台湾のスマートロボットブランドであるテックマン ロボットが、東京ビッグサイトで開催されたiREX 2025(国際ロボット展)に出展し、最新のAI技術を発表しました。今回のテーマは「AIリアルタイム 即決即断、生産性シームレスなアップグレード」。生産現場の効率を大きく変える二つの技術、「高速AIビジョンフライングトリガー検査システム」と「Auto AI Training」が紹介されました。
止まらない生産ライン!「高速AIビジョンフライングトリガー検査システム」
生産ラインでの製品検査は、品質を保つ上でとても大切です。しかし、従来の検査方法では、ラインを一時的に止めて製品をチェックする必要がありました。これでは、生産の効率が下がってしまいます。
テックマン ロボットが発表した「高速AIビジョンフライングトリガー検査システム」は、この課題を解決するものです。このシステムは、協働ロボットが高速で動きながら、AIの目(ビジョン)を使って、動いている製品の欠陥をリアルタイムで素早く見つけ出します。つまり、生産ラインを一切止めずに、製品の品質をチェックできるのです。

この技術には、NVIDIA Omniverseという高度なシミュレーション技術が使われています。実際にロボットを動かす前に、コンピューター上でロボットの動きやAIの検査方法を細かく試せるため、とても正確で効率の良いシステムが実現しました。
このシステムを導入することで、検査にかかる時間を平均で40%から50%も短縮できるとされています。自動車のシート部品やサーバーの組み立て部品など、高い品質が求められる製品の検査に特に役立ち、人による検査ミスやコストを減らすことにもつながります。
誰でもAIを使いこなせる!「Auto AI Training」技術
AIを工場に導入しようとすると、「専門的な知識が必要で難しい」「導入に時間がかかる」といった問題に直面することがよくあります。
テックマン ロボットの「Auto AI Training技術」は、これらの問題を解決するために開発されました。この技術を使えば、AIの専門家でなくても、生産ラインで働く従業員自身が、AIの検査モデルをリアルタイムで調整したり、新しいことを覚えさせたりできます。これにより、AIビジョン検査の導入にかかる時間を最大で90%も短くすることが可能になります。
この技術は、協働ロボットとAIビジョンを組み合わせたプリンター検査ソリューションにも活用されており、精密な部品の組み立てにおける品質検査を、より速く、より正確に行うことができます。
買ってすぐに使える「Instant Cobot Ready」ソリューション
企業が自動化を進める上で、「すぐに導入して、すぐに効果を出したい」というニーズがあります。これに応えるのが、テックマン ロボットの「Instant Cobot Ready」ワンストップ自動化ソリューションです。
特に注目を集めたのが「インスタントパレタイザー」という製品です。これは、最大35kgの重い荷物を、途切れることなく自動で積み重ねていくことができるロボットです。倉庫での荷物の整理や、製品の最終包装など、様々な場面で「買ってすぐに使える」という手軽な選択肢を提供し、企業の自動化を加速させます。

