KDDIテクノロジーと株式会社壽屋、KDDI株式会社の3社が協力し、最新の3D表現技術「3D Gaussian Splatting(3DGS)」を使って、ホビー製品のオンラインストア(EC)での見え方を新しくする検証を始めました。この取り組みは、フィギュアやプラモデルといった精巧な製品を、まるで目の前にあるかのようにウェブ上で見られるようにすることを目指しています。

ホビーECに革命?「3D Gaussian Splatting」とは
オンラインショッピングでは、商品の写真や動画、360度ビューなど、さまざまな方法で商品の魅力を伝えようと工夫が凝らされてきました。最近では3D表示も普及し、家具や家電などで使われるようになっています。
しかし、フィギュアやプラモデルのような、とても細かい造形や色合いが重要なホビー製品では、これまでの3D表現ではなかなか上手く魅力を伝えられないという課題がありました。特に、本物そっくりの質感や透明感を再現するのが難しく、また、従来の3Dモデル(ポリゴンモデル)ではデータの複製リスクや、高品質にするための手間とコストがかかることが導入の障壁となっていました。
新技術「3D Gaussian Splatting」がもたらす変化
今回注目されている「3D Gaussian Splatting」という技術は、これらの課題を解決する新しい方法です。従来の3Dモデルが「面」で形を表すのに対し、3DGSは「光の粒」を扱うことで、透明な部分や光沢のある部分をより自然に、そしてリアルに再現できます。これにより、フィギュアの細かい彫刻や複雑な模様も忠実に表現できるようになります。
この技術のもう一つの大きな特長は、高品質な3D表示を、少ないデータ量で実現できることです。これまでの3Dモデルのように複雑な加工工程を減らせるため、時間やコストを抑えながら、よりリアルな表現が可能になります。さらに、一般的なカメラで撮影した写真から3Dデータを作れる点も大きなメリットです。
KDDIとKDDIテクノロジーは、通信技術を活かして、この軽量化されたデータを高速で配信できる環境を整えます。これにより、スマートフォンやパソコンのブラウザで、誰でも快適にホビー製品のリアルな3D表現を楽しめるようになります。

各社の役割と今後の展望
この検証では、製品の質感や見た目をどこまで忠実に再現できるか、オンライン上での表示の品質や操作のしやすさを確認します。また、撮影から3Dデータの作成、そしてウェブ上での配信までの一連の流れをいかに効率化できるかも検証のポイントです。
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壽屋: ホビー製品の魅力である「実際に手に取る楽しさ」を大切にしながら、デジタル技術で、購入前の商品理解を深めるサポートをします。今回の検証では、キャラクター製品の提供と、新しいデジタル表現方法の研究開発を担当します。
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KDDI: 通信技術と最先端の技術を組み合わせて、より豊かな社会の実現に貢献します。今回の検証では、ウェブページ上で3DGSのデータを表示するための仕組み(モジュール)と、そのデータをスムーズに配信するシステムの開発を担当します。
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KDDIテクノロジー: 「技術で夢を現実に。」というビジョンのもと、未来をより良くすることを目指しています。今回の検証では、キャラクター製品の撮影やデータ収録、3DGSデータの生成、そしてウェブ表示に向けての最終調整などを担当します。
2025年11月より順次公開予定
この新しい技術を使った壽屋製品の一部は、2025年11月から12月にかけて、順次公開される予定です。詳しい情報は、壽屋の特設ページや公式SNSで案内されます。
特設案内サイト「プラモデル×3DGS WEB体験イベント」は以下のURLよりアクセスできます。


