製造現場の「困った」をAIが解決する新常識
製造業の世界では、お客様の様々な要望に応えるため、多種多様な製品を少量ずつ生産する「多品種少量生産」が主流になっています。しかし、この製造方法では、製品の検査に大きな課題がありました。
具体的には、ベテラン検査員の不足や、検査の基準が人によってバラバラになること、そして、AIによる自動検査システムを導入しようにも、不良品データがほとんどないためにAIを学習させにくい、といった問題です。
このような課題を解決するため、株式会社GAZIRUは、最新のAI技術を使った異常検知ソフトウェア「GAZIRU.eye」を2026年1月に正式にリリースします。

GAZIRU.eyeが提供する新しい検査の形
「GAZIRU.eye」は、製造現場での製品の外観検査や、内部の傷などを見つける非破壊検査において、AIが自動で異常を見つけ出し、良い製品か悪い製品かを瞬時に判断します。
1. 良い製品の画像だけでAIが学習
従来のAI検査では、たくさんの不良品の画像が必要でした。「GAZIRU.eye」は、良い製品の画像をたった数十枚見せるだけでAIが学習できます。これにより、不良品が少ない多品種少量生産の現場でも、すぐにAI検査を始められます。
2. ベテランの「目利き」をAIが引き継ぐ
熟練の検査員は、長年の経験から「なんとなくおかしい」といった微妙な異常を見つけ出すことができます。この言葉にしにくい「目利き」を、AIが正常な画像を学習することで自動的に習得します。これにより、技術の継承が難しいという問題を根本から解決し、誰でも同じ品質で検査できるようになります。
3. 高度なAI技術で多様な異常を検知
「GAZIRU.eye」には、複数のAIアルゴリズムが搭載されており、傷、汚れ、異物など、様々な種類の異常を高い精度で見つけ出します。AIがどこを異常と判断したか、ヒートマップ(色の濃淡で異常度を示す図)などで分かりやすく表示されるため、AIの判断が信頼しやすくなります。

4. 製造ラインで素早く検査
AIが異常を判断するまでの時間は1秒以内と非常に高速です。そのため、製品が流れる製造ラインに組み込んで、リアルタイムで全ての製品を検査することが可能になります。また、既存の生産管理システムなどとも連携しやすくなっています。
製品一つ一つの「履歴書」を作るトレーサビリティ
「GAZIRU.eye」は、株式会社GAZIRUが提供する別の製品「GAZIRU.z(個体識別)」と連携することで、さらに強力な品質管理を実現します。
「GAZIRU.z」は、製品の表面のわずかな特徴から、一つ一つの製品を識別する技術です。この二つのシステムを組み合わせることで、「どの製品に、いつ、どんな異常が見つかったか」という検査結果を、個体ごとに記録・管理できるようになります。
これにより、万が一リコールが発生した際も、対象となる製品を正確に特定できたり、品質データを蓄積して継続的に生産工程を改善したりすることが可能になります。

GAZIRU.eyeの適用分野と導入効果
「GAZIRU.eye」は、以下のような様々な分野で活用が期待されています。
主な適用分野
-
外観検査: 表面の傷、汚れ、異物混入、塗装ムラ、成形不良などの検出
-
非破壊検査: 超音波探傷試験装置の画像解析、鋳造品や溶接部の内部欠陥検出
-
想定業界: 自動車部品製造、電子部品・半導体、金属加工、食品製造など
導入によって期待できる効果
-
検査開始までの期間を短縮: 良い製品の画像だけで学習できるため、新しい製品の検査体制を素早く整えられます。
-
検査にかかる手間とコストを削減: 人による目視検査をAIに置き換えることで、人手不足の解消やコスト削減に繋がります。
-
検査品質の安定: 人の経験や集中力に左右されず、常に同じ基準で検査できるため、品質のバラつきがなくなります。
-
技術継承の問題を解決: ベテラン検査員の知識やノウハウをAIが学び、次世代へと引き継ぐことができます。
-
全ての製品を検査できる: 高速な処理により、一部の製品を抜き取って検査するのではなく、全ての製品を検査できるようになります。
製品仕様と今後の展望
「GAZIRU.eye」は2026年1月に提供が開始されます。価格は、お客様の施設に導入するオンプレミス版で500万円からとなっています(初期導入費用や保守費用は別途)。クラウド版も個別の相談で対応が可能です。
株式会社GAZIRUは、今後もAIアルゴリズムをさらに進化させ、より多くの検査ニーズに応えていく予定です。お客様からの意見を取り入れた機能追加や、クラウド版の本格的な展開も計画されています。
株式会社GAZIRUの宮澤 賢児氏は、「長年、製造現場で課題となってきた熟練検査員の不足と技術継承の問題に、AI技術で正面から挑みました。GAZIRU.eyeは、正常画像のみで学習できることで、多品種少量生産でも迅速に検査を立ち上げ、熟練検査員の持つ暗黙知をAIが自動的に形式知化できます。製造業の現場を支える方々の負担を減らし、より価値の高い業務に集中していただける環境を作りたいという想いを込めて開発しました」とコメントしています。
詳しい製品情報はこちらをご覧ください。
株式会社GAZIRUは、2020年4月に設立され、画像認識技術を核としたソフトウェアを提供しています。本社は東京都世田谷区にあり、代表者は福澤 茂和氏です。

