AIモデルが会話で最高のチームを自動編成!日立が新技術を開発

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AIモデル同士が「会話」して最高のチームを作る新技術

日立は、複数のAIモデルがお互いに話し合うことで、それぞれの「相性」を見つけ出し、最も良い働きをするAIチームを自動で作る「会話ベースAIオーケストレーション技術」を開発しました。

なぜこの技術が必要なの?

最近では、一つの大きなAIモデルに頼るのではなく、特定のことに詳しい小さなAIモデルをいくつか組み合わせて、複雑な問題を解決する方法が注目されています。しかし、たくさんのAIモデルの中から、どれとどれを組み合わせれば一番良いチームになるのかを見つけるのは、とても難しいことでした。

特に、多くの企業が提供しているAIモデル(ブラックボックスAI)は、その中身がどうなっているか分からないため、最適な組み合わせを見つけるのがさらに困難でした。

新技術「会話ベースAIオーケストレーション技術」のすごいところ

この技術の最大の特長は、AIモデルの詳しい中身を知らなくても、AIモデル同士が会話する様子を見るだけで、彼らの相性を判断できる点です。

具体的には、AIモデルたちが特定のテーマについて議論し、その会話がどれだけスムーズに進んだか(意味的なつながり)を分析します。この分析結果から、AIモデルたちの「協調性」や「専門性」といった関係性を数値化し、「言語モデルグラフ」という形で分かりやすく見せることができます。このグラフを解析することで、人が一つずつ試さなくても、相性の良いAIモデルの組み合わせを自動で見つけ出せるのです。

AIモデル群が会話・議論を通じて、モデル間の関係性をグラフ化し、協調性や専門性の高いハイパフォーマンスなAIチームを自動編成する3フェーズのプロセスを示す図

この方法なら、AIモデルの内部構造や、事前に性能を評価したデータがなくてもチームを作れるため、API経由で利用できるAIモデルなど、幅広い種類のAIモデルから最適なチームを提案できます。これにより、鉄道やエネルギーといった社会を支えるインフラの分野から、ものづくりや医療の現場まで、それぞれの専門性が求められる複雑な課題に対して、より早く、より高度な判断や業務の効率化をAIがサポートできるようになります。

効果はどれくらい?

日立が行った実験では、さまざまなAIモデル(数学や医療に特化したAIモデル、一般的なAIモデルなど)を混ぜてチームを作ったところ、この技術で自動編成されたチームは、ランダムに選ばれたチームよりも最大で13%も高い正解率を出しました。これは、専門家がAIモデルの特性をよく理解して作ったチームと同じくらい高い性能です。この結果は、会話の内容からAIモデルの特性を捉え、最適なチームを編成するこの技術がとても有効であることを示しています。

今後の展開

日立は、この技術を社内外に広め、社会インフラや製造業、医療など、様々な現場のニーズに合わせたAIチームを作ることで、企業がより早く、より質の高いソリューションを提供できるよう支援していく予定です。また、今後はお客様やパートナー企業との協力(概念実証、PoC)を通じて、AIモデルの連携や現場データの活用を進め、社会インフラをさらに進化させ、現場での価値を最大限に高めていくことを目指しています。

参考情報

この技術は、2026年1月20日~27日に開催される人工知能分野の国際会議「The 40th Annual AAAI Conference on Artificial Intelligence (AAAI-26)」のワークショップ(LaMAS 2026)で発表される予定です。

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