NTT版「tsuzumi 2」を活用し、電力業務に特化したAIを中国電力とNTTドコモビジネスが共同で開発・検証を開始

生成AI(Generative AI)

電力業務に特化したAIの構築・検証がスタート

中国電力株式会社とNTTドコモビジネス株式会社は、NTTが開発した大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi 2」を活用し、電力業務に特化したAI(人工知能)の構築と検証を共同で開始しました。

なぜ電力業務に特化したAIが必要なのでしょうか?

電力会社では、法律や国のルールなど、さまざまな厳しい基準に沿って仕事を進める必要があります。特に、役所に提出する書類は、これらのルールにぴったり合っていることが求められるため、資料の作成や確認に多くの時間がかかっていました。

これまでも、中国電力とNTTドコモビジネスは、AIを使って資料作成などの業務を効率化し、品質を良くする取り組みを進めてきました。しかし、一般的なAIでは、電気事業に関する専門的な知識や、中国電力独自の業務情報について、正確な答えを出すのが難しい場面がありました。そのため、実際の仕事で使えるほどの高い精度を確保できないことが課題でした。

この課題を解決するため、日本語に強い日本製のLLM「tsuzumi 2」に、電気事業や中国電力の業務に関するデータを学習させることで、より実用的なAIを作り、仕事で使えるようにすることを目指しています。

取り組みの具体的な内容

この取り組みでは、「tsuzumi 2」に中国電力の業務マニュアルや過去の申請書類など、実際に仕事で使うデータやよく参照されるデータを学習させ、電力業務に特化したAIを作り、その性能を調べます。2026年度以降の実用化を目指し、2026年1月から3月末にかけて以下のプロセスで進められます。

1. データ収集・加工

中国電力が、社内のマニュアルや過去の行政機関への申請書類など、業務に必要なデータやよく使われるデータを集めます。その後、NTTドコモビジネスが、集めたデータを「tsuzumi 2」が学習しやすい形に整えます。

2. 「tsuzumi 2」の学習

NTTドコモビジネスが、加工されたデータやインターネット上の公開情報を「tsuzumi 2」に学習させ、電気事業や中国電力独自の業務情報に詳しいAIを構築します。

3. 検証・精度評価

中国電力が、業務でよく調べる事柄をまとめた質問集を作成します。これを使って、学習する前と後の「tsuzumi 2」が、電気事業の専門用語や中国電力独自の業務情報にどれくらい正確に答えられるかを確認し、その精度を比較・分析します。その後、NTTドコモビジネスが、中国電力の評価をもとに「tsuzumi 2」を再学習させ、AIの精度をさらに良くします。

tsuzumi 2による電力業務特化型LLMの構築・検証プロセス

各社の役割

  • 中国電力:電気事業や中国電力独自の業務情報などの学習用データを集めて提供し、AIの精度を評価するための質問集を作成し、学習前後のAIの精度を評価します。

  • NTTドコモビジネス:学習用データを加工し、「tsuzumi 2」に学習させ、中国電力の精度評価をもとにAIを改善(再学習)します。

今後の展望

この取り組みを通じて、中国電力は、より高度で幅広い業務分野でAIを活用し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させることで、「エネルギアグループDX戦略」で掲げたAIによる業務改革の実現を目指します。

NTTドコモビジネスは、AIの学習などで得られた知識を活かし、電力業界特有の知識やルールに対応したアプリケーションの開発を進めます。将来的には、IOWNなどの新しい技術と連携したAIアプリケーションのプラットフォームを構築し、地域や産業のDXを促進し、共創型ビジネスの拡大を目指していくとのことです。

両社は、これからも協力しながらこの取り組みを続け、電力業務に特化したAIを改善していくことで、エネルギー業界に新しい価値を生み出すことを目指します。

補足説明

  • 大規模言語モデル(LLM):たくさんの文章データを学習することで、言葉を理解したり、文章を作ったりするのが得意なAI技術です。

  • tsuzumi 2:NTTが開発している、日本語に強い日本製のLLMです。詳しくはNTTの研究紹介ページをご覧ください。

  • RAG:AIが文章を作る際に、外部の情報を参考にして、より正確な答えを出すための技術です。

  • エネルギアグループDX戦略:中国電力グループ全体で仕事の効率を上げ、新しい価値を生み出すために作られた、デジタル技術の活用に関する目標と取り組み方を示すものです。詳細は中国電力のプレスリリースで確認できます。

  • IOWN:NTTが提案する、次世代の情報通信の基盤となる構想です。詳しくはNTTグループのIOWN紹介ページをご覧ください。

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