AIが物流の「最後の壁」を突破!Eureka RoboticsのAIビジョンシステムが自動ピッキング装置に採用
AI技術を開発するEureka Robotics(シンガポール本社、日本支社:東京都江東区)は、同社の「Eureka AIビジョンシステム」が、物流システムを手がける株式会社アイオイ・システム(本社:東京都品川区)が開発中の汎用自動ピッキング装置に標準採用されたことを発表しました。
この採用により、アイオイ・システムは、これまで自動化が難しいとされてきた出荷前の「最終ピッキング」工程を含め、物流のすべての工程を一貫して自動化する提案ができるようになります。両社は今後、物流現場での実用化を目指し、実証実験とシステムのさらなる向上を進めていく予定です。

物流現場の「最後の壁」とは?
物流業界では、人手不足が深刻化しているため、商品の入荷や保管、運搬、仕分けといった多くの工程で自動化が進められています。
しかし、出荷直前の「最終ピッキング」という作業は、非常に多くの種類の商品を扱う必要があり、商品の種類(SKU)が頻繁に変わります。このため、商品ごとにデータを登録したり、CADデータを用意したりする手間が大きく、多くの現場で人の手作業に頼らざるを得ない状況が続いていました。
AIが実現する「見て、すぐにピックする」汎用自動化
アイオイ・システムは、この課題を解決するために、ロボットアームの「目」と「脳」の役割を果たす「Eureka AIビジョンシステム」を採用しました。このシステムを使うことで、事前に商品の登録やCADデータがなくても、あらゆる製品や商品をロボットが「見て」ピッキングできる汎用自動ピッキング装置が開発されました。
これにより、多品種の商品が混ざった環境でも、現場に流れてくる実物をそのまま認識してピッキングできるため、実際の運用に耐えうる自動化が実現します。
マスターレスピッキング方式で手間いらず
このシステムは、アーム型ロボットにEureka 3DカメラとEurekaコントローラを組み合わせることで作られています。Eureka 3Dカメラが商品を撮影すると、Eurekaコントローラが瞬時に3Dデータを作り出します。そして、Eureka独自のAIとアルゴリズムが、把持(つかむこと)できる商品の検出、最適な把持位置の推定、ロボットの動きの計算といった処理を自動で行い、ロボットに指示を出します。これにより、ロボットアームが商品を正確にピッキングし、指定された場所に置くことができます。
特に注目すべきは「マスターレスピッキング方式」が採用されている点です。これは、CADデータや商品の事前登録が不要なため、従来の物流ロボットピッキングで課題だったモデル登録やCADデータの準備、新しい商品が増えた際の再設定といった手間が一切いりません。現場に流れてくる商品をそのまま3Dで認識できるため、商品数が多く入れ替わりが激しいe-コマース倉庫などでも、システムを止めずに連続して稼働させることが可能です。
物流現場にフィットするAIビジョンの特長
アイオイ・システムがEureka AIビジョンシステムを選んだ理由は、物流現場の現状に合った以下の特長があるためです。
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CADデータや事前のデータ登録が不要でピッキングが可能
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AIの学習が不要なため、導入から運用までが簡単
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マスターレスモデルにより、安定して商品を検出できる
これらの特長により、商品の入れ替わりが激しい現場でも、システムを止めることなく使い続けられる自動化が実現します。
両社のコメント
アイオイ・システムのシステムソリューション部 企画課 マネージャである御園 哲郎氏は、今回の採用について「物流の自動化は、一部の工程だけを改善しても根本的な解決にはなりません。入荷から出荷まですべての工程がスムーズにつながって初めて、本当の価値が生まれます。これまで人の手に頼っていた出荷前の『最終ピッキング』は自動化の最後の壁でしたが、Eureka AIビジョンシステムの採用で、この最後のピースが埋まりました。これにより、当社は物流工程全体を一貫して自動化する提案が可能になります。今後も実証実験を重ね、人手不足に悩むお客様に真のメリットを感じていただけるソリューションを提供できるよう努めてまいります」と述べています。
Eureka Roboticsの日本支社マネージングディレクタである石丸 広典氏は、「マスターレスピッキングは、無数の商品を扱う物流業界で非常に価値のある技術だと考えています。物流工程の上流から下流まで豊富な実績を持つアイオイ・システム様と協力することで、Eurekaの技術を物流工程全体に組み込む形で提供できるようになり、大変嬉しく思います。この取り組みを通じて、人手不足に直面する物流業界の実用的な自動化に、より一層貢献していきたいです」とコメントしています。
株式会社アイオイ・システムについて
アイオイ・システムは、「革新的なアイデアで世界を驚かせ、未来をデザインする」というビジョンのもと、物流や製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する製品を世界中に提供しています。デジタルピッキングシステムのパイオニアとして、世界73カ国で展開し、国内市場ではデジタルピッキングシステムでNo.1の導入実績を誇ります。
- ウェブサイト:https://www.hello-aioi.com/
Eureka Roboticsについて
Eureka Roboticsは、最先端のAIビジョン技術を活用し、自動車、エレクトロニクス、航空宇宙分野など、これまで自動化が困難だった高精度なピッキング、組み立て、検査などの工程を自動化しています。シンガポールに本社を置き、米国、日本、ベトナムで事業を展開しており、AI研究、ロボット工学、製品開発における国際的な専門知識を結集。革新的なソリューションを通じて、世界の製造業の生産性向上と競争力強化に貢献しています。

