AI(人工知能)の進化は目覚ましく、私たちの生活や仕事に大きな変化をもたらしています。そんなAIを「使う」だけでなく「対話しながらものづくりをする」新しい学びの形が、中高生向けに提供されます。
株式会社エクシードが運営する10代向けデジタル人材育成サービス「TechHigher」は、中高生向けの「デザイン初級講座」に、Canva AIを活用した新しい教材を追加しました。この教材は、プログラミングの経験がなくても、AIに言葉で指示を出すだけでアプリ開発を気軽に体験できる「バイブコーディング体験」講座です。

Canva AIとは
Canva AIは、デザインツール「Canva」に搭載されているAI(人工知能)の機能です。キーワードや文章を入力するだけで、画像やスライド、動画の制作、文章の生成など、さまざまなアウトプットを自動で作ってくれます。今回の新しい教材では、特にAIに指示を出してコードを生成する「AIコーディング機能」に注目して活用します。
新教材「バイブコーディング体験」のポイント
この新しい単元では、AIと「コミュニケーション」を取りながらアプリを作り上げる経験を大切にしています。生徒たちは、AIに対して次のような3つの点を意識して指示を書く方法を学びます。
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目的をはっきり伝える: 「何を作るのか」「誰が使うのか」「どんな雰囲気か」を最初に明確にします。
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指示は具体的にする: 「色・時間・用途」など、あいまいな言葉ではなく、数字や具体的な言葉で指示します。
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出力を見て“調整”する: AIは一度で完璧な答えを出さないため、生成された結果を見て、さらに細かく修正する指示を出します。
この一連のプロセスを通じて、生徒たちはAIと一緒にものを作るために必要な「指示力・観察力・調整力」を自然と身につけることができます。
実際の制作ワーク:「キッチンタイマー」
講座の中では、生徒がAIに伝えるプロンプト(指示文)の例を使いながら、キッチンタイマーをデザインし、開発する体験を行います。
ステップ1:プロンプト入力
カウントダウンタイマーのテンプレートを使い、キッチンタイマーを作成するための指示を入力します。必要な時間範囲や見た目のスタイル、用途などを設定します。

ステップ2:AIがコードを生成
Canva AIが、HTML、CSS、JavaScriptといったアプリを作るためのコードを150行以上も自動で生成します。

ステップ3:ビジュアルとコードを切り替えながら調整
生成されたアプリのデザインとコードを切り替えながら、調整を行います。例えば、「秒の文字化けを修正する」といった細かい修正指示や、色、フォント、ボタンの位置などの追加調整を行います。

ステップ4:完成作品の紹介
講座では、オレンジ色のキッチンタイマーや、子ども向けのキッチンタイマーデザインなど、AIとの対話によって生まれたさまざまな作品が紹介されます。同じ指示文を入力しても、生成結果が全く同じになるとは限らないため、生徒自身が主体的に作品を仕上げていく学びの仕組みになっています。

この新教材によって育つ能力
今回の「Canva AI コーディング」講座を通して、受講生は次のような能力を身につけることができます。
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AIに自分の意図を伝える「表現力」
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効果的な指示文(プロンプト)を作るための「設計力」(具体化、分解、順序付け)
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AIが作ったものを見て、改善点を指示する「批評力」
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デザインとコードがどのように関係しているかの理解
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AIと一緒に作品を作る「成功体験」
この講座は、従来の「操作方法を学ぶデザイン初級」では得られなかった、AI時代に合った新しいクリエイティブな能力を育みます。
「総仕上げ教材」としての位置づけ
この単元は、デザイン初級講座の最終章として位置づけられています。これまでに学んだデザインの基礎スキル(レイアウト、配色、フォントなど)を、「AIに正しく説明して形にする力」へと統合する役割を担っています。
Canva AIでアプリを作る単発講座を静岡・袋井で開催
新しい教材を使った90分間のワークショップが実際に開催されます。プログラミング未経験者でも分かりやすい内容で、学生から大人まで、生成AIを使ったものづくりに挑戦したい人なら誰でも参加できます。
Canva AI教材に関するお問い合わせ
Canva AIでアプリを作る「Canva AIでバイブコーディング」の動画教材は、「TechHigher」のデザイン初級コースの一部として、ライセンス提携校に提供されています。ライセンス提携に興味がある場合は、以下の日程で説明会が開催されます。
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2026年1月20日 (火) 10:00~12:00
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2026年2月4日 (水) 14:00~16:00
TechHigherに関する詳細はこちらをご覧ください。

