「3Dasset.io」は、3Dアセットのマーケットプレイスとして、写真から現実のような3D空間を作り出す技術「3D Gaussian Splatting(3DGS)」の主要なデータ形式すべてに対応する大型アップデートを実施しました。これにより、合計15種類以上の3Dデータファイル形式が扱えるようになり、さらにHDR(ハイダイナミックレンジ)による360度背景設定機能も3DGSデータに対応しました。
3D Gaussian Splatting(3DGS)とは?
3D Gaussian Splattingとは、数百万個の小さな点(ガウス分布)を空間に配置して、写真のようにリアルな3D空間をパソコンやスマートフォンでリアルタイムに表示する技術です。ゲーム開発、建築、文化財のデジタル保存、不動産のバーチャル内覧、ECサイトでの商品の3D表示など、さまざまな分野で注目され、急速に利用が広がっています。
なぜ多様な3DGSデータ形式が必要なのか?
3DGSのデータ形式は、2025年から2026年にかけて、実際に利用できる段階へと進化してきました。最初は「PLY」という形式だけでしたが、Web配信に適した「SPLAT」、Webサイト開発でよく使われる「Three.js」向けの「KSPLAT」、オープンソースで標準化が進む「SPZ」、そして最も効率よくデータを圧縮できる「SOG」など、用途や使う場所に合わせて最適な形式が次々と登場しています。
「Webで軽く表示したいけれど、どうすればいいかわからない」「モバイルアプリに組み込みたいけど、ファイルが大きすぎる」といった課題は、これらの多様な形式によって解決されつつあります。たとえば、データをしっかり保存したい場合はPLY、Webで手軽に見せたい場合は圧縮PLYやSPZ、SOG、Three.jsで開発するならKSPLATなど、目的に応じて最適な選択肢を選べるようになったのです。
今回のバージョンアップで「3Dasset.io」は、これらの成熟した3DGS形式すべてに対応し、どのような用途や作業の流れにも対応できるマーケットプレイスとなりました。

対応する3D Gaussian Splatting形式の詳細
PLY(.ply)― 基本となる標準形式
3DGSの元となる標準的な形式です。すべての情報が高精度で保存されるため、編集や長期保存、他の形式への変換の元データとして非常に重要です。ファイルサイズは大きめですが、情報量は最大です。
圧縮PLY(.compressed.ply)― Web用に書き出した画像のような存在
PLYのデータを少し圧縮して、ファイルサイズを約4分の1に減らした形式です。元のPLY形式と互換性があるため、既存のツールでも比較的扱いやすいのが特徴です。品質を保ちつつ、ファイルサイズを抑えたい場合に適しています。
SPLAT(.splat)― 低画質JPEGのような軽量形式
Webブラウザでの3DGS表示を初めて実現した開発者が作った、最もシンプルな形式です。ファイルサイズが非常に小さく、すぐに表示できるのが最大の強みです。たくさんの情報を保持するわけではありませんが、手軽にWebで見せたいときに便利です。
KSPLAT(.ksplat)― Three.js連携に最適化
「Three.js」というWebサイトで3Dを表示するためのツール向けに作られた形式です。この形式は、Three.jsでの読み込みが最も速いという特徴があります。3段階の圧縮レベルを選べ、開発者がThree.jsで3DGSコンテンツを作る際の最適な選択肢となります。
SPZ(.spz)― 高画質JPEGに相当する次世代規格
PLY形式の約10分の1のファイルサイズでありながら、見た目の品質はほとんど変わらないように作られています。汎用性が高く、モバイルやWebサイトなど、どんな場所でも使いやすい万能型です。2025年には、3Dデータの業界標準である「glTF」形式の3DGS圧縮形式としても正式に採用される見込みです。
SOG(.sog)― WebPのような最新・最高効率の形式
PlayCanvasという開発プラットフォームが開発した、最も新しく効率の良い圧縮形式です。PLY形式と比べて最大で約95%もファイルサイズを小さくできます。Webサイトで最小のファイルサイズと最速の表示速度を追求したい場合に特に力を発揮します。
3D Gaussian Splatting(3DGS)の各データ形式について、さらに詳しい解説は以下の記事で確認できます。
IZUTSUYA NOTE記事
全形式でHDR 360度背景表示に対応
今回のアップデートのもう一つの大きなポイントは、対応するすべての3DGSデータ形式で、HDR 360度背景を設定できるようになったことです。これにより、実際の光の環境を再現した背景の中で3Dデータを確認できるようになり、購入前のシミュレーションやクライアントへのプレゼンテーションに役立つ、プロフェッショナルなプレビュー環境が実現します。
従来の主要な3Dモデル形式もフルカバー
「3Dasset.io」は3DGS形式だけでなく、GLB(.glb)、USDZ(.usdz)、FBX(.fbx)、OBJ(.obj)といった、これまで広く使われてきた主要な3Dモデル形式にも対応しています。さらに、Atlasデータ(.zip)やPlayCanvas IDも利用可能です。これにより、新しい3DGSデータと従来の3Dモデルを同じプラットフォーム上でまとめて管理し、売買することができます。
「3Dasset.io」独自の価値
「3Dasset.io」は、実物が存在する3Dデータに特化したマーケットプレイスです。写真測量やLiDARスキャンで取得された高品質なデータの信頼性を確保しています。ブロックチェーン技術を利用してデータの改ざんを防ぎ、半永久的な記録を実現しています。
また、無料の3DGSビューワー「Gaussian Splats Viewer」や「PCDデータのビューワー&コンバーター」、ハンドトラッキングによるインタラクティブな操作体験なども提供しています。今後も新しいデータ形式や技術に素早く対応し、クリエイターや企業、研究機関の3D活用を強力にサポートしていくとのことです。

