ピクシーダストテクノロジーズが開発したリアルタイム翻訳ディスプレイ「VUEVO Display」が、石垣市でインバウンド(訪日外国人観光客)の「旅ナカ」の様子をデータで明らかにする実証を行いました。この実証によって、これまで見えにくかった外国人旅行者のニーズを数字ではっきりわかるようにし、データに基づいた観光地づくりに役立つことが確認されました。

11拠点で336時間を超える対話データを収集し、インバウンドの「質的な」実態を解明
2025年7月から2026年1月までの実証期間中、石垣島内の主要11か所に設置されたVUEVO Displayは、合計2,577回の会話セッションを処理し、総利用時間は336.8時間にも及びました。20以上の言語に対応し、さまざまな国の旅行者の要望を捉えることができました。
この実証は、単に翻訳するだけでなく、以下の3つの点で「観光経営をもっと良くする」ためのヒントを与えました。
成果1. 20言語以上の対話ログを分析し、拠点ごとのインバウンド戦略に貢献
対話データからどの言語が使われたか、そしてクルーズ船の寄港といった外部の出来事を合わせて分析することで、拠点ごとにどのような外国人観光客が訪れているかを明確にしました。
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「隠れた欧米需要」の特定
市街地ではアジア圏の利用者が多い一方で、離島ターミナル(竹富町観光案内所)などでは、フランス語、ドイツ語、スペイン語といったヨーロッパ系の言語の利用が非常に高いことがわかりました。 -
クルーズ船寄港時の特別な需要を捕捉
5,000人規模のクルーズ船が寄港した日には、特定の店舗でロシア語やタイ語など、飛行機で来る旅行者とは異なる言語の需要が急に増えることがデータで確認されました。これにより、クルーズ船のスケジュールに合わせてスタッフの配置を考えたり、商品を準備したりするのに役立つデータが得られました。
成果2. おもてなしと「経済的な効率」を両立。より深いコミュニケーションを実現
VUEVO Displayは、お店の人が「相手の目を見て話す」という接客の大切さを守りつつ、同時にデジタルデータをためることで、現場の課題解決にも貢献しました。
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サービス品質の向上
現場からは「難しいニュアンスも正確に伝わり、自信を持って接客できた」という高い評価がありました。 -
接客の効率化と経済効果
スムーズなコミュニケーションは、忙しい時期にお店がお客様をより多く対応できることにつながり、集客が増えるという成果も確認されました。
成果3. 置くだけで誰でも簡単に使えるVUEVO Displayによる、再現性の高い成功モデルの構築
この実証で使われたVUEVO Displayは、難しい設定や工事が不要で、置くだけで誰でも簡単に使えるリアルタイム翻訳機です。
- デジタル格差の克服
デジタルツールに慣れていない現場でも「接客が楽になる」という良い経験を得ることで、11拠点すべてで継続的にデータを集める体制が作られました。これは、地方の観光地でデジタル化を進める際の大きな課題である「現場に定着させる」ことを解決する、とても有効な方法と言えます。
今後の展望
ピクシーダストテクノロジーズは、今回の実証で得られた知識を元に、多言語での会話データをさらに活用する方法について検討を続けます。地域のデータ管理システム(DMP)との連携なども視野に入れ、それぞれの地域に合った観光のあり方を探し、持続可能な観光地経営をサポートする取り組みを進めていくとのことです。
「VUEVO Display(ビューボディスプレイ)」について
「VUEVO Display」は、ピクシーダストテクノロジーズが培った技術と多言語翻訳機能、そして透明なディスプレイを組み合わせた製品です。会話の字幕をリアルタイムで透明なディスプレイの両面に表示できるため、耳の不自由な方や難聴の方との会話、外国語での会話のどちらの場面でも、相手のジェスチャーや表情を見ながら、自然な対面コミュニケーションを実現できます。
サービスURL:https://vuevo.net/display
ピクシーダストテクノロジーズ株式会社について
ピクシーダストテクノロジーズは、コンピュータの技術と、音や光などを自由自在に操る独自の技術を組み合わせることで、コンピュータと現実世界が一つになるような未来「デジタルネイチャー」を目指しています。現在は、生命科学や、視覚・聴覚・触覚をサポートする「ヘルスケア&ダイバーシティ」分野と、新しい素材技術やオフィス・工事現場の課題解決に役立つ「ワークスペース&デジタルトランスフォーメーション」分野の2つに力を入れて製品を開発しています。

