一般社団法人 次世代社会システム研究開発機構は2026年3月16日、『熱電池/熱エネルギー貯蔵のブレークスルーと商業化ロードマップ白書2026年版』の発刊と概要を発表しました。この白書は、熱を貯めて必要な時に使えるようにする「熱電池」や「熱エネルギー貯蔵(TES)」という技術に焦点を当てています。

「熱電池・熱エネルギー貯蔵」とは?
この白書の中心にあるのは、「相変化材料(PCM)」という特殊な材料です。PCMは、温度が変わる時に熱を吸収したり放出したりする性質を持ち、これを活用することで熱を効率的に貯蔵・利用できます。この技術は、単に熱を貯めるだけでなく、AI(人工知能)を使った材料開発や、デジタルツイン、IoT(モノのインターネット)による制御と組み合わせることで、「制御可能な熱資産」として、社会のインフラに組み込まれる大きな転換期を迎えていると説明されています。
拡大する市場と主要な牽引役
世界のPCM市場は、2025年時点で約72億米ドルと推定されており、2030年には140億米ドルを超える規模に拡大すると見込まれています(年平均成長率CAGR約11.8%)。この成長を支える主要な分野は以下の5つです。
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EV(電気自動車)バッテリーの熱管理
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AIデータセンターの冷却
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ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)などのグリーン建築
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コールドチェーン物流(医薬品や食品などの温度管理)
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CSP(集光型太陽熱発電)

白書の活用シーンと提言
この830ページに及ぶ調査レポートは、材料の基礎知識から投資動向、企業戦略、具体的な実装ロードマップまで、ビジネスの判断に直結する幅広い情報がまとめられています。事業戦略や投資判断、研究開発、政策立案、サプライチェーン管理など、様々な場面での活用が期待されます。
白書では、具体的なアクションプランの骨子も提示されています。例えば、材料技術の面では、グラフェンやCNT(カーボンナノチューブ)などのナノ強化技術を使ったPCMの開発や、AIマテリアルズインフォマティクスによる開発サイクルの短縮が推奨されています。また、市場参入については、EV分野やAIデータセンター向けのTESを最優先市場と位置づけ、IoTセンサー内蔵PCMモジュールとデジタルツインを組み合わせた「蓄熱のSaaS化」モデルが新たな収益源として提案されています。

この白書はこんな方におすすめ
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エネルギー・化学・素材企業の事業開発担当者の方
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自動車メーカーやEV部品サプライヤーの方
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建設・不動産・設備会社の方
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製薬・物流・コールドチェーン担当者の方
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AIデータセンター運営・IT企業の方
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研究者・技術企画担当者の方
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投資家・VC・政府系ファンドの方
この白書は、熱エネルギー貯蔵技術の最前線と将来性を理解し、ビジネスチャンスを見つけるための貴重な情報源となるでしょう。
関連情報
白書の内容や詳細については、以下のリンクから参照できます。
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熱電池/熱エネルギー貯蔵のブレークスルーと商業化ロードマップ白書2026年版 PDF版: https://www.x-sophia.com/?pid=190887208
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熱電池/熱エネルギー貯蔵のブレークスルーと商業化ロードマップ白書2026年版 製本版: https://www.x-sophia.com/?pid=190887211
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<目次>: https://susumumorita864-png.github.io/report-contents/thermal-battery-thermal-energy-storage.html

