
中国電力ネットワーク株式会社は、株式会社ハイレゾと業務提携を結び、中国地域でGPU専用データセンター事業を展開するための検討を始めました。
AIの進化を支えるGPUデータセンターの重要性
近年、文章や画像を自動で作り出す「生成AI」が急速に広まっています。この生成AIを動かすには、とても高い計算能力を持つ「GPU(Graphics Processing Unit)」という特別な部品がたくさん必要です。そのため、GPUをたくさん集めて効率良く動かす「GPU専用データセンター」の需要が世界中で高まっています。
しかし、現在の日本では、こうしたデータセンターの多くが海外の事業者によって作られたり、東京や大阪のような大都市圏に集中したりしています。その結果、地方での経済活動や新しい価値の創造につながる機会が限られているのが現状です。
株式会社ハイレゾとの業務提携
中国電力ネットワークは、こうした状況を変えるため、GPU専用データセンターの設計から運営、さらにクラウドサービスまでを一貫して提供している株式会社ハイレゾと協力することになりました。ハイレゾ社は、GPUクラウドサービス「GPUSOROBAN」を提供しており、環境に優しい省エネルギー設計を導入したり、廃校を活用して地方にデータセンターを作ったりするなど、国内の様々な地域で多くの実績を持っています。
今回の業務提携により、両社は中国地域でのGPU専用データセンター事業が本当に実現できるのかを詳しく調べていきます。具体的には、ハイレゾ社が提供するクラウドサービスを使いながら、データセンターの運用やメンテナンスに関する実践的な知識を深め、お客様のニーズや市場の状況を様々な角度から分析する予定です。
これまでの取り組み
今回の業務提携は、中国電力ネットワークが地域の未来を明るくするための新しい価値創造を目指して開催した「Co-Creation with Network」というオープンイノベーションプログラムがきっかけです。昨年5月にハイレゾ社との協業が決定し、それ以来、事業化や社会での実現に向けて検討が進められてきました。
「Co-Creation with Network」ウェブサイトはこちらです。
https://www.energia.co.jp/nw/company/activity/co-creation/index.html
GPU専用データセンターとは?
GPU専用データセンターは、その名の通りGPUという部品を使った計算処理に特化したデータセンターです。一般的なデータセンターが主にCPU(Central Processing Unit)という部品を中心に設計されているのに対し、GPU専用データセンターはGPUの性能を最大限に引き出すように作られています。GPUは、たくさんのデータを同時に処理する能力に優れているため、AI(人工知能)や機械学習、大量のデータ分析、シミュレーションなど、とても複雑で計算量の多い用途にぴったりです。
協業企業の概要

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会社名: 株式会社ハイレゾ
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代表者: 代表取締役 志倉 善幸
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所在地: 佐賀県東松浦郡玄海町
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協業内容: 地方創生型のGPU専用データセンターを通じて、地域の活性化とデジタルインフラの地域分散を目指します。
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ウェブサイト: https://highreso.jp/
この業務提携が、中国地域のデジタル化を加速させ、新たな経済的価値を生み出すきっかけとなることが期待されます。

