建設現場では、クレーンを使った荷物の上げ下ろし(荷役作業)が日常的に行われます。特に建物の「開口部」と呼ばれる穴の部分での作業は、見通しが悪く危険が伴います。この危険な作業の安全を守るため、安藤ハザマが新しい警報システムを開発しました。
従来の安全対策と課題
これまでの開口部での荷役作業では、クレーンの運転手から作業場所が見えにくいことが多いため、監視員が警報を出したり、クレーンが動いている間は常に警報を鳴らしたりする方法が一般的でした。しかし、これらの方法には課題がありました。
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クレーンが動くたびに警報が鳴るため、作業員が警報に慣れてしまい、注意力が散漫になる恐れがありました。
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監視員による見落としなど、人の手によるミスが発生する可能性もゼロではありませんでした。
このような人為的な要因による安全確保の不十分さを解決するため、新しい安全確保の仕組みが求められていました。
3次元LiDARを活用した新警報システム
安藤ハザマが開発した「開口部荷役時警報システム」(特許出願中)は、これらの課題を解決するために、最新の技術である「3次元LiDAR(ライダー)」センサーを利用しています。

このシステムの大きな特長は以下の2点です。
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上下同時検知で的確な警報
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開口部の「上方」を3次元LiDARのセンサーや動体検知カメラで監視し、上空で荷物などが動いた時だけを検知します。
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同様に、開口部の「下方」も動体検知カメラで監視し、下方で作業員などが動いた時だけを検知します。
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そして、上方と下方で「同時に」動きが検知された場合のみ警報を発します。これにより、本当に危険な状況の時だけ警報が鳴るため、作業員が警報に慣れてしまうことを防ぎ、見落としも減らすことができます。
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実現場での効果と今後の展望
このシステムは、実際に都市部の建設現場に導入され、その効果が確認されています。開口部のすぐ近くに工事とは関係のない建物がある場合でも、工事に必要な動きだけを正確に検知し、LiDARによる誤った警報がなかったことが報告されています。
安藤ハザマは、このシステムの機能をさらに良くしていくとともに、建設業界全体の生産性向上や、より安全で「新しい働き方」の実現に向けて、これからも積極的に取り組んでいくとしています。
LiDAR(ライダー)とは?
LiDAR(Light Detection And Ranging)は、レーザー光を使って物体の存在を検知したり、物体までの距離を測ったりする技術のことです。

