AGRIST株式会社は、AIとロボットの力を借りて、これからの農業をより良くすることを目指しています。今回、同社は「Microsoft AI Co-Innovation Lab KOBE」という場所で、自動収穫ロボットの性能をさらに高めるための新しい技術「フィジカルAI」の開発検証を行いました。

ロボット収穫の「困った」を解決するフィジカルAI
自動収穫ロボットは、作物を傷つけずに効率良く収穫するために活躍していますが、実際の畑ではさまざまな課題に直面します。例えば、キュウリのヘタが葉に隠れていたり、周りに支柱などの障害物があったりすると、ロボットの腕(アーム)がうまく届かず、収穫に失敗したり、時間がかかってしまったりすることがありました。

このような複雑な状況は、あらかじめ決まったルールだけでは対応が難しいものです。そこでAGRISTは、AIの判断をロボットの動きに直接つなげる仕組みである「フィジカルAI」に注目しました。これにより、環境の変化に合わせてロボットが柔軟に動けるようになることを目指しています。
生成AIがロボットの最適な動きを教える
今回の開発検証では、ロボットが収穫する際に「どの角度から回り込めば、ヘタが隠れていても、また障害物があっても収穫できるか」を、生成AIが考えて教えてくれる仕組みを試しました。
具体的には、ロボットのカメラ(RGB/Depthなど、色や奥行きを測るカメラ)が捉えた画像を生成AIに入力します。すると、生成AIは最適な「回り込みの推奨角度」を計算し、その情報を「Azure Functions」という仕組みを通じて、ロボットが使える形(API)で提供します。ロボットはこの情報を受け取って、実際にアームを動かすという一連の流れがうまくいくかを確認しました。

この取り組みによって、生成AIが計算した角度データがロボットの動きにスムーズにつながることが確認でき、将来的に収穫の成功率を大きく高める可能性が見えてきました。

関係者からの期待の声
AGRISTの執行役員CTO兼VPoEである清水秀樹氏は、今回の検証で「生成AIの推論結果をロボットが動ける具体的な指示として返せることを確認できたのは、フィジカルAIを実用化する上で大きな一歩だ」と語っています。特に、画像から状況を理解し、具体的な行動指示に落とし込める手応えを得ており、今後1〜2年で実用レベルに近づけられる可能性を強く感じているとのことです。

また、ロボット開発責任者の増渕武氏も、「フィジカルAIが急速に発展する中で、実運用に向けて技術を検証できたことは非常に重要だ」と述べ、今回の成果が今後の機能拡張や精度向上に大きな可能性をもたらすと期待を寄せています。
マイクロソフトのエンジニアの方々からも、「野菜の生育状況の多様性に対応できるフィジカルAIには大きな可能性を感じる。今後のデータ蓄積と評価設計によって、収穫性能向上に直結するAIへと発展することを期待している」といったコメントが寄せられています。
今後の展望
AGRISTは今回の検証結果を踏まえ、今後は実際の環境での精度や再現性、そして使いやすさを高めるための取り組みを進めていきます。具体的には、データ基盤の設計や、AIの精度を測る方法の改善、そして実際のデータを使ったAIのさらなる改良などが挙げられます。これらの取り組みを通じて、自動収穫ロボットがもっと賢く、もっと速く収穫できるようになる「フィジカルAI」の社会実装を目指していくとのことです。
AGRISTは、これまでもマイクロソフト社と協力して、農業現場で役立つAI技術の活用に取り組んできました。これからもAIと自動収穫ロボットを組み合わせたスマート農業を推進していくとしています。
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