アドビ、生成AIを活用した大規模コンテンツ制作の新機能「GenStudio」と「Firefly Foundry」を発表

生成AI(Generative AI)

アドビは、企業のコンテンツ制作の課題に対応するため、最先端のAIを活用した統合ソリューション「GenStudio」に、さまざまな新機能を導入しました。これは、クリエイティブチームやマーケティングチームが直面する、「コンテンツの需要に組織のリソースが追いつかない」という問題を解決するためのものです。今回の発表では、生成AIやAIエージェントを企業のコンテンツ制作のワークフローに直接組み込む新機能に加え、Amazon Ads、Google Marketing Platform、Innovid、LinkedIn、TikTokといった主要な広告パートナーとの連携強化により、顧客体験の効率的な提供を可能にします。

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GenStudioの新機能でコンテンツ制作を効率化

GenStudioに追加された新機能は以下の通りです。これらは、ブランドに合ったコンテンツをより効率的に、そして大量に作ることを目指しています。

  • Firefly Design Intelligence:企業がブランドやデザインのルールを守りながら、多くのコンテンツを世界中で展開するためのAIツールです。コカ・コーラ社との協力から生まれたアイデアを元に、決まったルールにとらわれず、柔軟にデザインを調整できるシステムを作れます。「StyleID」というデザインシステムをAIに学習させることで、チームは新しいレイアウトや文章の作成、素材の選択、部品の配置などを、ブランドのガイドラインに沿って行い、洗練されたデザインを生み出せます。

  • Firefly Creative Production for EnterpriseFirefly Webアプリの「クリエイティブ制作」機能をさらに強化し、数千もの素材のサイズ変更や構図調整を素早く行えます。この企業向け機能には、再利用できる制作の流れを作る「ワークフロービルダー」や、Adobe Experience Manager Assets、Frame.ioとの連携による素材の読み込み・書き出しの効率化、さらに「オブジェクト合成」や「ブランドチェック」を含む20以上の生成AIを使ったクリエイティブなアクションが含まれています。

  • Content Production Agent(ベータ版)GenStudio for Performance Marketingで使えるAIエージェントです。ブランドに合ったコンテンツを、大規模に広告やメールで展開するための生成AI機能を備えています。このAIエージェントは、マーケティングの指示を元に、キャンペーンの目標やブランドのガイドラインに沿って、さまざまなチャネルに最適化されたコンテンツを自動で作ります。

  • Adobe Firefly Services:Firefly ServicesのAPIを使うことで、企業は大規模な制作ワークフローを自動化し、高速化できます。今回、動画の構図調整やオブジェクト合成が新機能として追加されました。また、新しいContent Authenticity API(ベータ版)により、ブランドの信頼性を守るデジタル認証情報を大量に埋め込むことが可能になりました。

  • Fireflyカスタムモデル:企業が選んだ画像を使ってFireflyを学習させ、マーケティングキャンペーンごとにカスタマイズされた、ブランドに合ったコンテンツを作れる機能です。Fireflyボードと連携して使うことで、アイデア出しの段階からブランドに合った一貫性のあるビジュアルを制作できます。さらに、セルフサービス機能が強化され、カスタムモデルをチーム全体で簡単に展開・共有できるようになりました。

Adobe Firefly Foundry:企業専用の生成AIモデルを提供

Adobe Firefly Foundry」は、企業がアドビと直接協力して、自社のブランドに最適化された独自の生成AIモデルを構築できる新しいソリューションです。これらの専用モデルは、企業が持つ知的財産(ロゴやデザインなど)のカタログ全体を元に学習されます。安全に商用利用できるAdobe Fireflyモデルを基盤として作られており、ブランド固有の特徴に合わせて調整されます。これにより、企業はAIの価値を最大限に引き出し、ブランドらしさを保ちながらコンテンツ制作を効率化し、新しい顧客体験を生み出すことができます。

Firefly Foundryモデルは、画像、動画、音声、ベクター、3Dなど、あらゆる主要な素材形式で利用可能です。ブランドキャンペーンやパフォーマンスマーケティング、メディア制作など、さまざまな用途におけるコンテンツ提供を加速させます。

主要広告パートナーを通じたキャンペーンの実施と最適化

GenStudio for Performance Marketingは、主要な広告プラットフォームを横断して、顧客体験の作成から配信、運用、最適化までの一連の作業を自動化します。今回のパートナーシップ強化により、以下の連携が可能になりました。

  • Amazon Ads:Amazon Adsのディスプレイ広告の配信と運用を直接行えます。(一般提供を開始)

  • Innovid:ディスプレイ広告キャンペーンの配信、運用、測定を行えるほか、クリエイティブの最適化とエンゲージメント向上のためにパフォーマンス分析を利用できます。(ベータ版を提供開始)

  • Google:Google Marketing Platform内のGoogle Campaign Manager 360で動画広告の配信と運用を直接行えます。(近日中にベータ版を提供予定)

  • LinkedIn:画像や動画広告をLinkedIn Campaign Managerに直接書き出し、LinkedInのパフォーマンスデータを活用したクリエイティブ素材の最適化が可能です。(一般提供を開始)

  • TikTok:画像や動画広告の作成と配信、運用を直接行ったり、パフォーマンスに関するデータを得たりすることができます。(ベータ版を提供開始)

アドビはデジタル体験を通じて世界に変革をもたらしています。詳細についてはアドビのウェブサイトをご覧ください。

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