磐田市とSDT株式会社が連携、生成AIで子育て支援を強化
静岡県磐田市とSDT株式会社は、生成AI(ジェネレーティブAI)を活用した子育て分野のチャットボット実証実験を始めました。これは、2024年11月に両者が結んだ生成AIに関する連携協定に基づく取り組みです。

実証実験開始の背景
近年、共働き家庭が増えたり、働く時間が多様になったりする中で、市役所の窓口が開いている時間に子育てに関する情報を得るのが難しいと感じる声が増えていました。そこで、いつでもどこでも子育て情報にアクセスできる仕組みが必要だと考えられました。
SDT株式会社が持つ生成AIの技術を使い、市民がまるで人と話すように自然な形で必要な子育て情報を手に入れられるようにするため、今回の実証実験がスタートしました。
実証実験の概要
この実証実験は、2025年12月1日から2026年3月31日までの予定で行われます。
対象分野:子育て支援
主な機能:
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磐田市の子育て支援制度に関する質問に自動で答える
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保育園・幼稚園の情報や、手当・助成金などの案内
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24時間365日、いつでも情報を提供できる体制
アクセス方法:
磐田市の公式ウェブサイトにある子育て応援ページから利用できます。
https://www.city.iwata.shizuoka.jp/1006547/
チャットボットの特長:
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磐田市の情報に特化:磐田市が提供する子育て支援制度や手続き方法など、地域に合った正確な情報を提供します。
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24時間365日いつでも相談可能:市役所の窓口が開いていない時間でも、子育ての疑問や相談にすぐに答えます。
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生成AIによる自然な対話:最新の生成AI技術により、質問の意図を理解し、まるで人間と話しているかのように適切な情報を提供します。
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簡単な操作性:専用のアプリをインストールする必要がなく、インターネットブラウザから手軽に利用できます。
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最新情報の自動更新:制度の変更や新しい支援策など、ウェブサイトの最新情報が自動的にチャットボットに反映されるため、職員の手間を減らします。
期待される効果
このチャットボットによって、子育て中の家庭が必要な情報をいつでもどこでも手に入れられるようになり、不安や疑問を素早く解決できることが期待されています。これにより、市民の皆さんの利便性が向上するでしょう。
また、市役所の職員が日々受けている問い合わせの負担が減ることで、より専門的な相談対応に集中できるようになり、行政の仕事が効率的になることも期待されます。
さらに、この取り組みが行政サービスのデジタル化(DX)を進める良い例となり、他の分野にも生成AIの活用が広がる可能性を探ります。
今後の展望
今回の実証実験で、チャットボットの利用状況や利用者からの意見を詳しく分析し、より正確で使いやすいチャットボットに改善していく予定です。実証実験の結果を見て、将来的には本格的に運用を始めたり、子育て以外の行政分野にもこのチャットボットの仕組みを広げたりすることを検討しています。
SDT株式会社は、これからも生成AI技術を使った新しいサービスを提供することで、自治体のデジタル化を支援し、住民サービスの向上に貢献していく方針です。
生成AIサービス「Panorama AI」について
今回のチャットボットには、SDT株式会社が提供する生成AI活用のプラットフォーム「Panorama AI」が使われています。「Panorama AI」には、以下のような特長があります。
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RAG(検索拡張生成)という技術を使って、特定の独自データを活用できる
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用途に合わせて最適な大規模言語モデル(LLM)を選べる
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AIが事実と異なる情報を生成してしまう「ハルシネーション」を抑える
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質問に対して素早く回答を生成できる
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利用者がコンテンツを管理できる
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利用状況を確認できる
生成AIは多くの可能性を秘めており、あらゆる分野で大きな変化をもたらす力があります。「Panorama AI」は、この革新的な技術の価値を最大限に引き出し、広い視野で物事を捉えることで、自治体や企業に新しい変革をもたらすことを目指しています。
「Panorama AI」のウェブサイトはこちらです。
https://panorama-ai.net

