AIが企業の財務データを分析する際に、古い情報や間違った数字を参照してしまうことはないでしょうか。このようなAIの「ハルシネーション(誤情報生成)」は、参照できる正確で構造化されたデータが少ないことが原因の一つとされています。
金融庁の「EDINET」には、日本の上場企業すべての有価証券報告書が公開されています。しかし、これらのデータは会計基準や企業ごとの独自の定義が異なるため、システム的にまとめて分析するのが難しいという課題がありました。
AIから直接つながる有報データ基盤「EDINET DB」が正式リリース
カボシア株式会社は、この課題を解決する「EDINET DB」を正式にリリースしました。このサービスは、日本初となるAIから直接つながる有価証券報告書データ基盤です。
EDINET DBは、3つの会計基準(日本基準、国際基準、米国基準)にまたがる170以上のXBRLタグのマッピングや、企業独自のタグにも対応する仕組みで、データの「名寄せ(異なる名称を同じものとして扱う処理)」を自動で行います。これにより、AIはWeb検索ではなく、APIを通じて構造化された数値を直接取得できるようになり、ハルシネーションのリスクが下がると期待されています。
名寄せ済みの日本株有価証券報告書データをリモートMCPで提供するサービスとして、2026年2月末時点での調査に基づいています。

β公開から約10日間で、APIキー発行数は1,300件を超え、月間APIリクエストは50万件以上を記録しました。公認会計士、個人投資家、AIエンジニアなど、幅広い分野のユーザーがこのサービスに登録しています。
AIが財務データを間違えがちな理由とEDINET DBの解決策
AIに「トヨタの営業利益率は?」と尋ねても、必ずしも正しい数字が返ってくるとは限りません。これは、AIが参照するデータが古い、出典が不明、あるいは数字そのものが間違っているといった問題があるためです。
EDINETで公開されている有価証券報告書は無料で利用できる公共データですが、異なる会計基準や企業独自のタグのため、3,848社すべてを横断して分析するには、複雑な名寄せ処理が不可欠でした。EDINET DBは、この名寄せを自動化することで、AIが正確な財務データにアクセスできる環境を提供します。

正式リリースで提供される機能と料金プラン
EDINET DBは、様々なAIツールとの連携を可能にしています。
AIツールとの接続
Claude.ai、ChatGPT、Cursor、WindsurfといったAIツールから、MCPプロトコルを使ってEDINET DBに接続できます。EDINET DBがリモートMCPサーバーを提供しているため、ユーザー側でサーバーを構築する必要がなく、ブラウザ上のAIから直接データを参照できるのが特徴です。
ChatGPTやClaude.aiなどのブラウザAIから直接接続できる、名寄せ済みの日本株財務データサービスとしては、2026年2月28日時点での調査に基づき、日本初であるとされています。


APIの商用利用
EDINET DBのAPIは、すべての料金プランで商用利用が可能です。これを利用してアプリを開発・公開したり、業務ツールに組み込んだり、分析レポートにデータを活用したりすることができます(ただし、データの丸ごと再配布や再API化は禁止されています)。

主な提供データ
EDINET DBでは、以下のようなデータを提供しています。
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企業基本情報(証券コード、業種、会計基準など)
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最大6年分の時系列財務データ(売上高、営業利益、有利子負債、ROE、EPSなど69項目)
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財務健全性スコア(0〜100、算出ロジックを公開)
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業種別ランキング(ROE、営業利益率、配当利回り、3年CAGRなど18指標)
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有価証券報告書のテキスト全文(事業の内容、リスク情報、MD&Aなど。文字数制限なし)
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AIが生成した企業分析サマリー

料金プラン
Webでの企業情報閲覧は登録不要で、すべての機能が無料で利用できます。APIやMCPの利用に対してのみ料金が発生します。無料プラン(Free)でも、AIチャット経由(MCP)であれば1日あたり約30回程度のAI分析が可能です。
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Free: 無料(100回/日)
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Pro: 月額4,980円(1,000回/日)
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Business: 月額29,800円(10,000回/日)
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Enterprise: 個別見積もり(API上限カスタム、SLA・専用サポート)
ローンチキャンペーン
2026年3月7日までにEDINET DBに登録し、APIキーを取得したすべてのユーザーは、ProプランとBusinessプランを永久に半額で利用できるキャンペーンが実施されています。
この期間中はβプラン(Pro相当の1,000回/日)で無料で利用を続けられますが、キャンペーン期間終了後は、アップグレードしない場合、自動的にFreeプラン(100回/日)に移行します。
EDINET DBのAPIキー取得はこちら: https://edinetdb.jp/developers
β期間の改善とユーザーからの声
β公開後の約10日間で、67回のコード更新が実施され、多くの改善が行われました。
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財務データ項目を24項目から69項目に拡充
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営業利益のカバレッジを83%から97%に改善
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有価証券報告書テキストの全文提供を開始
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AI企業分析を全面刷新し、全件400字以上の自然文フォーマットに統一
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3年CAGR(年平均成長率)などの成長指標を追加
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データの透明性を強化し、名寄せロジックや財務健全性スコアの算出方法を公開
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セキュリティ監査を実施し、複数の課題を修正

X(旧Twitter)では、このサービスに対して225件以上の言及があり、以下のような肯定的な意見が寄せられました。
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公認会計士からは「EDINETのデータを毎日手作業で加工していたが、その必要がなくなりそうだ」という声
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個人投資家からは「ChatGPTで企業の数字が正しく取れなかった問題がこれで解消される」という評価
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開発者がEDINET DB APIを使ってわずか20分でアプリのプロトタイプを完成させた事例
一方で、データの誤りや取得できない項目の指摘もありましたが、報告を受けた当日中に対応されたケースもあります。
既存サービスとの比較とEDINET DBの優位性
EDINET DBは、有価証券報告書のテキストを無料でAPI提供し、AIによる総合的な所見や財務健全性スコア(ロジック公開)、名寄せロジックの公開など、他のサービスと比較して多くの特徴を持っています。特に、AIツールと直接接続できるリモートMCP対応は、EDINET DBが特に力を入れている点です。

今後の展望
EDINET DBは、今後もサービスの拡充を進める予定です。
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適時開示(TDnet)速報への対応やAIによる決算要約の準備
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配当や株式分割で調整されたデータ(調整済みDPS・EPS)の提供
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現在の6年分(FY2020-25)から時系列データの収録期間を大幅に拡張
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Anthropic MCPディレクトリへの掲載申請
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EDINET DB APIを使った業界分析テンプレートをGitHubで公開し、APIキー取得後すぐに分析を始められる環境を提供
EDINET DBは、人間が見ることを前提とした従来のデータサービスとは異なり、AIがアクセスしやすいデータ構造を優先しています。有価証券報告書から始まり、AIが企業分析に必要とするあらゆるデータをこの基盤上に拡充し、AIにとって最もアクセスしやすい日本の財務データプラットフォームを目指していくとのことです。
進捗状況はX(旧Twitter)の公式アカウントで発信されています。
サービス概要
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サービス名: EDINET DB
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URL: https://edinetdb.jp
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対象データ: 日本の全上場企業 3,848社
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データソース: 金融庁 EDINET API(有価証券報告書)
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収録期間: FY2020〜FY2025(最大6年)
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API: REST API v1(11エンドポイント) + MCP Server
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料金: Web閲覧無料 / Free ¥0 / Pro ¥4,980 / Business ¥29,800 / Enterprise 個別
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対応会計基準: JP GAAP / IFRS / US GAAP
会社概要と問い合わせ先
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会社名: カボシア株式会社
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代表: 小池 陸
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所在地: 東京都港区芝浦1丁目9-7
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事業内容: AIエージェント基盤の開発・運用、データ分析基盤の構築
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URL: https://cabocia.jp
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メール: edinetdb@cabocia.jp
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X (旧Twitter): @edinetdb

