株式会社イノカは、自然環境を良くしていく「ネイチャーポジティブ(自然再興)」をきっかけに、これまで誰も足を踏み入れていない新しい市場を開拓するための「ネイチャーポジティブ×新規事業開発支援サービス」を、2026年2月から提供することを発表しました。
このサービスの第一弾として、株式会社リバネスと協力し、自社の技術や資源を自然を再生させる事業に活かせる人材を育てる「ネイチャーポジティブ BizDev人材養成プログラム」を、2026年2月24日(火)から3日間開催します。

なぜ今、自然を守るビジネスの専門家が必要なのか
1. 自然に関する情報公開の義務化が進む
企業が自然環境とどう関わっているかを明らかにする「TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)」という新しいルールへの対応は、企業にとって非常に重要になっています。2024年と2025年の会計年度でTNFDの情報を公開すると表明した「TNFDアダプター」は、世界中で562社いますが、そのうち日本企業は154社と世界で最も多く、日本企業が自然を大切にする経営に強い関心を持っていることがわかります。
TNFDは、単に環境保護の報告をするだけでなく、企業が自然にどれだけ「頼っているか」や「影響を与えているか」を調べ、そこから生まれる「リスク」や「チャンス」をビジネスの視点から分析することを求めています。
2. 環境を守るだけでなく、積極的に自然を良くする「攻めの経営」へ
「ネイチャーポジティブ(自然再興)」や「リジェネラティブ(再生)」といった考え方は、今や会社の経営においてとても大切なテーマとなり、これによって大きな新しい市場が生まれつつあります。
しかし、多くの企業からは「情報公開はしたものの、具体的な新しい事業やプロジェクトにつなげられない」という悩みも聞かれます。2026年からは、環境に関する担当者だけでなく、自社の技術を使って新しい市場を作り出す「新規事業」や「研究開発」の担当者が、自然をきっかけにした事業開発のスキルを身につけることが欠かせなくなるでしょう。
この「攻めのリジェネラティブ」を実現するための具体的な例として、イノカとの共同プロジェクトでは、以下のような事例が生まれています。
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JFEスチール社:水質改善プロジェクト
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資生堂社:共同研究に向けた連携協定
プログラムの概要
このプログラムでは、2019年の創業以来、民間企業として初めてサンゴの人工産卵に成功するなど、ネイチャーポジティブの最先端を走る株式会社イノカの取締役COOである竹内四季氏が講師を務めます。専門知識がなくても、自然をビジネスの武器に変える考え方を学ぶことができます。
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開催日:2026年2月24日(火)・25日(水)・26日(木)
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開催時間:18:00 – 20:30(講義、ワーク、交流会を含む)
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会場:高輪ゲートウェイ LiSH(Life Science Hub)ラボ
- JR東日本が開発を進める「TAKANAWA GATEWAY CITY」内にある、最先端のライフサイエンスの拠点です。新しいアイデアが生まれる創造的な空間で、知識を深める体験ができます。

プログラムの内容(予定)
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3回の集中講義:ネイチャーポジティブやリジェネラティブの本当の意味、新しいルールを作るための戦略のポイントを学びます。
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実践個人ワーク:自社の技術や資源を自然再生に役立てるための「逆引き」思考トレーニングを行います。
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プロフェッショナル講師セッション:企業や研究機関の最前線で活躍する専門家から、実際の成功事例を学びます。
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参加者交流会:様々な業界の人々との交流を通じて、新しい協力の機会を作ります。
このプログラムで得られる4つの大切な知識とスキル
研究者、先端技術の専門家、ビジネスのプロなど、各分野のトップランナーである講師陣から、以下の4つのポイントを体系的に学ぶことができます。
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【① 構想力】ディープテック×生態系構築(講師:リバネス 丸幸弘氏)
- 技術単独ではなく、大学や町工場などの資源を組み合わせて新しい「知識」を生み出すリバネスのやり方を学びます。科学技術を核にした、持続可能なビジネスの仕組みをどう描くかを知ることができます。
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【② 転換力】「環境移送」と逆引き思考(講師:イノカ 高倉葉太・竹内四季)
- 「海を陸に再現する」イノカの技術開発のプロセスを詳しく見ていきます。自社の主要な技術(素材、加工、通信など)を、自然界の課題解決(水質浄化、サンゴ再生など)にどう応用できるか、考え方を変えるトレーニングを行います。
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【③ 実装力】ローカルゼブラと地域共創(講師:和歌山高専 楠部真崇氏)
- 「アマモポット(環境循環型バイオセメント)」という技術が地域でどのように使われたかという例から、研究室の技術と地域経済を結びつける方法を学びます。地域の社会や漁業関係者を巻き込みながら、地域経済と環境再生を両立させる(ローカルゼブラ)手法を学びます。
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【④ 観察力】「生物への熱狂」を市場価値へ(講師:昆虫活動家 蝶たろう氏)
- 国蝶オオムラサキへの深い愛情と観察から、世界的なブランドの監修や新しい発見を生み出したプロセスを共有します。一見特別な生物の特性や「美しさ」「機能」を、どうやって広告やブランド作り、商品の価値につなげるか、その観察力と発信力を学びます。
こんな方におすすめです
このプログラムは、職種の壁を越えて、自然をビジネスの武器にしたいと考えているすべてのリーダーを対象としています。
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新規事業開発担当者
- 自社の技術を使って新しい市場を開拓したい方、研究開発から事業化を目指している方。
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サステナビリティ・経営企画・IR担当者
- TNFD対応などの「守り」の環境報告だけでなく、会社全体の新しいチャンスとして経営戦略に取り入れたい方。
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地域ビジネス・エリア開発担当者
- 地方自治体との連携や、工場・拠点周辺の自然環境を活かした地域活性化、観光・教育事業を考えている方。
プロフェッショナル講師プロフィール
株式会社イノカ 取締役COO 竹内 四季
東京大学経済学部を卒業後、人材系企業を経て、2020年2月にイノカにCOOとして参加。事業開発や広報活動全般を担当しています。「環境保護と経済的な合理性」を軸にした事業開発や経営戦略の立案を得意とし、上場企業へのコンサルティングや講演実績も多数あります。

株式会社リバネス 代表取締役グループCEO 丸 幸弘 氏
東京大学大学院で博士号(農学)を取得。2002年に大学院在学中にリバネスを設立し、日本で初めて「最先端科学の出前実験教室」をビジネスにしました。異なる分野の技術や知識を組み合わせて新しい仕事を生み出す「知識製造業」を通じて、アジア最大級の先端技術ベンチャーのネットワークを築き、世界の企業や大学などと協力して地球規模の課題解決に取り組んでいます。

株式会社イノカ 代表取締役CEO 高倉 葉太
東京大学工学部を卒業後、2019年4月に株式会社イノカを設立。サンゴ礁などの海洋生態系を水槽の中に再現する独自の「環境移送技術」を使い、大企業と協力して生物多様性をテーマにした新しい事業を創り出しています。Forbes JAPANの「30 UNDER 30」にも選ばれています。

和歌山工業高等専門学校 生物応用化学科 教授 / 博士(工学) 楠部 真崇 氏
2005年徳島大学大学院修了。深海微生物の研究から得た知識を活かし、海洋環境を再生する「環境循環型バイオセメントアマモポット」を開発しました。現在は、NPO法人和歌ノ浦ブルーエコノミー推進研究機構の理事長を務め、研究者だけでなく企業や行政とも連携し、海藻の生息地を守り再生することと地域経済の両立を進めています。

オオムラサキ飼育家 / 昆虫活動家 蝶たろう氏
日本の国蝶オオムラサキを毎年千頭以上飼育し、YouTubeなどで蝶の生態や自然、命の大切さを発信しています。2023年には、オオムラサキの幼虫が天敵を追い払うために臭い物質を出すという世界初の発見をし、論文を発表しました。LOUIS VUITTONの商品PR動画の蝶の監修を行うなど、精力的に活動しています。

SONOアクアプランツファーム 代表 園原 信也 氏
海がない信州で生まれ、琉球大学で海洋学を学んだ、約40年来の生粋のアクアリスト。2010年に沖縄で水草や海藻を生産するファームを設立し、独自の「SONOメソッド」で「小さな生態系」を水槽の中に作る新しい方法を考案しました。著書に「ボトルアクアリウム バイブル」があり、アクアリウムを通して自然環境を理解し、愛する人を増やすことをライフワークとしています。

早稲田大学大学院 先進理工学研究科 博士課程 秋元 洋希 氏
専門は化学生態学で、動物が敵から身を守る際に放つ「匂い」の働きを調べています。研究の傍ら、生き物に詳しくない人たちを自然に連れ出し、その魅力を伝えるイベント「イノクエ」を企画。初心者でも楽しめる自然体験を提供し、人と生物のつながりを作ることに力を入れています。

株式会社TORITSU 代表取締役 遠藤 颯 氏
東京都立大学理学部に在学中。ミミズ分類学を専門とし、組織学、分子生物学、形態学を組み合わせた方法でミミズの分類学的研究を行っています。国内ではこの方法を体系的に実践する唯一の研究者です。ミミズ研究のワークショップや教育活動を通じて、ミミズ分類学の次世代を育てることにも積極的に取り組んでいます。

申し込み特典
プログラム終了後には、イノカによる個別コンサルティングセッション(オンラインで合計3回)が提供されます。参加企業の技術や素材を活かした具体的なプロジェクトを立ち上げるために、計画の立て方などをサポートします。
申込みプラン(1社2名まで参加可能)
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コンサルティングプラン:90万円(税別)
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3日間のプログラム参加
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イノカによる個別コンサルティングセッション3回
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計画作成支援
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ラーニングプラン:45万円(税別)
- 3日間のプログラム参加のみ
本件に関するお問い合わせは、「株式会社イノカ ネイチャーポジティブBizDev人材養成プログラム事務局」(info@innoqua.jp)までご連絡ください。
株式会社イノカについて
株式会社イノカは、2019年に設立された自然環境の総合的な専門家集団です。サンゴやマングローブ、海藻などの海洋生物から、ゲンゴロウやメダカなどの淡水生物まで、水辺の生態系の専門家を中心に、大学教授などの自然科学の研究者、そして環境ビジネスの専門家が在籍しています。「人類の選択肢を増やし、人も自然も栄える世界をつくる。」という目標を掲げ、企業や行政、学術機関と協力し、持続可能で豊かな地球を目指して、自然に関連する新しい事業を創り出しています。

イノカには様々な経歴を持つ人々がいますが、全員に共通しているのは、自然や生き物が好きだということです。「自分たちが好きな自然をみつづける。」という考え方のもと、一人ひとりが好きな自然や生き物をさらに深く探求し、未来につなげたいという思いを持って活動しています。

環境移送技術とは
「環境移送技術®︎」とは、海をはじめとする水辺の自然環境を、水槽を使って陸上で再現するイノカ独自の技術です。自社で開発したAIやIoTの機器を使って、水質、水温、水流、照明、微生物を含む生き物同士の関係性など、自然を構成する要素を分析し、実際の環境に近い状況を作り出します。これにより、実験や分析に適した「標準的」で「安定した均一な」環境を、場所を選ばずに作ることが可能になりました。2022年2月には、時期をコントロールしてサンゴの人工産卵に成功しています。
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会社名:株式会社イノカ
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代表者:代表取締役CEO 高倉葉太
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設立:2019年4月
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本社所在地:東京都文京区後楽2-3-21住友不動産飯田橋ビル1F
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事業内容:環境移送技術の研究開発、生態系モニタリング、環境教育事業など

