NVIDIAは、AIの進化をさらに加速させるため、エージェント型AI、フィジカルAI(ロボットや自動運転車)、そしてヘルスケアAIの分野で利用できるオープンモデルファミリーを拡充すると発表しました。これらの新しいモデルは、デジタル空間や現実世界で「考えて行動する」ことができる、より賢いシステムを作るための土台となります。
オープンモデルは、世界中でイノベーションを進める上で非常に重要です。NVIDIAが提供する「NVIDIA Nemotron」はAIエージェント向け、「NVIDIA Cosmos」はフィジカルAI向け、「NVIDIA Alpamayo」は自動運転車向け、「NVIDIA Isaac GR00T」はロボティクス向け、「NVIDIA BioNeMo」は生物医学研究向けなど、幅広い分野で活用できるモデルとツールを提供しています。

AIエージェントを強化する「NVIDIA Nemotron 3」
「NVIDIA Nemotron」ファミリーは、言葉の理解だけでなく、画像や音声も理解できる「マルチモーダルAI」へと進化しました。これにより、開発者は特定の仕事に特化したAIエージェントをより簡単に作れるようになります。
「NVIDIA Nemotron 3」は、AIエージェントが自然な会話をしたり、複雑な問題を解決したり、高度な視覚機能を使ったりするのを助けます。
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Nemotron 3 Ultra: 高度なAI処理能力を提供し、プログラミング支援や検索、複雑な作業の自動化などに役立ちます。
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Nemotron 3 Omni: 音声、視覚、言語をまとめて理解する能力を持ち、AIエージェントが動画や書類から効率よく正確な情報を引き出すことを可能にします。
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Nemotron 3 VoiceChat: AIがリアルタイムで人の話を聞き、同時に応答する会話をサポートします。音声認識、大規模言語モデルでの処理、音声合成といった機能が一つになっています。
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Nemotronの安全モデルと検索パイプライン: テキストや画像に含まれる不適切な内容を見つけ出し、信頼できるAIシステムを強化します。また、エージェントが情報を探す際の精度も向上させます。
LangChainはNVIDIA NemotronモデルとNVIDIA Agent Toolkitソフトウェアを統合し、企業が複雑なタスクを自動化できるAIアシスタントを開発、展開、監視できるようにしています。Automation Anywhere、CodeRabbit、CrowdStrike、Cursor、Factory、Distyl、Genspark、Perplexity、ServiceNowといった企業が、NVIDIA Nemotronモデルを高度なAIエージェントアプリケーションに活用しています。また、Edison Scientificは、5万人以上の研究者が利用するAI科学者「Kosmos」にNVIDIA Nemotronを活用し、数ヶ月かかる研究を1日で完了させています。
NVIDIAは、各地域のデータに基づいたプライバシー保護型の合成データセット「Nemotron-Personas」も提供しています。これには、フランスのデータセットが新たに加わり、米国、日本、インド、ブラジル、シンガポールのデータセットに続いて利用可能になりました。
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NVIDIA Nemotronについて: https://www.nvidia.com/ja-jp/ai-data-science/foundation-models/nemotron/
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NVIDIA Agent Toolkitについて: https://nvidianews.nvidia.com/news/ai-agents
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Nemotron-Personasについて: https://huggingface.co/collections/nvidia/nemotron-personas
ロボットや自動運転車の「物理AI」を動かす新しいオープンモデル
NVIDIAは、ロボットや車が現実世界を認識し、考え、行動できるようにする新しいモデルとシミュレーションツールを提供することで、自律システムの開発を加速させています。これには以下のものが含まれます。
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NVIDIA Cosmos 3: 合成ワールドの生成、物理AIの推論、行動シミュレーションを統合した世界初の基盤モデルで、複雑な環境での物理AIの動作を支援します。近日中に提供される予定です。
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NVIDIA Isaac GR00T N1.7: ヒューマノイドロボット向けに作られた、見て、言葉を理解し、行動する(VLA)モデルで、現実世界での活用に向けて商業利用が可能になりました。
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NVIDIA Alpamayo 1.5: 自動運転車向けVLAモデルで、ナビゲーション支援や柔軟なカメラサポートにより、自動運転車の推論能力を向上させます。
NVIDIAの創業者兼CEOであるジェンスン・フアン氏は、最新のロボット基盤モデル「GR00T N2」を披露しました。このモデルは、ロボットが新しい環境で新しいタスクを成功させる確率を、これまでのVLAモデルの2倍以上に高めます。GR00T N2は年内に提供される予定です。
HCLTech、Johnson & Johnson MedTech、Milestone Systems、mimic robotics、Skild AI、Tulip、Toyota Research Instituteといった企業は、NVIDIA Cosmosを活用して、物理AIのトレーニングや動画解析を加速させています。また、Humanoid、LG Electronics、NEURA、Noble Machinesは、ヒューマノイドロボットの展開を広げるためにNVIDIA Isaac GR00T N1.7を採用しています。
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NVIDIA Cosmosについて: https://www.nvidia.com/ja-jp/ai/cosmos/
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NVIDIA Alpamayoについて: https://www.nvidia.com/ja-jp/solutions/autonomous-vehicles/alpamayo/
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NVIDIA Isaac GR00Tについて: https://developer.nvidia.com/isaac/gr00t
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DreamZeroの研究について: https://dreamzero0.github.io/
ヘルスケアとライフサイエンス研究を加速するオープンモデル
NVIDIAは、生物医学研究、新薬の開発、医療画像解析、科学文献の理解といったヘルスケアおよびライフサイエンス分野で、AIを活用した発見を加速させるためのオープンなマルチモーダル基盤モデルとデータセットを提供しています。
「NVIDIA BioNeMo」は、ヘルスケアおよびライフサイエンス向けのオープンなAI開発プラットフォームとして進化しており、研究者が大規模な生物学的システムをモデル化し、設計し、シミュレーションすることを可能にします。
「Proteina-Complexa」は、タンパク質結合設計のための生成モデルです。これにより、薬の標的となるタンパク質に結合するタンパク質を設計し、新薬の開発を加速させることができます。Novo Nordisk、Viva Biotech、Manifold Bioといった企業が、このProteina-Complexaを活用しています。
NVIDIAは、EMBLの欧州バイオインフォマティクス研究所、Google DeepMind、ソウル国立大学と協力し、AlphaFoldタンパク質構造データベースを大幅に拡張しました。これにより、約3,000万のタンパク質複合体の予測が計算され、新しい薬の標的や病気のメカニズムの発見が加速しています。
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NVIDIA BioNeMoについて: https://www.nvidia.com/ja-jp/industries/healthcare-life-sciences/biopharma/
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タンパク質複合体予測データセットについて: https://blogs.nvidia.com/blog/gtc-2026-news/#protein-dataset
NVIDIAのオープンモデルの利用について
NVIDIAのオープンモデル、データ、フレームワークの一部は、GitHubやHugging Face、様々なクラウド、推論、AIインフラプラットフォーム、そしてbuild.nvidia.comから利用できます。これらのモデルの多くは、エッジからクラウドまで、NVIDIAのアクセラレーテッドインフラ上で安全かつ効率的に展開できる「NVIDIA NIM」マイクロサービスとしても提供されています。
NVIDIAは、AIの可能性を広げ、開発者や研究者がより高度なAIシステムを構築できるよう、オープンなアプローチで貢献を続けています。
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NVIDIA NIMについて: https://www.nvidia.com/ja-jp/ai-data-science/products/nim-microservices/
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NVIDIAについて: https://www.nvidia.com/ja-jp/

