オリジナルグッズ制作の「見えない壁」をなくす
最近、「推し活」や「クリエイターエコノミー」という言葉をよく耳にするようになりました。自分で描いたイラストや大切なペットの写真などを、オリジナルのグッズにして楽しみたいという人が増えています。その中でも特に人気なのが「アクリルキーホルダー(アクキー)」です。
透明感があり、好きな形にできるアクキーは、自分らしさを表現するのにぴったりです。しかし、これまでアクキーを作る際には、多くの人が困る「見えない壁」がありました。それは「入稿データを作る」という作業です。Adobe Illustratorのような専門的なソフトが必要だったり、「カットパス(切り抜き線)」という複雑な線を引く技術が求められたりして、多くの人が途中で諦めていました。

そんな中、オリジナルグッズ制作を手がける「ホットモバイリー(運営:ユー・アンド・アース株式会社)」が、この悩みを解決する新しいツールを発表しました。それが、インターネットのブラウザだけで使える高機能な「デザインシミュレーター」です。なんとこのシステム、ホットモバイリーのタイの拠点で、一人のエンジニアによってゼロから開発されたという、驚きの物語があります。
なぜ「完全自社開発」が必要だったのか?
アクリルキーホルダーを作るための「入稿データ」の作成は、多くの専門用語や複雑な設定が必要でした。「白押さえって何?」「解像度350dpiってどうすればいいの?」など、初心者にとってはまさに「見えない壁」でした。ホットモバイリーにも、「写真しかないけど作れないか」といった相談が日々寄せられていたといいます。

世の中には簡単なシミュレーターも存在しますが、ホットモバイリーが目指したのは「プロのような仕上がり」と「誰でも簡単に操作できる使いやすさ」の両立でした。既存のツールでは、アクリルの透明感をうまく表現できなかったり、複雑な形をきれいに切り抜くのが難しかったりする限界がありました。そこで同社は、自分たちのこだわりを実現するため、あえて困難な「自社開発」の道を選びました。その開発の舞台となったのが、タイ・バンコクにある開発拠点だったのです。
実は「ソフトウェア会社」がルーツ
ホットモバイリーを運営するユー・アンド・アース株式会社は、多くの人に「グッズ制作会社」として知られています。しかし、その始まりは少し意外で、2005年にタイ・バンコクで「ソフトウェア開発会社」として創業しました。その後、事業をノベルティグッズ制作へと広げ、現在のホットモバイリーを築き上げています。
しかし、「テクノロジーで課題を解決する」という創業時の思いは、ずっと社内に受け継がれていました。今回のシミュレーター開発は、グッズ制作で培った「ものづくりの知識」と、創業の地であるタイの「デジタル技術」を組み合わせた、まさに「原点回帰」のプロジェクトだったのです。

バンコクの天才コーダー「Oさん」の挑戦
この画期的なシミュレーターの中心には、タイの拠点で働く一人のベテランエンジニア、通称「Oさん」の存在がありました。彼は社内でも「職人」と称されるほどの技術力と強いこだわりを持つ人物です。
ブラウザ上で、画像を拡大・縮小してもきれいな「ベクターデータ」を扱い、さらにアップロードされた写真から瞬時に滑らかな切り抜き線(カットライン)を自動で作る処理は、非常に高度な技術が求められます。開発当初は「ブラウザでは難しい」「専用アプリにすべきだ」という意見もありました。
しかし、Oさんは「アプリのダウンロードは手間だ。Webで完結させないと意味がない。そして、僕ならできる」と語り、最新のWeb技術を駆使して開発を続けました。彼の辞書に「不可能」という言葉はなかったといいます。

新機能「デザインシミュレーター」の全貌
Oさんと開発チームのこだわりが詰まったデザインシミュレーターには、ユーザーにとって嬉しい機能が満載です。AI初心者にも分かりやすいように、その主な機能を紹介します。
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カートに入れてからデザイン!新しい注文の流れ
これまでは「デザインデータを作ってから注文」が一般的でしたが、このシミュレーターでは「注文内容を決めてからデザイン」という新しい流れを採用しています。先に数量やパーツを選んでカートに入れてから、シミュレーターでデザインを始めます。これにより、選んだ仕様に合わせた最適なデザイン画面が用意されます。 -
驚きの「自動カットライン生成」
画像をアップロードして「カットラインを生成」ボタンを押すだけで、AI(人工知能)が画像の輪郭を自動で解析し、アクリルキーホルダーにぴったりの滑らかな切り抜き線を瞬時に作ってくれます。専門知識が必要な複雑な線の操作は一切不要です。プレビュー画面で、赤い線が思い通りにできているかをすぐに確認できます。 -
「背景削除」もワンクリックで
アップロードした画像に白い背景があっても大丈夫です。シミュレーター内の「背景削除(自動)」にチェックを入れるだけで、被写体だけをきれいに切り抜くことができます。スマホで撮った写真や、白い紙に描いたイラストも、事前に背景を透明にする手間なくそのまま使えます。 -
穴の位置を自由に配置
アクリルキーホルダーの仕上がりに大きく影響する、金具を取り付けるための「穴」の位置も、シミュレーター上で自由に動かせます。「キャラクターの頭の上に」「デザインを邪魔しない耳の横に」など、プレビューを見ながら最適な位置に調整できます。もし穴がデザインに近すぎて割れる心配がある場合は、安全のためにカットラインが生成されないようになっています。 -
「白押さえ」も完全自動化
アクリルグッズ制作で初心者が特に悩む「白押さえ(透け防止のための白いインクの層)」のデータも、システムが自動で作ってくれます。ユーザーは表面のデザインと形を確認するだけでOK。面倒な作業はすべてシステムにお任せください。 -
そのまま注文確定へ
デザインが完成し「決定/注文へ」ボタンを押すと、作られたデータがそのままカートに保存されます。あとは購入手続きに進むだけ。メールでデータを送ったり、担当者と何度もやり取りしたりする「待ち時間」がゼロになり、作りたいと思ったその日に注文が完了します。

実際に使ってみたレビュー
実際にこのシミュレーターを使って、オリジナルのアクリルキーホルダーを作成してみました。
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画像アップロード
スマートフォンの写真フォルダにある、愛猫の写真をアップロードしました。背景が透過されていない写真でしたが、シミュレーター内の「背景除去ツール」を使うと、ワンタップで猫だけがきれいに切り抜かれました。この時点でとても感動しました。 -
カットライン調整
「カットライン自動生成」ボタンを押すと、一瞬で猫の形に沿ったピンク色の線が表示されました。とても滑らかで、まるでプロが作ったようです。 -
金具の穴位置決定
アクリルキーホルダーの重要な要素である「穴」の位置を決めます。猫の頭の上に配置するか、耳の横にするか、ドラッグ操作で自由に動かせます。 -
注文
デザインが完成したら、そのまま注文。ここまでの所要時間はわずか5分でした。とても簡単でスムーズに作業が進みました。

ホットモバイリーが描く未来
ホットモバイリーは、「シミュレーターはあくまで道具。大切なのは、それを使ってお客様が『自分の好き』を形にできた時の喜び」だと語っています。
今回のタイでの自社開発は、同社にとって大きな自信となったようです。創業の地であるタイの技術力と、日本のものづくり品質が融合して生まれたこの新しいデザインシミュレーターは、単なる便利なツールではなく、国境を越えた技術者たちの「ものづくりへの愛」の結晶と言えるでしょう。
「イラストは描けるけど、データは作れない」「スマホしかないからグッズは無理」と諦めていた人も、ぜひ一度、ホットモバイリーのサイトを訪れてみてください。そこには、あなたの創造性を解放する魔法のキャンバスが待っています。
サービス概要
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名称: アクリルキーホルダー・デザインシミュレーター
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利用料: 無料(製品注文時にのみ費用が発生)
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対応デバイス: スマートフォン、タブレット、PC(ブラウザ対応)
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主な機能: 画像アップロード、背景自動除去、カットライン自動生成(スマート・パス・ジェネレーター)、白押さえ自動生成、穴位置調整、リアルタイム見積もり
担当者コメント
ビジネスオーナー部/課長代理の高堰 智章氏は、次のようにコメントしています。
「『もっと手軽に、写真1枚で形にしたい』というお客様の声を形にするため、直感的に使えるシミュレーター機能を開発いたしました。私たちは自社の品質に強い誇りを持っています。操作のハードルを下げることで、これまで接点のなかった多くの方々に、弊社の『本物のクオリティ』をお届けできることを強く期待しています。」


