JTBグループは、2035年を見据えた新しい長期ビジョン「OPEN FRONTIER 2035」を発表しました。これは、高い専門性と洞察力で世界中の人々をつなぎ、感動と幸せを届ける「新」交流時代の先駆者となることを目指すものです。

このビジョンの詳細については、特設サイトで確認できます。
https://www.jtbcorp.jp/jp/ourstory/2035vision/
ビジョン策定の背景
地球環境の変化や人口構成の変動、そして生成AIのような新しい技術の急速な進化が、このビジョンを策定する大きなきっかけとなりました。これらの変化は、人々の「移動」や「情報・データ」の扱い方、さらには「意思決定」のプロセスを大きく変え、社会の仕組み全体を新しく作り直す動きを促しています。特に、AIがビジネスを生み出す時代において、「交流」の価値はますます重要になると考えられています。
JTBグループの価値の源泉「交流創造Intelligence」
JTBグループは、企業としての強みの中心に「交流創造Intelligence(インテリジェンス)」を据えています。これは、長年培ってきた「洞察力」と「専門性」を組み合わせ、さらに高めることで、人や地域、組織をつなぐ「交流」を生み出し、新しい価値を作り出す力のことです。

この力を強化するため、2025年8月にはツーリズム産業に特化した世界最大級のBtoBメディアである「Northstar Travel Group」(NTG)の株式を取得しました。これにより、NTGが持つ信頼性の高いデータ分析力とグローバルなネットワークを活用し、AI時代の産業価値向上を加速させていきます。
「ありたい姿」に向けた4つの変革ポイント
JTBグループは、これまでの114年間で培った「交流を創造する力」を最大限に活かし、社会の課題解決やツーリズム産業全体の持続可能な未来に貢献することを目指しています。
「ありたい姿」を実現するための変革のポイントは以下の4つです。
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グローバル: 事業活動を世界規模に広げ、地域の魅力を世界に発信します。
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ビジネスモデル: 知的財産(IP)や資産を保有し、事業を主体的に展開する形へと移行し、継続的な収益を得る仕組みを増やします。
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情報・データ: AIを活用した情報基盤を作り、より深い洞察(インサイト)を得られるように情報を整理・活用します。
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カルチャー: DEIB(Diversity, Equity, Inclusion, Belonging:多様性、公平性、包摂性、帰属意識)を推進し、多様な人々が互いを尊重し、安心して意見を出し合える文化を築きます。

事業戦略区分
変革を進めるために、JTBグループは市場に合わせた事業戦略を4つの区分に分けました。

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Global Tourist Solution: 一人ひとりに最適な旅行体験を提案します。
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Global Business Solution: 企業や学校のお客様に対して、投資効果の高い企画やサービスを一緒に作り上げます。
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Global Area Solution: 地域(行政、DMO、観光事業者など)への投資や解決策の提供を通じて、地域全体の価値を高めます。
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Global Tourism Intelligence: ツーリズム産業に関わる人々や組織に対し、メディアやイベントを通じてマーケティング支援を行い、産業全体の価値向上を助けます。
2035年に向けた主要財務目標
2035年の目標として、収益性に関する具体的な数字を掲げています。

これらの目標は、企業価値を長期的に最大化し、持続的な成長を実現するためのものです。成長に必要な資金を確保し、企業としての信頼性を高め、万が一の事態に備えることで、強固な経営基盤を築いていきます。
ビジョン実現に向けた三位一体の推進
JTBグループは、ビジョンを実現するために「事業ポートフォリオ」「投資ポートフォリオ」「人財ポートフォリオ」を一体として進めます。これにより、経営資源を効率的に使い、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。

事業ポートフォリオの変革
2035年には、グローバル事業の比率や、人々の移動に頼らないビジネス、継続的に収益を得られるビジネスの比率を大きく高める目標を設定しています。

投資戦略
投資戦略では、得られた利益を再び事業に投資し、それが将来の収益を生み出す「優良資産」となるサイクルを確立することで、持続的な成長を目指します。

DEIB・人財戦略
「違いを価値に、世界をつなぐ。」というDEIBの考え方のもと、多様な個性を活かして新しい価値を生み出し、互いを尊重し合えるオープンな文化を築きます。また、場所や時間にとらわれない働き方や、社員一人ひとりの「やりたいこと」に合わせたキャリア形成を支援し、世界中の社員が地球を舞台に活躍できる環境を整えていきます。
サステナビリティへの取り組み
JTBグループは、「心豊かな暮らし」「人々を取り巻く環境」「パートナーシップ」を重要なテーマとし、交流から生まれる良い影響を最大化し、悪い影響を最小限に抑えるための活動を進めています。
2025年6月には「サステナブル取引方針」を定め、2035年にはサステナビリティに取り組むビジネスパートナーとの取引割合を63%にする目標を設定しました。また、お客様がサステナブルな商品やサービスを選べるよう、ウェブサイトなどの使いやすさ(アクセシビリティ)の向上にも取り組んでいます。
「JTBソーシャル・コミットメント・プログラム〜みらい交流創造基金〜」の設立
ツーリズム産業が発展し続けるためには、交流の場となる地域コミュニティが持続可能であることが不可欠です。JTBグループは、社会貢献活動をさらに強化するため、2026年4月に「JTBソーシャル・コミットメント・プログラム みらい交流創造基金」を設立します。
この基金は、地域の歴史的建造物や祭事などの文化財の保護、自然環境の保全、オーバーツーリズム(観光客の増加による問題)対策など、地域が持続的に価値を育むための活動を寄付や助成を通じて継続的に支援することを目的としています。この基金を通じて、地域社会の発展と新しい交流の機会創出に貢献していきます。
今後の展望
AIがビジネスを生み出し、社会のあり方が大きく変わる時代において、「交流」の価値はますます高まると考えられます。JTBグループは、交流をより深く、より広範な価値へと発展させることで、ツーリズム産業の可能性を広げ、社会に新しい価値を生み出す先駆者として進化していきます。多様な技術や知識、ネットワークを持つパートナーとの協力により、持続可能で豊かな未来社会の実現に貢献していくでしょう。

