AIがオフィスを賢くする!コクヨとTIGEREYEが共同特許を出願
オフィス家具で知られるコクヨ株式会社と、AI技術を手がける株式会社TIGEREYEが、未来のオフィスを形作る新しいAI技術「OFFICE AGENTIC AI」の共同特許を出願しました。
この技術は、AIがオフィスの利用状況や社員の働き方を学習し、一人ひとりに合った最適な環境を提案することで、働く人々の行動をより良い方向へ導き、仕事の生産性を高めることを目指しています。

「OFFICE AGENTIC AI」ってどんな技術?
「OFFICE AGENTIC AI」は、まるでオフィスそのものが「エージェント(代理人)」のように自ら考えて行動するAIシステムです。AIが社員の様々な行動データを学習し、対話を通じて評価し、より良い働き方を提案することで、人やオフィス空間との関係をどんどん進化させていきます。
この技術は、TIGEREYEが開発した様々な種類のデータ(音声や画像など)を扱えるAIの仕組みと、コクヨが考える「自律協働社会」という、みんなが自ら協力し合って働く社会のオフィス思想が融合して生まれました。
AIがオフィスで賢く働く仕組み
このAIシステムは、AI同士や人間とのやり取りをスムーズにするための「構造化プロトコル(MCP)」というルールを使います。会話の内容や、その裏にある意図、前後の文脈といった情報をAIが「親和性ベクトル」という形で学習・更新していきます。
これにより、AIは「どんな方法で」「誰と」「何のために」協力すれば一番良いかを、自分で判断できるようになります。そして、オフィス環境や個人の働き方に合わせて、最適なサポートを提供します。
さらに、TIGEREYEが提案する三つの層からなる仕組みが採用されています。
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Talk層: ユーザーや他のAIと対話を行います。
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Judge層: 対話の内容を評価し、点数をつけます。
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Match層: 最も適したAIや、時には最適な人材の組み合わせを選び出します。
この仕組みによって、オフィス内のAIは自律的に学習し、オフィス空間やそこにいる人々の行動をリアルタイムでより良い状態に調整していきます。

オフィスの未来像
この新しいAI技術は、単なるAIアシスタントの枠を超え、「オフィスそのものが考え、私たちに提案してくれる存在」へと進化させる可能性を秘めています。
例えば、社員の行動パターンや会議のデータ、コミュニケーションの履歴などを、個人が特定できないようにした上で分析します。そして、最適な座席の配置、会議の時間帯、チームの構成などをAIが提案してくれるようになるでしょう。
今後の展開
コクヨとTIGEREYEは、この技術を「OFFICE OS」や「OFFICE AGENT」として実際に使える形にするため、今後、会議室の予約、勤怠管理、情報共有、社員の健康状態の計測といった様々な業務で実証実験を始める予定です。
最終的には、AIが社員一人ひとりの行動、感情、そして仕事の目的を理解し、私たち自身の働き方そのものをより良く進化させるプラットフォームの実現を目指しています。
この技術について、さらに詳しく知りたい方は、株式会社TIGEREYEのウェブサイトをご覧ください。

