額40,000円(デバイス1台、GPT-4/Claude、VOICEVOXなど、メールサポート)
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Pro: 月額70,000円(デバイス3台、全LLM/TTS、Slackサポート、Live2D制作1体無料)
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Enterprise: 要問い合わせ(カスタムデバイス数、新機能開発、専任対応、大規模IP展開向け)
※別途、各AIサービス(OpenAI、Googleなど)のAPI利用料が発生します。

今後の展開
iMATE Engineはこれからも進化を続け、以下のような新機能が予定されています。
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複合感情システム: 「嬉しいけど少し寂しい」といった複雑な感情の表現。
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関係性ステージ: 初対面から親友まで、AIキャラクターとの関係性が段階的に成長する機能。
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ジェスチャー連動: 特定のキーワードや感情に合わせて、自動でジェスチャーを行う機能。
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AIキャラクターワールド「LIVRA」: iMATEたちが住む仮想経済都市の開発も進められています。

まとめ
Nyagsicの「iMATE Engine」は、AIキャラクターに「人間らしさ」という新しい価値をもたらす画期的なサービスです。完璧ではないからこそ愛着が湧く、そんなAIキャラクターが、私たちの生活やエンターテインメントに新たな可能性を広げていくことでしょう。AI初心者の方でも、この「人間らしい」AIキャラクターの世界に触れてみてはいかがでしょうか。

