建設業界の新たな挑戦:リノベーション市場の課題
近年、建物のリノベーション(改修)が増えていますが、そこには大きな課題があります。古い建物では詳細な図面が残っていなかったり、あっても実際の状態と違っていたりすることが少なくありません。このため、設計の最初の段階で行う現地調査に、とても多くの時間と費用がかかっていました。
さらに、建設業界全体で人手が不足していることもあり、人が手作業で測量することの限界も指摘されています。このような状況では、いかに効率的かつ正確に建物の現状を把握するかが、リノベーションプロジェクトを成功させる鍵となります。
1時間で建物を丸ごと3Dデータ化!「ガウシアン・スプラッティング」とは?
この課題を解決するため、株式会社STUDIO55は、最先端の技術である「3D Gaussian Splatting(ガウシアン・スプラッティング)」を搭載したソリューション「One-Stop BIM! Gauss」を開発しました。
「3D Gaussian Splatting」とは、たくさんの写真から、まるで本物そっくりの高精細な3Dデータを作り出す画期的な技術です。これまでの3Dスキャンよりも、もっと速く、もっときれいなデータが作れるのが特徴です。STUDIO55の「One-Stop BIM! Gauss」は、この技術と最新のハンドヘルドスキャナを組み合わせることで、建物全体をあっという間にデジタルデータに変換します。
実証プロジェクト「江原町の家」で実現した驚きの効果
STUDIO55は、建築家・内井昭蔵氏の代表作である「江原町の家」のリノベーションプロジェクトで、この「One-Stop BIM! Gauss」の実証を行いました。その結果、目覚ましい効果が確認されました。
圧倒的な時間効率化
従来、5時間かかっていた現況測量(建物の状態を調べる作業)を、わずか1時間で完了させることができました。これは、作業時間を80%も削減したことになります。
高精細な3Dデジタルツインの作成
複雑な構造を持つ名建築である「江原町の家」を、建物だけでなく、庭の植栽や土地の高低差まで含めて、非常に細かく正確な3Dデジタルツインとして再現することに成功しました。

BIM/CADデータへのスムーズな変換と図面作成
取得した3Dデータから、建物の設計に必要な「BIMモデル」を簡単に作成できます。さらに、このBIMモデルから設計に必要な「白図(現況図)」を自動で書き出すことで、図面を作成する手間を大幅に減らし、データの一貫性を保つことが可能になりました。

関係者間の合意形成の迅速化
高精細な3Dデータは、リノベーションに関わる設計者、施工者、施主といった関係者全員が、建物の現状や改修後のイメージを正確に共有するのに役立ちます。これにより、認識のズレが減り、スムーズな話し合いと意思決定が進みます。
本プロジェクトの詳細については、STUDIO55のウェブサイトで紹介されています。
STUDIO55が描く建設DXの未来
STUDIO55は、「Support Your Design」を会社の目的(パーパス)として掲げています。これは、建築や建設に関わるさまざまなデータを「見える化」することで、業界全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していくことを意味します。これからも、最新技術を活用して、建設業界の効率化と品質向上に貢献していくことでしょう。

株式会社STUDIO55について
株式会社STUDIO55は、「Support Your Design」をパーパスに、クライアントの「デザインデータの見える化」「建設・建築データの見える化」「仮想現実の見える化」といった、メタバース実現に取り組んでいます。
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社名: 株式会社STUDIO55
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所在地: 東京都渋谷区渋谷一丁目3番9号 ヒューリック渋谷一丁目ビル7階 CROSSCOOP内
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代表者: 代表取締役:木村 宏樹
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設立: 2006年8月
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事業内容: デジタルソリューション事業、BIMサポート事業、DX(デジタルトランスフォーメーション)事業、UXデザイン事業、ソフトウェアセールス事業、BIMプラットフォーム事業
株式会社メタリアルについて
株式会社メタリアルは、「世界中の人々を場所・時間・言語の制約から解放する」を企業ミッションとし、翻訳市場で国内シェアNo.1の実績を持つ企業です。法務・医薬・金融など2,000分野に対応し、顧客ごとの課題解決・未来創造を目的とした完全カスタマイズAI開発サービスを提供しています。
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社名: 株式会社メタリアル
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所在地: 東京都千代田区神田神保町3-7-1ニュー九段ビル
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代表者: 代表取締役 五石 順一
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設立: 2004年2月
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事業内容: 業種特化の専門文書AIの企画・開発・運営

