AIの進化は目覚ましく、私たちの生活や仕事に大きな変化をもたらしています。しかし、その最新技術を使いこなすには、専門知識が必要で難しいと感じる人も少なくありません。
そんな中、株式会社ROUTE06は、誰でも直感的にAIアプリを作れるオープンソースプラットフォーム「Giselle(ジゼル)」を全世界に向けて正式リリースしました。プログラミングの知識がなくても、まるでブロックを組み立てるようにAIアプリを構築できるのが特徴です。

Giselle(ジゼル)とは?
Giselleは、ドラッグ&ドロップの簡単な操作だけでAIアプリを作り、すぐに使えるビジュアルAIアプリビルダーです。複雑なAIの仕組みを意識することなく、自分の仕事に合ったAIアプリを開発できます。エンジニアはもちろん、デザイナー、営業、バックオフィスなど、あらゆる職種の人がAIを活用できるよう設計されています。
さらに、Giselleは「Apache License 2.0」のもとでオープンソースとして公開されており、世界中の個人や企業が自由に利用したり、自分たちのニーズに合わせて変更したり、再配布したりすることが可能です。
AI活用のハードルを下げるGiselleの設計思想
AIは日々進化しており、最新のAIモデルを常に把握し、使いこなすのは大変なことです。チャット形式でAIに質問する体験は身近になりましたが、複数のAIモデルを組み合わせて複雑なAIアプリを作るには、まだ高いハードルがありました。
Giselleは、「エンジニアでなくても直感的に使えるAIツールがほしい」という声から開発が始まりました。エンジニアが手作業で行っていたAIの連携作業を、誰でも扱える形に再構築することで、数時間にわたるような長いAIの処理でも、途中で止まることなく安全に実行できるように工夫されています。
Giselleは、AIを誰もが使いこなし、自分だけのAIアプリを作り、改善できる「AIの民主化」を目指しています。
Giselleの主な機能
Giselleには、AIアプリ開発を簡単にするための様々な機能が搭載されています。

-
ビジュアルノードエディター
フローチャートを作るように、画面上で部品(ノード)をドラッグ&ドロップで配置し、線でつなぐだけでAIの処理の流れを設計できます。プログラミングの経験がなくても、複雑なAIの動きを視覚的に作ることが可能です。 -
長時間タスクも快適に実行
作ったAIアプリは、開発する場所とは別の「実行専用の場所」ですぐに利用できます。長い時間がかかるAIの処理でも、今どこまで進んでいるかをリアルタイムで確認でき、たくさんの結果や長い文章も分かりやすく表示されます。これにより、日々のAIアプリ利用がスムーズになります。 -
マルチモデルAIコラボレーション
OpenAI(GPT-5.2)、Anthropic(Claude Opus 4.5)、Google(Gemini 3 Flash)といった、世界最先端の様々なAIモデルを、一つのAIアプリの中で自由に組み合わせて使えます。それぞれのAIモデルが得意なことを活かして役割を分担させることで、複雑な作業でも安定した質の高い結果を得ることが期待できます。 -
GitHub連携による自動化
GitHubでのIssue(課題)、Pull Request(コード変更提案)、コメントなどの操作をきっかけに、AIアプリを自動で動かせます。単なる自動化にとどまらず、コードの変更の意図をAIが理解し、レビューや関連する課題の紐付け、資料作成、課題の分類など、開発の様々な作業をサポートします。 -
カスタムナレッジの活用
自社のPDF資料、ドキュメント、GitHubリポジトリにあるコードや課題など、自分たちが持っているデータをAIアプリに「知識」として組み込めます。これにより、一般的なAIでは答えられないような、組織独自の情報に基づいた回答をAIが出せるようになります。例えば、GitHubリポジトリのコードを知識として活用すれば、ソースコードから仕様書などのドキュメントを自動で作る「リバースエンジニアリング」にも使えます。RAG(検索拡張生成)やVector Store(ベクトルストア)といった高度な技術も、専門知識なしで誰でも活用できるのがポイントです。
Giselleの活用例
Giselleは、様々な業務で活用が期待されています。
-
ソフトウェア開発: AIによるコードレビュー、企画書や要件定義書の自動生成、技術ドキュメントの自動更新など。
-
リサーチ・分析: 市場調査、競合分析、複数の情報源を統合した分析レポート作成など。
-
コンテンツ制作: ブログ記事やチュートリアル作成、SNS投稿の複数プラットフォームへの同時生成など。
-
ナレッジベースQ&A: 社内資料やGitHubリポジトリを活用した質問応答システムなど。
-
プロダクトマネジメント: ユーザーの要望をまとめたストーリーの生成、仕様書の作成、機能の優先順位付けなど。
-
カスタマーサポート: よくある質問への対応、問い合わせ内容の分類、回答案の作成など。
-
コンサルティング: 提案資料の作成、業界分析レポートの生成など。
Giselleの料金プラン
オープンソース版は、ご自身でサーバーに導入すれば無料で利用できます。
-
Free: 無料で月30分のAI利用、基本的なAIモデルが使えます。
-
Pro: 月額20ドルで、20ドル分のAIクレジットが付与され、すべてのプレミアムAIモデルやVector Storeが利用できます。
-
Team、Enterprise: チームでの利用や企業向けの高度な機能、セキュリティ、サポートについては個別にお問い合わせが必要です。
今後の展開
Giselleは今後も機能改善を進め、さらに使いやすく進化していく予定です。具体的には、作成したAIアプリのAPI提供、安全な実行環境の強化、SlackやGoogle Workspaceなどの外部サービスとの連携拡大、対応言語や地域の拡大、企業向けセキュリティ機能の強化、より高度なマルチエージェント連携機能などが計画されています。世界中のユーザーからの意見を取り入れながら、継続的に開発を進めていくとのことです。
株式会社ROUTE06について
株式会社ROUTE06は、2020年1月に設立されたスタートアップ企業です。人とAIが協力してプロダクト開発を進めることを目指しており、自然言語での対話と直感的なノードUIを組み合わせたAI駆動開発プラットフォームを提供しています。要件設計の「Acsim」、AIエージェント構築の「Giselle」、データベース設計の「Liam」といったサービスを通じて、開発の設計、実装、運用の全てのプロセスを革新し、大手企業からスタートアップまで、あらゆるプロダクト開発者が自由にアイデアを形にできる未来を目指しています。
-
サービスサイト: https://giselles.ai
-
コーポレートサイト: https://route06.com/jp

