睡眠の質を科学する!AI解析で「究極の睡パ住宅」を目指す共同実験がスタート

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日本人の平均睡眠時間はOECD加盟国と比較して短く、睡眠不足による経済的損失は約15兆円にのぼると試算されています。また、気候変動による厳冬や酷暑も、快適な睡眠を妨げる要因となっています。このような背景から、睡眠の質を高めることへの関心が高まり、睡眠をサポートする「スリープテック」市場は2027年には160億円規模に成長すると見込まれています。

「究極の睡パ住宅」実証実験がスタート

注文住宅専門メーカーの小林住宅株式会社と株式会社創建は、睡眠研究の第一人者である柳沢正史氏(筑波大学)と共同で、住宅環境が睡眠の質にどのような影響を与えるのかを検証する実証実験を2025年12月14日より開始しました。

この実験には、世界トップレベルの睡眠研究機関である筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)のほか、慶應義塾大学川久保研究室、睡眠ソリューションを提供する株式会社S’UIMINが参画しています。冬季と夏季の2回にわたって実験を行い、その結果は2026年10月に報告される予定です。この検証結果を受けて、睡眠パフォーマンス(=睡パ)を高める住宅「究極の睡パ住宅」の開発を目指します。

実験の舞台:2つの異なる住宅

今回の実証実験のために、同じ立地条件で、間取りやインテリアなどの見た目の条件を全く同じにした2棟の実験棟が建築されました。異なる点は、睡眠の質に影響を与える「温度」「音」「換気」「光」に関わる住宅性能のみです。

具体的には、高性能な「外断熱工法」の住宅と、一般的な性能の住宅を比較します。被験者はそれぞれの住宅に宿泊し、住宅環境と睡眠の質の関係が科学的に検証されます。

AIが睡眠の質を科学的に分析

被験者には、睡眠に悩みを持つ男女20名が参加し、各住宅に2~3泊ずつ宿泊します。睡眠の質を評価するために、株式会社S’UIMINが提供する睡眠計測デバイス「InSomnograf(インソムノグラフ)」を用いて脳波を測定します。

このデバイスは、睡眠時の脳波を測定し、AI(人工知能)を使って解析するものです。AIが脳波のデータを細かく分析することで、人が気づかないような睡眠の質の変化も正確に捉えることができます。例えば、実際に眠っていた時間(総睡眠時間)や、ベッドにいた時間のうちどれくらい眠っていたか(睡眠効率)、心身の回復に大切な深い眠り(深睡眠)の長さ、夜中に目が覚めてしまう時間(中途覚醒時間)などを詳しく評価します。

脳波データに加えて、睡眠後のアンケートによる主観的な評価や、心拍数の変動からわかるリラックス度なども多角的に調査されます。さらに、室内の温度、湿度、明るさ、CO2濃度といった環境データも同時に計測することで、住宅環境と睡眠の関係を総合的に検証します。

快適な睡眠を支える「外断熱工法」とは

快適な睡眠には、「温度」「音」「換気」「光」という4つの環境因子が深く関わっています。小林住宅と創建が提案する「外断熱工法」は、屋根や床下を含む建物全体を外側から断熱材ですっぽりと包み込む方法です。これにより、外の温度が室内に伝わりにくく、冬は暖かく、夏は涼しく、室温が安定しやすいという特徴があります。

また、連続した断熱材によって高い気密性が保たれるため、外部の音が伝わりにくく、遮音性にも優れています。計画的な換気もしやすいため、室内の空気もきれいに保たれやすいでしょう。これらの特徴が、睡眠に関わる環境因子に良い影響を与え、質の高い睡眠につながると考えられています。

共同研究機関・企業の紹介

  • 筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS): 睡眠覚醒機構の解明を目指し、基礎から臨床までを網羅する世界トップレベルの睡眠医科学研究拠点です。 詳細はこちら

  • 柳沢正史 教授: 1988年にエンドセリン、1998年に睡眠・覚醒を制御するオレキシンを発見した世界的睡眠研究者です。株式会社S’UIMINの取締役CSO会長も務めています。

  • 株式会社S’UIMIN: 柳沢正史氏が起業した筑波大学発のスタートアップ企業で、AIで脳波を解析する睡眠計測サービス「InSomnograf」を提供しています。 詳細はこちら

  • 小林住宅株式会社: 外断熱住宅供給のパイオニア企業で、関西エリアにおける外断熱住宅供給実績No.1を誇ります。

  • 株式会社創建: 建売住宅・マンションの分譲からリフォームまで幅広く手掛ける建築・不動産総合企業で、外断熱工法を用いた木造住宅ブランド「Kurumu」を開発しています。

今後の展望

冬季に実施された実験に続き、本年夏季にも同様の実験が行われ、季節変動の影響も含めた解析が進められます。最終的な研究結果は2026年10月に発表される予定です。この共同研究を通じて、より科学的な根拠に基づいた、快適な睡眠をサポートする住宅づくりが進められることでしょう。

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