モビルス株式会社が開発・提供するAIを活用したチャットボット「MOBI BOT AI Vector Search」が、株式会社ファンケルに導入されました。この新しいチャットボットは、顧客応対の品質向上と問い合わせ業務の効率化を目指して導入され、実証実験では従来のチャットボットに比べて問い合わせ完了数が約2割向上するという成果を上げています。

ファンケルが抱えていた課題
ファンケルは、化粧品やサプリメントの大手企業として、お客様一人ひとりに最高の体験を提供することを目指しています。電話、メール、Webチャット、FAQ、LINE公式アカウントなど、様々な方法で問い合わせに対応しており、特に40代以上の主要顧客層がデジタル操作で迷わないよう配慮してきました。
しかし、従来のチャットボットは、事前に登録されたキーワードと完全に一致する質問にしか対応できないという課題がありました。そのため、お客様が自由に文章で質問したり、FAQにない言葉を使ったりすると、適切な回答ができず、お客様自身で問題を解決できないケースが発生していました。
このような状況では、解決を急ぐお客様が電話や有人チャットに流れてしまい、コンタクトセンターのオペレーターの負担が増加していました。人件費の高騰や人手不足が進む中で、オペレーターを増やすことには限界があり、お客様とコンタクトセンター双方の負担を減らす新しい仕組みが求められていました。
AIチャットボット「MOBI BOT AI Vector Search」とは
「MOBI BOT AI Vector Search」は、AI(人工知能)の「ベクトル検索」という技術を使っています。この技術は、テキストや画像などのデータを数値の「ベクトル」に変換し、そのベクトル同士の距離や角度を計算することで、意味的に似た情報を効率よく見つけ出すことができます。
これにより、お客様が「日焼けをしてしまったので、美白になれる化粧品を探している」といった曖昧な表現や、FAQに直接一致しない言葉で質問しても、チャットボットが質問の意図を正確に理解し、関連性の高い回答をFAQの中から高精度で探し出して提示します。自然な文章での質問にも対応できるため、お客様は検索に迷うことなく、スムーズに自己解決できるようになります。
さらに、回答は既存のFAQから提示されるため、AIが事実に基づかない情報を生成してしまう「ハルシネーション」のリスクがなく、信頼性の高い情報を提供できるのも特徴です。

実証実験で約2割の問い合わせ完了数向上
2025年12月に実施された実証実験(PoC)では、「MOBI BOT AI Vector Search」を導入した結果、従来のチャットボットと比較して問い合わせ完了数が約2割向上しました。

この改善により、お客様が自分で問題を解決できる機会が増え、有人オペレーターへの問い合わせ数が減少しました。これにより、コンタクトセンターの業務効率が向上し、オペレーターはより複雑な問い合わせや、人間によるきめ細やかな対応が必要なケースに集中できるようになっています。

株式会社ファンケルのカスタマーサービス本部CXデザイン部デジタルデザイングループの川崎 純子氏は、従来のボットが長文や言い回しに弱かったのに対し、ベクトル検索はAIが言語理解に基づいて回答を検索するため、高い回答精度で解決率が向上したとコメントしています。

今後の展望
「MOBI BOT AI Vector Search」は、2026年1月1日よりファンケルオンラインのFAQサイトとLINE公式アカウント「ファンケル カスタマーサポート」で本格運用が開始されています。モビルスは、ファンケルの姉妹ブランドであるアテニアの「アテニア公式オンラインショップ」のFAQサイトのチャットサポートでも、2026年度内の導入に向けて支援を予定しています。
関連サービス
モビルスは、以下のようなCX(顧客体験)ソリューションを提供しています。
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MOBI AGENT(モビエージェント®)
チャットボットで解決できない場合に、オペレーターがお客様にきめ細やかな対応をするための有人チャットシステムです。オペレーターを支援する機能やチャットボットとの連携により、少ない負担で運用できます。
サービス紹介ページ: https://mobilus.co.jp/service/agent -
MOBI BOT AI Vector Search(モビボット エーアイ ベクター サーチ)
問い合わせに含まれる曖昧な表現や言葉のゆらぎを柔軟に捉え、検索精度を大幅に向上させるAIチャットボットです。既存のFAQから回答を提示するため、ハルシネーションのリスクがなく、安定した検索精度でチャットボット運用の管理工数を削減します。
サービス紹介ページ: https://mobilus.co.jp/service/bot
モビルスは、これらのソリューションを通じて、ファンケルがお客様一人ひとりに寄り添ったサービスを提供し、コンタクトセンター業務のさらなる効率化を実現できるよう、今後もサポートを続けていくとしています。

