AIとAR技術で男性の「理想の顔」を解析!世代や国籍で異なる美意識が明らかに

AIツール・サービス紹介

男性美容市場の拡大と「理想の顔」への関心

近年、SNSの普及により、世界中の美容情報に誰もが簡単にアクセスできるようになりました。これにより、自己表現や美しさに対する価値観が多様化し、「美容は女性のもの」という考え方が薄れてきています。男性向けのスキンケアやメイクアップ製品も増え、男性化粧品市場は今後もさらに広がることが予想されています。

このような背景の中で、男性の美容への関心が高まっていますが、年齢や国籍によって、顔の印象をどのように変えたいのか、そのアプローチがどう違うのかは、これまであまり詳しくわかっていませんでした。

AI・AR技術を活用した新しい研究手法

株式会社ファイントゥデイは、この疑問を解き明かすため、パーフェクト株式会社のAI(人工知能)とAR(拡張現実)技術を使った独自のシミュレーションツールを開発しました。このツールを使うと、顔のパーツ(目、鼻、口、眉など)の形や大きさ、位置などを感覚的に調整し、「こんな顔になりたい」という理想の印象をすぐに画面上で確認できます。この新しい方法を使って、世代や国籍による男性の顔印象の違いを調べました。

世代によって異なる「かっこいい」「親しみやすい」顔の作り方

最初の実験では、20~49歳の日本人男女65名が参加し、提示された男性の顔画像を「かっこいい印象」と「親しみやすい印象」に変えるよう指示されました。

その結果、「かっこいい印象」を目指す場合、40代の参加者は眉の角度をしっかりさせ、太くする傾向が見られました。一方、20代と30代の参加者は、眉と目の距離を近づけ、顔の中心にパーツを寄せる傾向がありました。

「親しみやすい印象」を目指す場合は、世代が上がるにつれて、目を丸くし、眉の形をなだらかにする傾向が見られました。また、瞳の色も、目指す印象によって異なることがわかりました。このことから、目や眉の形、瞳の色といった目元の変化が、他者に与える印象に大きく影響することが明らかになりました。

図1 各世代の「かっこいい印象」に対する変容特徴を反映し、AIで生成した男性顔をシミュレーションツールで特徴的に変化させたイメージ画像。
図1 各世代の「かっこいい印象」に対する変容特徴を反映し、AIで生成した男性顔をシミュレーションツールで特徴的に変化させたイメージ画像。

国籍によって異なる「理想の自己顔」へのアプローチ

次の実験では、20~59歳の日本人男性122名とベトナム人男性32名が参加し、自身の顔画像をシミュレーションツールで「理想の自己顔」に変えるよう指示されました。

結果として、日本人男性は、鼻を細くし、目と眉の距離を近づけ、眉の色を茶色に変える傾向がありました。これに対し、ベトナム人男性は、目を垂れ目にする傾向が見られました。

図2 AIで生成した男性顔に対して、各国の被験者の変容特徴をシミュレーションツールで顕著に変化させたイメージ画像。
図2 AIで生成した男性顔に対して、各国の被験者の変容特徴をシミュレーションツールで顕著に変化させたイメージ画像。

これらの研究から、男性が求める顔の印象や、その印象を実現するためのアプローチは、評価する人の世代や国籍によって異なることが確認されました。これは、「どのように見られたいか」「どう見せたいか」という個人の気持ちだけでなく、その人の生活スタイルや流行、文化的な背景から生まれる「美しさの感覚」が、顔の印象を変えるアプローチに影響していることを示しています。

今後の展望

株式会社ファイントゥデイは、「世界中の誰もが、素晴らしい一日を紡ぎ、いつまでも美しく、豊かな人生を送れるようにすること」という会社の目標のもと、この研究で得られた知識を活かしていきます。世代や文化によって異なる多様な価値観を深く理解することで、一人ひとりの「こんな自分になりたい」という願いに寄り添った製品やサービスを提供することを目指しています。

ファイントゥデイの男性向けブランド「uno」や「エージーデオ24メン」などから、男性の「自分らしい魅力」を引き出す新しい製品がこれからも登場するでしょう。

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