プロメテックグループ株式会社は、衣服・ライフスタイル産業の課題解決に取り組むシタテル株式会社への出資を発表しました。この出資は、AI（人工知能）やHPC（高性能計算）といった最先端の技術を活用し、ものづくりのサプライチェーンを大きく変革していくことを目的としています。
出資の背景：デジタル化とAI/HPCの融合
プロメテックグループは2004年の創業以来、計算科学の技術をさまざまな産業に応用してきました。具体的には、製造業向けのシミュレーションソフトウェアの開発・販売や、LLM（大規模言語モデル）ソリューションの提供、そしてそれらを効率良く動かすNVIDIA GPUを核としたHPC基盤の研究開発を行っています。
一方、シタテルは、衣服生産の過程での情報管理や工場とのやり取りをデジタル化することで、業務の効率化やサプライチェーン（製品が消費者の手に届くまでの流れ）の最適化を進めてきました。衣服やライフスタイル製品を作る際には、企画、設計、製造といった「ものづくり」の各段階でデジタルデータを共有し、活用することが非常に重要です。
プロメテックグループは、このデジタルデータの共有と活用において、AIやHPCの技術プラットフォームが最も重要な要素になると考えています。これは、プロメテックグループが長年取り組んできたシミュレーション技術の分野と共通する点が多くあります。
プロメテックグループが研究開発しているNVIDIA GPUを使ったAI/HPCソリューションは、あらゆる産業の生産性を高め、新しい価値を生み出す力を持っています。今回、優れた「衣服のデジタル生産プラットフォーム」を持つシタテルと、計算科学の専門家であるプロメテックグループが協力することで、より高い価値と世界で戦える「ものづくり」を実現できると確信し、今回の出資に至りました。
シタテルとプロメテックグループ、それぞれの強み
株式会社シタテルについて
シタテルは「サプライチェーンを革新し想像力を解き放つ」をミッションに掲げ、未来のものづくりを支える基盤づくりを進めています。衣服・ライフスタイル業界が抱える生産管理や情報分散といった課題に注目し、「シタテルプラットフォーム」を通じて衣服づくりのエコシステムを支援しています。2014年に熊本県で事業を開始して以来、衣服のデジタル生産プラットフォームを展開し、現在では国内を中心に約5,355社の縫製工場・生地メーカーと、約24,730社のブランド・企業が登録しています。
詳細はこちらをご覧ください:
https://sitateru.co.jp/
プロメテックグループ株式会社について
プロメテックグループは2004年の創業以来、粒子法の流体シミュレーションソフトを開発し、世界中の製造業で活用されています。商用流体シミュレーションで世界で初めてGPU（グラフィック処理装置）を実装した技術力を活かし、2010年にはGDEPソリューションズを設立。インフラ製品からクラウドサービスまでを幅広く提供しています。計算科学の分野で世界のトップを目指し、シミュレーション、HPC、AI、大規模データの可視化を核として、新しい価値創造に取り組んでいます。
詳細はこちらをご覧ください:
https://group.prometech.co.jp
両社のコメント：次世代のデジタル生産プラットフォームへ
シタテル株式会社 代表取締役 河野秀和氏
プロメテックグループとの資本提携により、新たな協力の機会を得られたことを大変光栄に思います。シタテルは、衣服・ライフスタイル産業の現場で培った知識をもとに、サプライチェーン全体の最適化とデジタルプラットフォームの構築を進めてきました。今回の出資を機に、プロメテックグループのシミュレーション技術やAI解析基盤と連携し、シタテルが蓄積してきた膨大なデータや知識を活用した「知的生産エージェント」の開発に取り組んでいく予定です。
両社の技術と知識を組み合わせることで、設計から生産、そして需要予測までをAIが自動で最適化する、次世代のデジタル生産プラットフォームへと進化させ、ものづくりの精度とスピードを飛躍的に高めることを目指します。今後も、AI、デジタルツイン、クラウド連携を軸に、より創造的で持続可能な産業構造の実現を目指します。
プロメテックグループ株式会社 代表取締役会長兼社長 藤澤智光氏
衣服・ライフスタイル産業が抱える課題を、洗練されたプラットフォームやソリューションで解決しているシタテル株式会社に資本参加する機会を得られたことを大変光栄に思います。ものづくりにおける様々な課題を解決するためには、計算科学の進化をいち早く取り入れて応用することが効果的であり、シタテルのさらなる成長と発展に、プロメテックグループのAI/HPCソリューションが大きく貢献できると考えています。両社は異なる産業分野で事業を行っていますが、それぞれの顧客が抱える課題解決において、AI/HPCの技術プラットフォームという共通点を通じて新しいソリューションを生み出す大きな可能性があります。共に協力し合いながら成長できることを心から願っています。
この出資によって、衣服・ライフスタイル産業の未来のものづくりが、AIとHPCの力でどのように革新されていくのか、今後の展開に注目が集まります。
