株式会社Definer、特許技術とAIで「職場のコミュニケーション」を見える化する新サービス「SANUS AI」を提供開始

ビジネス活用

株式会社Definerは、特許技術と最新の生成AIを組み合わせた新しいサービス「SANUS AI – AIマネージャー – コミュニケーション監査と改善提案機能」の提供を始めました。このサービスは、従業員のクラウドツール利用履歴をもとに、AIが職場のコミュニケーションを分析し、より良い会社作りをサポートします。

SANUS(上場監査クラウド) - Full Cloud Audit & Transparency SANUS

コミュニケーションの「見えない部分」をAIで可視化

Definerが提供する「SANUS(サヌス)」は、Google Workspace、Slack、Zoom、Salesforceといった普段使っているクラウドツールの利用ログを自動で集めて見やすくするサービスです。これにより、従業員がどんな業務をしているかを客観的に把握できます。

今回追加された新機能「SANUS AI」は、この技術にAIの高度な分析能力をプラスしました。メールやチャット(Gmail、Slack、Outlook、Teamsなど)のメッセージ内容をAIが自動で解析し、点数化します。これにより、単に「ログがあるか」だけでなく、「メッセージの内容(文脈)」まで深く監査できるようになりました。

「AIマネージャー – コミュニケーション監査と改善提案」は、これまで見えにくかった「組織のコミュニケーション能力」や「不正会計・ハラスメントのリスク」を具体的な数字で示し、会社の信頼性を高めます。さらに、AIが評価の理由や具体的な改善策をまとめたレポートを自動で作ってくれるため、会社が抱える課題に素早く対応できるようになります。

サービス概要:AIがコミュニケーションを数値化し、改善を提案

「SANUS AI – AIマネージャー – コミュニケーション監査と改善提案機能」は、Definerの特許技術を使い、メールやチャットのメッセージがどれだけ「論理的か」や「わかりやすいか」といったコミュニケーション能力をAIが分析し、10段階で評価するサービスです。

AIマネージャーとして、コミュニケーションの監査や改善提案を行うだけでなく、不正会計やハラスメントのリスクも数値化します。これにより、コミュニケーションの「論理性」や「効率性」を数字で見て、人的資本経営(社員の能力を最大限に活かす経営)を進める「攻め」の面と、不正会計やハラスメントのリスクを早く見つけて防ぐ「守り」の面を同時に強化し、上場企業や上場準備中の企業の価値向上を支援します。

開発の背景:リモートワーク時代の「見えない課題」を解決

Definerは、2020年10月の創業時から完全リモートワークを実施しています。その中で、リモートワークやクラウドツールの普及が進む一方で、社内のコミュニケーションが「ブラックボックス化(中身が見えなくなること)」している現状を強く感じていました。

以前は、仕事はオフィスや会社のサーバーの中にあり、物理的に見えやすい状態でした。しかし今では、Slack、Zoom、GitHub、Salesforceなど、さまざまなクラウドツールに情報が分散し、会社を監査する人や経営陣からは、実際の業務状況が見えにくくなっています。

従来の、実際に顔を合わせて監視したり、一部を抜き取って調べるような監査方法では、膨大なデータの中に隠れた不正のリスクや、組織の生産性が下がる本当の原因を見つけるのが難しくなっています。

また最近では、上場企業にはISO 30414などの国際的な基準に基づき、従業員のスキルや会社の文化といった「人的資本経営」や「非財務情報(お金以外の情報)」を、客観的な数字で投資家に説明する責任が求められています。

さらに、2024年にはJ-SOX法が改正され、より実質的なガバナンス(企業を適切に管理・運営する仕組み)が求められる時代へと変わっています。

これらの課題に対し、AIによる「すべてのデータを自動で監査する」ことと「コミュニケーション能力を点数化する」ことを両立させることで、会社を成長させる「攻め」の面と、ルールを守る「守り」の面から企業価値を高めるために、「SANUS AI – AIマネージャー – コミュニケーション監査と改善提案機能」は開発されました。

このサービスでは、評価の理由や具体的な改善案が自動でレポートとして出力されます。また、API連携(システム同士をつなぐ技術)により、すべてのデータを自動で直接取得するため、従業員がデータを改ざんする心配がなく、監査の信頼性も保たれます。

「SANUS AI」の6つの特徴

1. コミュニケーション能力の多角的数値化(AIスコアリング)

「SANUS AI」は、社内のメールやチャット(Gmail、Slack、Outlook、Teamsなど)のメッセージをAIが自動で解析し、以下の9つの項目を数値化します。

  • コミュニケーション品質に関する内容

    • コミュニケーションの品質

    • コミュニケーションの効率性

    • 論理性

    • 明瞭さ

    • プロ意識

    • 簡潔さ

  • ハラスメント・不正会計に関する内容

    • ハラスメントリスク

    • 不正会計のリスク

    • テキストの長さ

ハラスメントや不正会計については、様々な種類のリスクを検知できます。これにより、これまで感覚的だった「コミュニケーションの生産性」を数字で見える化できます。管理職は、どの部署やチームでコミュニケーションがうまくいっていないかをダッシュボードで素早く把握できます。また、コミュニケーション能力の高い社員のやり方を参考にすることで、社員全体のコミュニケーション能力向上にもつながります。

2. 文脈解析による「不正会計・ハラスメント」のリスク検知

「SANUS AI」は、単に禁止ワードを検出するだけでなく、GmailやSlackなどのメールやチャットの「文脈」からリスクを判断します。

たとえば、以下のような内容の場合、不正会計リスクやハラスメントリスクのスコアが高くなり、人事やコンプライアンス部門へ自動で通知されます。

検知する内容の一例 状況 具体例
非公式なやりとり 公式なシステムやチャットツールではなく、個人のメールアドレスや他のメッセージングアプリを使用しようと提案する。 ・「この件はメールではなく、直接話したい」 ・「この話は社内システムではなく、個人のメールでやりとりしましょう」
不自然な期日や数字の言及 決算期末など特定の時期に、急に数字の変更を求める。 「決算日まで時間がありません。売上をあと○○円増やせるよう、至急対応してください」
責任転嫁や指示の回避 明確な指示を避けつつ、結果として不正な処理を強要するような文言。 「やり方は任せるが、目標達成は必須だ」
監査を意識した文言 監査法人や内部監査に指摘されないような方法を示唆する。 「監査で問題にならないよう、うまく処理してほしい」

このリスク検知能力は検証されており、リスク性の高いメッセージと通常のメッセージを混ぜた288件のデータでテストした結果、全体の約97%を正しく判別しました。特に、AIが「リスクあり」と判断した案件の適合率は99%と非常に高く、誤検知が少ないことが示されています。これにより、担当者はAIが検知した通知だけを確認すればよく、効率的で信頼性の高い運用が可能です。

3. 非財務情報の信頼性担保とレポート作成

SANUS AIの機能は、組織のコミュニケーション効率やルール遵守の状況を数字で示すことで、会社が上場審査を受ける際や、投資家向けの資料(IR)における情報の信頼性を高めます。人的資本情報として公開できるレポートを自動で作成することも可能です。

特定の条件を満たした従業員のコミュニケーションについて、「なぜその評価になったのか」と「どのような改善案があるか、どうすれば良いか」という2つのレポートが自動で出力されます。これにより、品質が高く、上場企業にふさわしいコミュニケーションを効率的に実現できます。

4. プライバシー(個人情報)の保護

「SANUS AI」は、従業員が使っているコミュニケーションツール(Gmail、Slack、Outlook、Teamsなど)のデータを、AI分析のときだけ自動で一時的に取得します。SANUSのデータベースには、メールやチャットの中身を保存せず、AI分析が終わったらすぐにデータを破棄します。また、AI分析の過程で取得したデータは、AIの学習には使われません。

すべてのデータを人間がチェックするのではなく、AIがリスクスコアの高いものだけを抽出し、その評価の理由や改善策をレポートにまとめて管理者に提示します。これにより、従業員のプライバシーをしっかりと守りながら、高いレベルのセキュリティとガバナンスを実現します。

5. 特許取得技術および国際セキュリティ規格(ISMS)への準拠

「SANUS」は、独自の技術やデザインで特許や意匠登録を取得しており、さらに国際的なセキュリティ基準に沿って運用されています。

Definerシステムにおけるユーザーの作業履歴画面

  • 特許取得技術による死角の排除: 他社にはない「ユーザー情報に紐づいたウェブツールの操作履歴取得」という独自の技術で特許を取得しています(特許第7603357号)。これにより、「誰が、いつ、どのツールで」という詳細な行動履歴が見える化され、セキュリティの死角がなくなります。

  • 意匠登録済みのUIデザイン: 監査ログの表示画面は、単なるデータの羅列ではなく、「業務の流れが見える化できる」デザインとして認められ、意匠登録されています。膨大なログから直感的に状況を把握できる使いやすさを提供します。

  • 国際規格「ISMS」認証の取得: 情報セキュリティ管理体制をより強固にするため、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格である「ISO/IEC 27001:2022」の認証を2025年10月24日に取得しました。国際基準に沿った厳格なセキュリティ管理のもと、サービスが提供されます。

6. 従業員の職種、企業のビジョン、ミッションに配慮したレポート提案の実施

SANUS AIの「AIマネージャー – コミュニケーション監査と改善提案」は、一般的なコミュニケーション品質、ハラスメントリスク、不正会計リスクだけでなく、以下の3つの視点から高度なAI分析と提案を行います。

  1. 企業ビジョン・ミッションとの整合性チェック: 従業員の発信が、会社の掲げる理念(ビジョン・ミッション)に合っているかをAIが分析します。これにより、単なる業務連絡にとどまらず、会社のブランドを体現するようなコミュニケーションを促します。
  2. 職種別(ロール)の最適化提案: 営業、エンジニア、カスタマーサポートなど、職種ごとに求められる最適な話し方やマナーをAIが理解し、それぞれの役割に合わせたアドバイスをします。
  3. 即座に使える「リライト案」の自動生成: メールやチャットの文章の改善点を指摘するだけでなく、「どう書き直せばもっと良くなるか」という具体的な修正案(リライト案)を自動で作成します。これにより、より効率的で生産性の高いコミュニケーションが取れるようになります。

例えば、ITの営業職の方に向けて、会社のビジョンやミッション、仕事内容に合ったコミュニケーションを提案し、改善策と一緒に、メールやチャットのリライト案も自動で生成します。

今後の展望

Definerはこれまで、上場企業や上場準備中の企業向けに、監査業務を効率化する「SANUS(上場監査クラウド)」を提供してきました。

今回、新たに提供を始めた「SANUS AI – AIマネージャー – コミュニケーション監査と改善提案機能」は、従来の監査ログに加えて、日々のコミュニケーションデータという「定性情報(数値では表せない情報)」をAIが解析し、非財務情報の信頼性を高める構造化データとして出力することを目指しています。

このサービスを通じて、導入した企業が「高い透明性と生産性を持ち、社員が健康で、長く活躍できる組織」を実現できるよう、支援を強化していくとのことです。

Definerは、ITの力で企業の「透明性」と「組織力」を見える化し、改善を提案することで、会社のルールを守る仕組みを高度にし、非財務情報の信頼性を高めることで、公正で持続可能な企業社会の構築に貢献していきます。

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