株式会社DefinerがAIで会社のコミュニケーションを「見える化」!「SANUS AI」で組織の成長と安心をサポート

AIツール・サービス紹介

はじめに:見えないコミュニケーションの課題

株式会社Definerは、上場企業や上場を目指す企業向けに、従業員のクラウドツールの活動履歴をまとめて確認できる「SANUS(上場監査クラウド)」を提供してきました。

近年、リモートワークが広がり、SlackやZoom、Salesforceといったクラウドツールを使うのが当たり前になりました。しかし、その一方で、社内のコミュニケーションが「ブラックボックス化」し、何が起きているのか見えにくくなっているという課題が生まれています。

昔はオフィスで対面で仕事をしたり、会社のサーバーにデータがあったりしたため、業務の状況が比較的わかりやすかったものです。しかし、今はさまざまなクラウドツールに情報が分散され、経営者や監査を行う人たちから見ると、会社の状況が把握しにくくなっています。

このような状況では、不正のリスクや、組織の生産性が下がっている本当の原因を見つけることが難しくなります。また、最近では、従業員のスキルや会社の文化といった「人的資本(非財務情報)」を数値で示し、投資家に説明することが上場企業に求められるようになっています(参考:ISO30414(人的資本に関する情報開示のガイドライン))。さらに、2024年にはJ-SOX法が改正され、より実質的なガバナンス(企業統治)が求められる時代へと変化しています(参考:J-SOXの改訂ポイントは?2024年4月施行の変更内容を解説)。

これらの課題を解決するため、株式会社Definerは「SANUS AI – AIマネージャー – コミュニケーション監査と改善提案機能」を開発しました。

新機能「SANUS AI – AIマネージャー」とは?

株式会社Definerは、2024年12月に取得した特許技術(特許第7603357号)を使い、新しい機能「SANUS AI」の提供を開始しました。

SANUS AIは、最新の生成AI技術を活用し、GmailやSlack、Outlook、Teamsなどのメールやチャットのメッセージ内容をAIが自動で分析し、評価します。これにより、単にログがあるかどうかだけでなく、メッセージの「文脈」まで踏み込んで監査(Context Audit)できるようになりました。

SANUSロゴと「上場監査クラウド」のテキスト

この機能により、これまで目に見えなかった「組織のコミュニケーション能力」や「不正会計・ハラスメントのリスク」を数値として「見える化」できます。さらに、AIが分析した結果に基づいて、「なぜその評価になったのか」や「具体的な改善策」を示したレポートが自動で作成されます。

これにより、会社はコミュニケーション能力の向上(攻め)と、不正会計やハラスメントリスクの早期発見による企業統治の強化(守り)を同時に実現し、企業価値を高めることができるようになります。

SANUS AIの主な特徴

SANUS AIは、特許技術と生成AIを組み合わせることで、以下の6つの特徴を持っています。

1. コミュニケーション能力を数値で評価

SANUS AIは、社内のメールやチャットのメッセージをAIが自動で分析し、以下の9つの項目を数値化します。これにより、これまで感覚的だった「コミュニケーションの生産性」を具体的な数字で把握できるようになります。

コミュニケーション品質に関する内容

項目 内容
1 コミュニケーションの品質
2 コミュニケーションの効率性
3 論理性
4 明瞭さ
5 プロ意識
6 簡潔さ

ハラスメント・不正会計に関する内容

項目 内容
7 ハラスメントリスク
8 不正会計のリスク
9 テキストの長さ

管理職は、どの部署やチームでコミュニケーションに問題があるかをすぐに把握でき、コミュニケーション能力が高い社員の働き方を参考にすることで、社員全体のスキルアップにつなげられます。

2. ハラスメントや不正会計のリスクをAIが検知

SANUS AIは、単に禁止されている言葉があるかを見るだけでなく、メールやチャットの「文脈」からリスクを判断します。例えば、以下のような内容があった場合、不正会計やハラスメントのリスクが高いと判断し、人事やコンプライアンス部門に知らせます。

検知する内容の一例 状況 具体例
非公式なやりとり 公式なシステムやチャットツールではなく、個人のメールアドレスや他のメッセージングアプリを使おうと提案する。 ・「この件はメールではなく、直接話したい」 ・「この話は社内システムではなく、個人のメールでやりとりしましょう」
不自然な期日や数字の言及 決算期末など特定の時期に、急に数字の変更を求める。 「決算日まで時間がありません。売上をあと○○円増やせるよう、至急対応してください」
責任転嫁や指示の回避 明確な指示を避けつつ、結果として不正な処理を強要するような文言。 「やり方は任せるが、目標達成は必須だ」
監査を意識した文言 監査法人や内部監査に指摘されないような方法を示唆する。 「監査で問題にならないよう、うまく処理してほしい」

検知精度の検証結果

ハラスメントリスクおよび不正会計リスクに関するテストでは、リスクのあるメッセージと通常のメッセージを合わせた288件のデータで、全体の約97%を正確に判別できました。特に、AIが「リスクあり」と判断した案件の適合率は99%と非常に高く、AIによる誤検知が少ないことが示されています。これにより、監査担当者はAIが検知した通知だけを確認すればよいため、業務の効率と信頼性が大幅に向上します。

3. 信頼性の高いレポートを自動作成

SANUS AIの機能によって、組織のコミュニケーション効率やルールを守る状況を数値で示すレポートが自動で作成されます。このレポートは、上場審査や投資家への説明資料(IR)に活用でき、情報の信頼性を高めることができます。

SANUSの活動ダッシュボード

レポートには、各評価指標が「なぜその評価になっているのか」という理由と、「どのような改善案があるか、どのような対応をすべきか」という具体的な是正措置が自動で出力されます。これにより、質が高く、上場企業にふさわしいコミュニケーションを効果的に実現できるようになります。

4. プライバシー保護を徹底

SANUS AIは、従業員が使っているコミュニケーションツールのデータを、AI分析の過程でのみ一時的に取得します。SANUSのデータベースにはメールやチャットの内容は保存されず、AI分析が終わったデータはすぐに破棄されます。また、分析のために取得したデータがAIの学習に使われることもありません。

すべてのデータを人間が確認するのではなく、AIがリスクの高い部分を抽出し、その評価理由や改善策をレポートとして管理者に提示します。これにより、従業員のプライバシーをしっかりと守りながら、高いセキュリティレベルでの企業統治を実現します。

5. 特許技術と国際的なセキュリティ基準

SANUSは、独自の技術とデザインで知的財産権(特許・意匠・商標)を取得しており、さらに国際的なセキュリティ基準に沿って運用されています。

SANUSの作業履歴画面

  • 特許取得技術による死角の排除: 他社にはない「誰が、いつ、どのツールで」という詳細な行動履歴を可視化する独自技術で特許を取得しています(特許第7603357号)。これにより、セキュリティの盲点をなくします。

  • 意匠登録済みのUIデザイン: 監査ログの表示画面は、単なるデータの羅列ではなく、業務の流れが直感的にわかるようなデザインとして意匠登録されています。

  • 国際規格「ISMS」認証の取得: 情報セキュリティ管理の国際規格である「ISO/IEC 27001:2022」の認証を2025年10月24日に取得しており、厳格なセキュリティ管理のもとでサービスが提供されます。

6. 企業や職種に合わせたレポート提案の実施

SANUS AIの「AIマネージャー – コミュニケーション監査と改善提案」は、一般的なコミュニケーション品質やリスクだけでなく、以下の3つの視点から、より高度なAI分析と提案を行います。

  1. 企業ビジョン・ミッションとの整合性チェック: 従業員の発言が、会社の掲げる理念(ビジョン・ミッション)に合っているかをAIが分析し、会社のブランドを体現するコミュニケーションを促します。
  2. 職種別(ロール)の最適化提案: 営業、エンジニア、カスタマーサポートなど、職種ごとに求められる最適な言葉遣いやマナーをAIが理解し、役割に応じたアドバイスを行います。
  3. 即座に使える「書き換え案(リライト案)」の自動生成: メッセージの改善点を指摘するだけでなく、「どう書き直せばもっと良くなるか」という具体的な修正案を自動で生成します。これにより、より効率的で生産性の高いコミュニケーションが可能になります。

例えば、ITの営業職の方に向けて、会社のビジョンやミッション、仕事内容に合ったコミュニケーションを提案し、改善点と合わせて、メールやチャットの書き換え案も自動で作成します。

補足情報:検知できるハラスメントの種類(抜粋)

ハラスメントの種類 説明
パワーハラスメント 職場の優位的な地位や力関係を利用し、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的な苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為。
セクシュアルハラスメント 相手の意に反する性的な言動により、就業環境を害したり、労働条件に不利益を与えたりする行為。同性に対するものも含む。
マタニティハラスメント 妊娠・出産、育児に関する制度や措置の利用に関して不利益な取り扱いをしたり、女性労働者の妊娠・出産等に関する言動により就業環境を害する行為。
パタニティハラスメント 男性労働者が育児休業などの制度を利用しようとしたことに対し、上司や同僚が嫌がらせや不利益な取り扱いをする行為。
モラルハラスメント 精神的な暴力や嫌がらせによって、相手の心を傷つける行為。無視、嫌味、人格否定など、職場に限らず行われることがある。
アルコールハラスメント 飲酒にまつわる迷惑行為。飲酒の強要、イッキ飲み/早飲みの強要、酔いつぶすことや、酔った上での迷惑行為など。
テクノロジーハラスメント 職場でIT技術やデジタル機器の知識の有無を理由に差別したり、嫌がらせをしたりする行為。例:PC操作を過度に貶す、連絡手段を強制するなど。
リモートハラスメント テレワークやリモートワークの環境下で行われるハラスメント。例:プライベート空間への過度な要求(Webカメラの常時接続など)、業務時間外の連絡など。
スメルハラスメント においによって、周囲の人に不快感を与える行為。例:体臭、口臭、香水や柔軟剤の強いにおい、たばこのにおいなど。
ソーシャルハラスメント SNS上でのつきまといや、プライベートな情報を詮索する行為。例:SNSでの友達申請の強要、投稿への過度なコメントなど。
ジェンダーハラスメント 性別や性的指向・性自認に基づく固定観念や偏見によって、不快な思いをさせたり、不利益な取り扱いをしたりする行為。

補足情報:検知できる不正会計リスクの種類(抜粋)

不正会計の種類 説明
バーター取引 金銭の授受を伴わず、商品やサービスを相互に交換する取引。不正な売上水増しなどに利用されることがある。
スルー取引 仲介業者が商品を仕入れてすぐに販売先に流すだけで、実質的な関与やリスク負担がないにもかかわらず、売上を計上する取引。
循環取引 複数の企業間で商品の売買を繰り返し、最終的に自社に戻ってくることで、見かけ上の売上高を水増しする取引。
横領 業務上占有している他人の財物(金銭や資産など)を、不法に自分のものにすること。
粉飾決算 企業の財政状態や経営成績を実際よりも良く見せるために、意図的に虚偽の内容を記載した財務諸表を作成する不正会計行為。
関連当事者取引 会社と特別な利害関係にある者(役員、主要株主など)との間で行われる取引。不当な利益供与のリスクがあり、開示が求められる。
売上や費用の水増し 実際には存在しない売上や経費を過大に計上し、利益を操作する行為。
架空取引 実際には商品の受け渡しやサービスの提供がないにもかかわらず、帳簿上で取引があったかのように見せかけること。
キックバック 取引の成立や便宜の見返りとして、その一部を密かに相手に払い戻したり、受け取ったりする行為。
不公正取引 株価を意図的に操作するなど、市場の公正を害する取引全般(相場操縦、風説の流布など)。
インサイダー取引 会社の未公開の重要情報を利用して、その会社の株などを売買する行為。
費用の先送り 利益を多く見せるために、特定の期間の費用を意図的に次期以降に先延ばしする。

今後の展望

株式会社Definerは、「SANUS AI – AIマネージャー – コミュニケーション監査と改善提案機能」を通じて、導入した企業が「透明性が高く、生産性があり、社員が健康で長く活躍できる組織」になるよう、サポートをさらに強化していくとのことです。

ITの力で企業の「透明性」と「組織力」を「見える化」し、改善を提案することで、健全で持続可能な企業社会の実現に貢献していくことを目指しています。

株式会社Definerの公式サイトはこちら:https://definer.jp/

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