AI初心者でもわかる!DataLabsの「Modely」で建設現場の検査がもっと簡単に

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Modelyによる配筋検査の効率化

DataLabsの「Modely」が香港の建設現場を変革!3D技術で配筋検査を効率化

DataLabs株式会社が開発した3D配筋検査システム「Modely」が、香港の土木工事現場での実証実験で高い効果を示しました。このシステムは、AI技術を使って建物の骨組みとなる鉄筋(配筋)の検査作業を効率化し、建設業界が抱える「検査の手間がかかりすぎる」という課題の解決に貢献しています。

建設現場の課題を解決するModely

香港の土木工事現場では、建物の安全を守るための重要な「配筋検査」に、たくさんの写真撮影や書類作成が必要で、作業員の大きな負担になっていました。配筋検査とは、建物の骨組みとなる鉄筋が、設計図通りに正しく配置されているかを確認する作業のことです。

DataLabsは、この課題を解決するため、3Dデータを活用するシステム「Modely」を導入しました。Modelyを使うことで、鉄筋とコンクリートの間の厚み(かぶり厚)や、鉄筋同士をつなぐ部分の長さ(継手長)といった、品質管理にとても大切な項目を自動で検査できるようになります。これにより、検査や書類作成の作業を大幅に効率化できる可能性が検証されました。

さらに、この実証では、BeeInventor社が開発したスマートヘルメット「DasLoop」も活用されました。このヘルメットにはカメラが搭載されており、現場を歩きながら撮影した動画データから3Dデータを作り、それを配筋検査に使うことができるかどうかも試されています。将来的には、ヘルメットをかぶって現場を歩くだけで、必要な検査データが自動で集まるような仕組みを目指しています。

DasLoopスマートヘルメット

実証実験で明らかになったModelyの効果

今回の実証実験では、Modelyの優れた点がたくさん見つかりました。

  • 大切な検査項目に対応
    香港の土木発注者であるCEDD(Civil Engineering and Development Department)の担当者が特に気にしていた「継手長」や「均しコンクリートとのかぶり厚」の検査において、Modelyが非常に有効であることが示されました。特に、鉄筋の最小継手長を自動で検出する機能は、作業を大きく減らせる画期的なものだと高く評価されています。

  • 実際の現場で証明された信頼性
    iPad ProやiPhone Pro、そしてスマートヘルメット「DasLoop」で撮影した動画から作られた3Dデータを使って、PIX4DcloudとModelyを組み合わせることで検査ができることが実際に証明されました。これにより、Modelyが自動で作る鉄筋の「As-Builtモデル」(実際に作られた状態の3Dデータ)が、さまざまな場面で役立つことが、参加したCEDDや世界的大手コンサルタントのARUP、そして建設会社の担当者に直接示されました。

    Modelyの検査画面

  • 作業の効率アップと標準化への期待
    ARUPの検査担当者からは、「大量の紙の資料を電子データで提出することが求められる中で、Modelyを使えば効率的に書類を作成できると期待している」という声や、「Modelyで事前に現場の状況を確認できるので、現地での確認作業を減らせる」といった声が寄せられました。さらに、地域ごとに異なる基準値を自動で適用できるような機能の提案もあり、Modelyが今後どのように進化していくべきかの方向性も明確になりました。

    建設現場でModelyを確認する様子

BeeInventorとの協力と今後の展望

DataLabsは、BeeInventor社と協力し、香港の他のプロジェクトでもModelyを使った鉄筋検査サービスを広めていく予定です。DataLabsはModelyのレポート機能や技術サポートを提供し、両社で香港の現場に合ったModelyの機能強化に取り組んでいきます。

今回の実証実験の次の段階では、BeeInventorが3Dデータの取得を担当し、将来的にはModelyを独立して運用できる体制を目指します。DataLabsは、主にオンラインでのサポートを行いながら、料金体系やビジネスの進め方を見直し、より使いやすく標準化されたサービスにしていく予定です。

DataLabsの代表取締役である田尻大介氏は、「今回の成果は、Modelyが香港の土木分野における検査や書類作成のプロセスを大きく効率化できることを示す、大切な一歩です。BeeInventorとの協力によって、現場で本当に役立つシステムを作り上げ、世界的な標準化の流れにも貢献していきたいと考えています」と述べています。

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