医療機器の品質管理が変わる!Berryが「Amazon Bedrock」で生成AI活用、AWS公式事例に

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Berryが生成AIで医療機器の品質管理を革新、AWS公式事例として掲載

医療機器の品質管理は、専門的な知識と多くの手間がかかる大変な作業です。そんな中、株式会社BerryがAmazon Web Services(AWS)の生成AIサービス「Amazon Bedrock」を活用し、この品質管理システム(QMS)の業務を大きく改善しました。この先進的な取り組みが、AWSの公式ブログで紹介され、業界内で注目を集めています。

PCでシステムを操作する女性の様子

医療機器の品質管理(QMS)とは?なぜAIが必要なのか?

医療機器は人々の命に関わるため、とても厳しい品質管理が求められます。この品質管理の仕組みをQMS(Quality Management System)と呼びます。QMSの業務では、たくさんの専門的な書類を作ったり、それがルールに合っているか確認したりと、非常に手間と時間がかかります。

株式会社Berryは、このような大変な業務をもっと効率的で確実にするために、AIやクラウドの技術を使ったQMSの支援ツールを開発してきました。その中で、Amazon Bedrockという生成AIのサービスを使うことで、書類のチェックや問題の原因を見つける手助けをするAI機能を実現し、開発の効率と機能の精度を向上させました。この成果が、医療機器のQMS分野における先進的なAI活用例として、AWSの公式ブログで紹介されることになったのです。

Amazon Bedrockを活用したQMSmartのAI機能

Berryが開発した電子QMS「QMSmart」では、Amazon Bedrockを通じて、以下のようなAI機能が利用できます。

  • 規制適合性チェックAI: 作成した書類が医療機器のQMSに必要なルールに合っているかをAIが自動でチェックします。

  • 根本原因分析AI(RCA支援): 何か問題が起きたときに、その根本的な原因をAIが見つけるお手伝いをします。

  • テストケース自動生成AI: 製品のプロセスに合わせて、必要なテスト項目をAIが自動で作ります。

これらのAI機能を使うことで、担当者の仕事が効率的になり、同時に品質も向上させることができます。

Amazon Bedrock導入で得られた大きな効果

開発のプロセスが革新的に変化

医療機器の品質管理や製造管理の専門的な視点を取り入れた指示(プロンプトテンプレート)をAIに与えることで、高精度な答えを安定して得られるようになりました。これにより、これまで約1か月かかっていた検証作業が、Amazon Bedrockの特性を活かした設計に切り替えることで、約1週間へと大幅に短縮されました。

QMSmartのAI機能の品質向上

開発が効率的になったことで、QMSmartの文書チェックや根本原因分析支援などのAI機能の精度や安定性、そして医療機器の規制文書を理解する能力が向上しました。医療機器QMSの要件に合わせたAIへの指示の最適化により、実際の品質管理業務で信頼して使えるレベルになっています。

QMSmartの主な機能

QMSmartは、AIによる支援機能だけでなく、品質管理に必要な様々な機能を提供しています。

品質イベント管理、教育訓練、文書管理のシステム図

  • 文書管理: 規定や手順書から記録まで、すべての書類を電子化。キーワード検索で必要な情報にすぐアクセスでき、電子署名やユーザー権限管理など、ルールに沿った管理が可能です。

  • イベント管理: 問題発生時の対応(CAPAなど)をクラウド上でまとめて管理。進捗状況や関連する記録がすぐに確認でき、どんな品質イベントにも対応できる柔軟なテンプレートが用意されています。

  • 教育訓練: 書類の変更に伴う教育訓練の計画から受講管理までをまとめて行えます。オンラインテストの自動採点や受講状況の確認機能で、教育訓練の手間を大きく減らせます。

  • AIによる支援機能: 上記で紹介したAI規制チェック、根本原因の自動分析、さらに文書からオンラインテストの問題を自動生成する機能も備わっており、教育資料の作成時間も大幅に短縮できます。

今後の展望

Berryは、これからも生成AIを活用して、医療機器メーカーが抱えるQMS業務の負担を軽減することに貢献していきます。今後は、医療機器分野に特化したAI機能の精度をさらに高めたり、対応できる規制の範囲を広げたりして、品質管理プロセス全体の最適化を進めていく予定です。

株式会社Berryについて

株式会社Berryは、「あらゆる人が必要な時に必要な医療を受けられる社会の実現」を目指す医療機器ベンチャー企業です。3Dプリント技術と3Dデータ解析を活用し、乳児向けの頭蓋形状矯正ヘルメット「ベビーバンド」の製造・販売を行っています。自社の開発・製造現場での経験を活かし、医療機器業界の課題解決に取り組んでいます。

また、情報セキュリティに関する国際規格「ISO 27001」も取得しており、安心してサービスを利用できる体制を整えています。

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