SuperX、2025年度決算発表でAIファクトリー構想を加速 2億ドル超の投資でグローバル展開へ

AI

SuperX、AIインフラソリューションへの大規模な戦略的転換を発表

米ナスダック上場企業であるSuperX AI Technology Limited(以下「SuperX」)は、2025年6月30日を期末とする2025年度の通期財務業績を発表しました。この年は、同社が従来のインテリアデザイン事業から、AI(人工知能)の基盤となるインフラソリューションを提供する企業へと大きく生まれ変わった変革の年となりました。

SUPERX

2025年度の財務概要:AI事業への移行期

2025年度の収益は360万米ドルで、これは主に従来のインテリアデザイン事業によるものです。しかし、2025年6月の企業名変更(リブランディング)後は、AIサーバーや関連IT機器の販売で約100万米ドルの収益増加がありました。

純損失は2120万米ドルとなりましたが、これはSuperXがAI製品やサービスを開始し、AIインフラソリューションの研究開発に積極的に投資したことによる費用増加が主な要因です。年度末時点では、1720万米ドルの現金および現金同等物を保有し、総資産は5210万米ドルに達しており、AI分野への新たな投資に向けたしっかりとした財務基盤を築いています。

詳細な財務諸表や事業セグメント、関連するリスクについては、最新のForm 20-F年次報告書で確認できます。

2025年度終了後のAI事業における重要な進展

SuperXは、2025年度終了後、グローバルなフルスタックAIインフラソリューションプロバイダーとしての新戦略を迅速に実行し、2025年7月から10月の間に以下のような大きな進展を遂げました。

戦略的投資と合弁事業

  • AIデータセンター電源: 中恒電氣(Zhongheng Electric)と合弁会社「SuperX Digital Power」を設立し、AIデータセンター向けの高圧直流(HVDC)電源インフラを共同で開発・推進しています。この合弁会社は、新しいデータセンター向けの「SuperX Panam-800VDC」と、既存データセンター向けの「SuperX Aurora-800VDC」という2つの主要製品を発表しました。

  • AI液冷技術: 澄天偉業(Cheng Tian Wei Ye)と合弁会社「SuperX Cooltech」を設立し、AIシステムを効率的に冷却するための先進的な液冷ソリューションを提供します。これには、冷却分配ユニット(CDU)や高性能マイクロチャネル・コールドプレート(MCLP)などが含まれます。

  • NVIDIAエコシステムへのアクセス: シンガポールを拠点とするNVIDIAパートナーネットワーク(NPN)のソリューションプロバイダーであるMicroInferenceの過半数株式を取得し、NVIDIAの先進AI技術へのアクセスとサプライチェーンを強化しました。

  • グローバル・サービスデリバリー能力: 華勝天成(Teamsun)と合弁会社「SuperX Global Service」を設立し、AIインフラの導入、保守、管理など、グローバルなエンドツーエンドの専門サービスを提供します。

グローバリゼーションの展開

  • 日本供給センター: アジア太平洋地域の市場にソリューションとシステム統合を迅速に提供するため、日本に新たなAI供給センターを設立する計画を発表しました。このセンターは2025年末までに稼働を開始する予定です。

  • 米国事業: シリコンバレーに完全子会社「SuperX AI Technology USA」を設立しました。これは、研究開発、ソリューション設計、および米国市場開拓の拠点となります。この子会社も2025年末までに稼働を開始する予定です。

フルスタック製品とソリューションの発表

  • 新世代AIサーバー: 「XN9160-B200」および「XN9160-B300」を含む、新しいAIサーバーシリーズを発表しました。これには、複数のAIモデルを統合できるマルチモデル・サーバー(MMS)も含まれます。

  • キャビネットレベルAIプラットフォーム: NVIDIA GB300チップを搭載した新型キャビネットレベルAIプラットフォームを発表し、高い性能と拡張性を提供します。

  • モジュラー型AIファクトリー・ソリューション: コンピューティング、冷却、電源機能を一体化したデータセンター規模のソリューションを発表しました。これにより、導入サイクルを6ヶ月以内に短縮することを目指しています。

2026年度の展望:AIファクトリー構想を加速

SuperXは、2026年度に向けてAIインフラ能力をアジア太平洋地域および全世界で拡大するという壮大な計画を掲げています。この戦略を支えるため、同社は2025年3月以降に7000万米ドルを超える投資を長期投資家から獲得し、さらに2025年10月には機関投資家と1億7000万米ドルを超える追加投資契約を結びました。これにより、財務基盤と成長の可能性をさらに強固なものにしています。

SuperXは、アジア太平洋地域で「未来のAIファクトリー」を構築するというビジョンに共感する戦略的パートナーの参加を今後も歓迎するとしています。

2026年度の主な優先事項は以下の通りです。

  • 最近の買収や合弁事業を通じて得た研究開発能力と産業チェーンの能力を統合すること。

  • 主要な市場でAIファクトリーの展開を進めること。

  • 主要な技術プロバイダーや金融機関とのパートナーシップを強化すること。

  • AIインフラへの需要増加に対応するため、グローバルなサービスと提供範囲を拡大すること。

SuperX AI Technology Limitedについて

SuperX AI Technology Limited(ナスダック:SUPX)は、AIデータセンター向けに独自のハードウェア、先進的なソフトウェア、そしてエンドツーエンドのサービスを含む包括的なAIインフラソリューションを提供しています。シンガポールに本社を置き、世界中の大企業、研究機関、クラウドおよびエッジコンピューティングを展開する機関投資家向けにサービスを提供しています。

詳細については、以下の公式サイトをご覧ください。

ソーシャルメディアでもSuperXの最新情報を確認できます。

タイトルとURLをコピーしました