「建てる」という仕事は、私たちの生活を支える大切なものです。しかし、ただ建てるだけでなく、「どう建てるべきか」というもっと大きな視点から都市の未来を考える動きが注目されています。
東京23区でRC造(鉄筋コンクリート造)の賃貸マンション建設を専門とする「めぐる組(株式会社めぐる)」が、このたび公益社団法人 日本都市計画学会(CPIJ)に入会したことを発表しました。これは、建設という実務と、都市計画という学術的な分野を結びつける、新たな挑戦です。

建設業界の課題と「めぐる組」の挑戦
建設業界、特に中小規模の建設会社は、設計事務所やデベロッパーから受け取った図面をもとに工事を行うのが一般的です。しかし、このやり方にはいくつかの課題があります。
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価格競争に巻き込まれやすい: 施工の技術だけでは、他の会社との違いを出すのが難しいことがあります。
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計画の初期段階に関わりにくい: 土地選びや事業の企画といった、建物の「上流工程」と呼ばれる初期段階で、建設の専門知識が活かされにくい現状があります。
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技術や知識が共有されにくい: 現場で培われた貴重なノウハウが、個人の経験にとどまり、会社全体や業界全体の財産として蓄積されにくい傾向があります。
「めぐる組」は、これらの課題に対し、特許技術やAI(人工知能)を活用することで応えてきました。例えば、密集地での安全な地下工事を可能にする「近接山留用地中連続壁工法」(特許取得済み)や、AIを使ってRC賃貸マンションの新しい計画を自動で作成する「GeneralConstructor」といった技術を開発しています。
学会入会がもたらす意義
今回の日本都市計画学会への入会は、「めぐる組」にとって以下の3つの大きな意味を持っています。
1. 実践的な知識を学術的な言葉に変換する
「めぐる組」が持つ現場での知識や技術は、実際に使えるものばかりです。これらの知識を都市計画の専門家が使う言葉にすることで、業界全体に広がり、より多くの場所で役立てられることを目指します。
2. 「建てる前」の考え方を深く学ぶ
建設会社は、建物を建てた後にどうなるかを肌で知っています。しかし、都市の災害への強さや、山間部の土地の有効活用といった大きなテーマは、一つ一つの建物を超えた広い視野が必要です。学会での活動を通じて、現場で培った細かい知識を、都市全体の大きな議論につなげていきます。
3. AIと建設、都市計画の新しい分野を開拓する
「めぐる組」は、AIを一時的な道具としてではなく、長く協力し合えるパートナーとして活用することを目指しています。建設の知識、AIの技術、そして都市計画の考え方が交わる場所で、中小建設会社の立場から、学術的な貢献をしていくことを目標としています。
今後の展望
「めぐる組」は、2026年度以降、都市計画に関する論文や報告書を発表したり、研究者や実務家が集まる全国大会(2026年10月、北海道大学で開催予定)に参加したりする予定です。これにより、社内の設計や企画に携わる人々が、都市計画の視点をもっと深く理解し、成長していくことを期待しています。
「めぐる組」は、現場での「気合とガッツ」を大切にしながらも、学術的な視点から建設業界の未来を語れる会社を目指していくとしています。
日本都市計画学会について
公益社団法人 日本都市計画学会(The City Planning Institute of Japan, CPIJ)は、都市計画に関する研究を進め、その成果を社会に役立てることを目的とした学術団体です。学会誌の発行や全国大会の開催などを行っています。
公式サイト:https://www.cpij.or.jp/

